「『すごーい! あなたは○○なフレンズなんだね!』ってさ」
「ここ数日で、タイムラインで沢山見かけるようになりましたね」
「これから使われるかもしれないじゃないですか。まだ第5話ですよ?」
「これだけ認知度が上がったらそういうこともあるかもしれないけれど、そうじゃなくて」
「いいんじゃないですか? 『そう、iPhoneならね』もCMで使われていないそうですし[4]、偉人の名言が実は捏造だったというのも珍しくないですし、紀元前まで遡ればプラトンの対話篇に書かれているソクラテスの言葉だって、きっと創作だらけですよ」
「最後のは確かめようないだろ」
「それで、そうじゃなかったら、どうだっていうんですか?」
「『すごーい!』って小馬鹿にするようなニュアンスでも使われるけれど、アニメでは直球の賞賛の言葉として使われているのがさ。あっという間にまた煽るのにも使われるようになっていて、すごーい!って」
「そんな風に使える機会が多いのも、広がりを後押ししていそうですね」
「それはあるかも」
「でも、流行り言葉に乗っかって、一方的にフレンズ宣言しちゃうのは考え物ですよね。いくら友達がいないからって」
「うーん、そんなつもりじゃないだろ、きっと。仮にそうだとしても、流れ弾が友達にも当たってかえって減っているのでは」
「すごーい! 友達がいないフレンズなんですね!」
「もしかして、イマジナリーフレンド?[5]」
「ここでそれを言いますか」
「これ、言わば一人対話編だもんな……。って希さん、お前がそれを言うか」[6]
「その言葉、そのままお返ししますよ」
「え、これ書いているの俺だよ?」
「ええ、現実とのインタフェースは双司君です。でも、どちらがどちらのイマジナリーフレンドで、個人の自由はどこにあるんでしょうね?」
「え?」
「ねえ、双司君。インタフェースは実装とは分離されているべき[7]だとは思いませんか?」
「ん……」
「もしかしたら……」