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棋士の誉れ - 王手桂香取り!

『王手桂香取り!』を読んだ。

将棋が題材のライトノベル。プロの棋士が推薦文を書いているくらいだから、きっと将棋についての描写はリアルなんだろう。

自分は将棋に詳しいわけではないから、雰囲気を楽しんで読んでいた(昔は駒の動かし方くらいは知っていたけれど、今はもうその記憶も朧気)。

自分の知らない世界でも、真剣な遣り取りを見るのは楽しい。半可通な批判を持ちにくい分、かえって素直に楽しめるくらいかもしれない。

続きがあと2冊ある。最後に新キャラが出てくるクリフハンガーな幕引きだったので気になるところ。あと、この本の感想を調べていたら、『りゅうおうのおしごと!』というライトノベルも将棋を題材にしていて、評判がみたい[1]。こちらも読んでみたい(こうして読みたい本リストが際限なく伸びていく)。

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