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3月, 2012の投稿を表示しています

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『檻の中の少女』を読んだ。 Webサービスのセキュリティを題材にしたミステリィ。こうして読んでいると、自分はセキュリティについてまだまだ疎いな、と実感した。 セキュリティについて考えるのは苦手。悪意を前提として都合が悪い方へ悪い方へ想像を巡らせる必要があるから、神経がすり減るのが原因だと思う。 小説としても面白かったから、『サイバーテロ 漂流少女』も読んでみようかな。 3年くらい前に読んだ『青い虚空』( 感想 ) も面白かったけれど、この手の話は最近の話題が盛り込まれていた方が緊迫感があっていいな、と思った。

問題の正義

『正義のアイデア』を読んだ。 答えがないことには耐えられない人は、二つの意味で読み進め辛いだろうな、と思った。まず、本書に答えがない。それから、答えはあったとしても役に立たない、とも言っている。 自分は活字中毒だから、テューキーの次の言葉が気に入っているくらいには、正確な答えに無頓着だったので、分からないことも多かったけれど楽しめた。 「正しい疑問に対する近似的な解を持つ方が、間違った疑問に対する正確な解を持つよりましである」 序文によると、本書の目的は「どうすれば我々は正義を促進し、不正義を抑えるという問いに答えることができるかを明らかにすること」だそうだ。実際、「どうすれば我々は正義を促進し、不正義を抑えるという問い」に対する答えは、示していない。 それから、関心は「不正義を抑える」ことにある。「正義とは何か?」は、問題にしていない。この問題意識は、『もうダマされないための「科学」講義』( 感想 ) の「科学と科学でないもの」とよく似ている。「科学と科学でないもの」は、「科学ではないもの」を明らかにしてその被害を抑えようという意図で書かれていたと記憶している。 さらに、本書は、答えがあったところで、目の前の問題に役に立つとは限らない、と主張している。それを、次の例を使って説明している。 もし我々がピカソとダリのどちらかを選ぼうとすると、この世で理想的な絵がモナリザだという診断(たとえそのような先験的診断が可能であるとしても)を行っても何の役にも立たない。 本書で言及されているから、改めて言うことでもないけれど、ウィトゲンシュタインの思想と関連している。下記を読み返したくなった。 「ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む」( 感想 ) 『ツチヤ教授の哲学講義』( 感想 ) じゃあ、ピカソとダリをどう選ぶのか、が気になるけれど、分からない部分が多かった、というのが正直な感想。キーワードは、「包括的結果」「ケイパビリティ」「開放的普偏性」「公共的推論」「複数性」のあたり。ある結果に至った過程も含めた「包括的結果」と、それがどれだけ個人の「ケイパビリティ」を向上させるか、が目安になるようだけれど、それは一次元的な尺度ではないというくらいは読み取れた。 特によく分からないのが、「公共的推論」。具体的にイメージできない。本書で言及されているハー

稟とした熱帯雨林

"Jungle"を買った。洋書だけれど写真集なので、読まなくても眺めていれば楽しい。 動物の写真も植物の写真も、クローズアップもロングショットもあって、眺めていて飽きない。 構えるヒョウ、極彩色の鳥の群れ、茎を這うアカメアマガエル、深緑の森に咲く深紅の花。 サイのアップ、チンパンジーの親子、川面に映る夕日、木々の隙間から覗く月。 鮮やかで動きのある写真から、色数の少ない落ち着いた写真まで、表情豊か。 撮影されたのは写真家のFrans Lantingという方。公式サイト Nature Photography by National Geographic Photographer Frans Lanting で、メニューから"Stock Phots"や"Fine Art Prints"を選ぶと大量のサンプル画像が見られるので、興味が湧いたらぜひ。

Droid Play

android mini collectibles series 02 を買った。出たのはHexcode。黒地に浮かぶグリーンの六角形のパターンが渋い。 ところで、"Android Market"が"Google Play"に統合されて、Infobar A01のアイコンがドロイド君じゃなくなってしまったのが寂しい。

魔法少女の惑う症状

1ヶ月の発売延期を経て、ようやくfigmaのマミさんを買った。 マミさんもさることながら、シャルロッテも別ベクトルでかわいい。こうやって並べて飾ると、キュウべぇよりよほどマスコットらしい。 こんな感じで魔法少女魔法少女しているマミさんもいいなぁ。そんな時間軸もあったんだろうか。

「だから何?」「何も」

『小林秀雄の恵み』を読んだ。 橋本治が、小林秀雄が本居宣長の著書を読んで書いた『本居宣長』を読んで書いた作品。入れ子構造が面白い。 入れ子はもう一つ増やせる。自分は、橋爪治が小林秀雄が本居宣長の著書を読んで書いた『本居宣長』を読んで書いた『小林秀雄の恵み』を読んで、このエントリィを書いている。 入れ子構造は誰が何を読んで書いたかに留まらず、その内容にも見て取れる。橋本治は、小林秀雄は自身を本居宣長に投影していて、また自分自身を小林秀雄に投影しているかもしれない、と言っている。 その上で、こんな風に言う。 本居宣長にとって、学問というのは、まったく「彼自身のためだけにあるもの」である。 見も蓋もない。だとすれば、芋づる式に小林秀雄も橋本治もその作品は自分自身のためだけにあるということになってしまう。 でも、それがいいと思う。先日亡くなったSteve Jobsは、Apple IIの開発中「オレが見る」という理由で消費者は目にしないだろう部分の美しさにこだわったし、Microsoftはドッグフーディングと称して自分たちの製品を真っ先に自分たちで使っている。それから、デザイナーの川崎和夫も同じようなことを言っていたと記憶している。 だから、読者も自分のためだけに本書を読めば良いのだな、と思う。橋本治にとって小林秀雄が古典で『本居宣長』をそのように読んだように、(まだ存命だけれど)橋本治は自分にとって古典のような感覚で、本書を好きに読んだ。古典のような感覚って好きに読むためにあった方がいいと思う。作者から正解が提示されないと、安心して誤読できる。正解がないから、誤読という言い方もおかしな話だけれど。 ただ、上に挙げてきた人たちと自分には最大の違いがある。それは「自身のためだけにあるもの」が価値を認められ売れるかどうか。たとえば、このエントリィは自分のために書いているけれど、もちろん橋本治の評論のようにはマネタイズできない。 この違いを超えるための鍵は 川崎和男の公式ブログの「わがまま」タグ がついたエントリィから掬い取れそう。けれど、師である賀茂真淵に拒絶されても好きに歌を読み続けたという本居宣長のエピソードを知ると、そんなこと気にしないで好きでやっているのもいいな、と思う。 と言うよりも、ずっと思っていたし、今も思っている。そして実際そう

ガラポン

『BASTARD!! -暗黒の破壊神- NINJAMASTER ガラ外伝』を読んだ。 原作の漫画『BASTARD!!』はロクに読んだことがないけれど、古橋秀之著ということで作者買い。『斬魔大聖デモンベイン』シリーズも同じ理由で買っていたことを思い出す。 それはさておき、本書は下記の3話からなる短篇集。あとがきによると、単行本9巻の『待て外伝I』というネタ予告で済まされていた空白の期間を描いているとのこと。ちなみに9巻が発売されたのは、1990年と22年も前。よく覚えているものだなぁ、と。 第1話 蛇の井戸 第2話 音速の刺客 第3話 虚空の死者 最初の2話は予備知識なしでも楽しめた。迫力がある挿絵と相まって、短篇なのに戦いが壮大。ガラ、ロナ、トポのキャラもいい感じで、彼らの旅をもっと読みたくなる。 最後の『虚空の死者』は、連載初期からの原作ファンに向けたサービス? きちんとあらかじめネタと思わせる展開になっていたことと、残りページ数が少なかったことから、ある程度の心構えはできていたけれど、置いてけぼりの感は否めなかった。 振り返ってみると、第1話は導入編、第2話が本編、第3話がオマケ、という印象。

旅と自由と音楽と

ムーミンズ・ティータイム を買った。出たのはスナフキン。お気に入りのキャラなので嬉しい。 自由気ままに旅をしているように見えて、旅って不自由の連続だよなぁ。

素敵な水滴

bead by SO_C is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License . モノクロ写真が面白くなってきた。

無彩シグナル

monochrome signal by SO_C is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License . モノクロにしてみると、何色が光っているか案外思い出せない。

ピアノとギター

Ben Foldsの"Rockin' the Suburbs"を聴いている。Amazonで輸入盤が600円以下とやたら安かったので、衝動買いしてしまった。 Ben Folds Fiveのアルバムは "Ben Folds Five" と "Whatever & Ever Amen" を聴いたことがあるけれど、ソロ作品は初めて。 Ben Folds Fiveはピアノ・ベース・ドラムの編成だったけれど、こちらではタイトル曲Rockin' the Suburbsではギターも入っていたりと自由な編成。しかも、ほとんどのパートを独りで演奏して録音したらしい。何て多才。 それでも、Annie WaitsやThe Ascent of Stanなど、ピアノが目立つ曲に最初に注意が向くのは、比べてしまっているからだろうなぁ、と思う。とは言え、アルバム全体を通して楽しく聴ける。良いアルバム。

音楽と苦楽

『音楽の科学』を読んだ。 『響きの科学』 とよく似たタイトル。重なる部分もあるけれど、それは基礎知識に相当する部分で、主題は異なる。『響きの科学』が楽器の特性など工学的にアプローチしていたのと対象的に、こちらはメロディの認識など認知心理学的にアプローチしている。 600ページ超と厚い中に、知らない固有名詞がガンガン出てきたり冗長に感じられる記述が多かったり、となかなか読みにくかったけれど、主張には大いに同意。主張の内容は、本書が紹介しているベートーヴェンの次のエピソードに端的に表れている。 ベートーヴェン自身は、『交響曲第三番』の意味を人から尋ねられたとき、何も言わずにピアノの前に座り、まさにその『交響曲第三番』を演奏し始めたと言われている。 音楽に限らず、非言語表現は言語に還元できないから非言語表現を取っているわけであって、それを言語化しようとするには限界があると実感している。このブログの 落描 ラベルのエントリィは、描いた絵について書いた文だけれど、絵にしている(したいと思っている)部分は文には書いていないし書けない。 そういう言葉にできないものがあるから、非言語表現が豊かになっているんだろうなぁ、と。

ノイジィな意地

Skrillexの "Scary Monsters and Nice Spirits" を聴いている。HMVで試聴してその場で即購入してしまった。 ガーガーとノイジィだったりピコピコとビットサウンドがあったり綺麗なメロディーがあったりラップがあったりと振れ幅が大きくて、聴いていて面白い。ノイジィなサウンドと綺麗なメロディーはNine Inch Nails (NIN) に通じるものがないでもない。 ただ、NIN以上にアクが強い。何というかトリッキーな印象。疲れている時に聴くとさらに疲れそう。逆に、テンションが高いときに聴くとさらに集中できそう。 帰って調べたら新しいEP "Bangarang EP" が既に出ていたのでそちらも注文してしまった。届くのが待ち遠しい。 ※2012/03/17 追記 昨日"Bangrang EP"が届いた。こちらの方がやや音がきれい。"Scary Monsters and Nice Spirits"より少し聴きやすい。

バリツ家ホームズ

『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム (原題 "Sherlock Holmes: A Game of Shadow")』を観てきた。笑いあり爆発あり殴り合いありで、爽快だった。 前作 は助走だったんだと思うくらい。 マイクロフトは出てくるわ、モリアーティは出てくるわ、の大盤振る舞い。マイクロフトは安楽椅子探偵だからこそのあの体型かな? モリアーティもカリスマある知能犯らしくてよかった。歌上手い。 ところで、モリアーティが出てくるということは、当然あの滝も出てくるわけで、それだけで盛り上がる。ホームズ作品は一通り読んでいるので、滝での結末は予想できていたけれど、そこに至るまでに十分に緊張感が高まる展開だったので、あの結末がこの上ないカタルシスだった。 それに、そこからエンディングまでも良かった。最後の最後であれが伏線になっていたとは。 ともあれ、前作以上原作以上にワトソンと仲良しで、よきかなよきかな。

Guitar, Guitar & Cuba

Area 52 / Rodorigo y Gabriela and C.U.B.A. を聴いている。本作はギターデュオRodorigo y Gabrielaが、キューバ・ミュージシャンと制作したセルフカバーアルバム。 新曲がないのが残念だけれど、ギター以外の音が鳴っているだけで新鮮。ギターだけでここまでできるのか!! という衝撃はないけれど、これはこれで素敵。音色が豊富だからか、とても鮮やか。 下の動画は収録曲11:11。格好良いなぁ。

ヘッドホン再々買い換え

HA-FX3Xを買った。これまで使っていたヘッドホン(EP-630-BK)が、断線したため。使い始めて約14ヶ月。そう言えば、1年を越えたのは、ここ5年で初めて。 三度、EP-630-BKにしようかな、とも思ったけれど、たまには冒険してみよう、と思ってこれを選んだ。冒険しているのは、デザイン部分。ゴツイしケーブルは赤いしで癖がある。 音はくっきりしていて良い感じ。 ちなみに、これまで使ってきたヘッドホンは次の通り。 2007/06/21 PHILIPS SHE7750 Turbo Bass(享年5ヶ月) 2007/11/07 SONY インナーヘッドホン MDR-E931SP B (享年3ヶ月) 2008/02/09 Panasonic ステレオインサイドホン RP-HJE300 (享年12ヶ月) 2009/02/19 Creative ヘッドホン EP-630 ブラックモデル EP-630-BK (享年12ヶ月) 2010/3/20 Panasonic ステレオインサイドホン RP-HJE150 (享年9ヶ月) 2009/02/19 Creative ヘッドホン EP-630 ブラックモデル EP-630-BK (享年14ヶ月)

第3外国語

『プログラミング HAL/S』を読んだ。本書は 『MAKE: Japan : スペースシャトル専用言語HAL/Sに関する電子書籍』 で紹介されていた40ページ程度の電子書籍。 紹介記事のタイトルは、正確性に欠ける嫌いがある。確かに使われたのはスペースシャトルだけだけれど、当初は合計11機種のコンピュータに移植される予定だったらしい。だから、「専用」というわけではない。 1970年代にパンチカードでコーディングされた組み込み用途のプログラミング言語だから、自分が知っているRやJavaと比較する意味は、ほとんどないはず。そう頭では分かっていても、つい比べてしまう。 読んでいてもやもやする。中でもマルチライン記法は、間違っても使いたくないと思う。どんな風に書かれるか気になる人は、「3:演算」の最後の方にあるサンプルを見てみて欲しい。ちなみに、よく似た理由でPythonはどうも苦手だ。 読みにくいコードというのも、リバースエンジニアリングされにくくなるなどの理由から、それはそれで需要があるけれど、仕様からして分かりやすく書けないというのは辛い。 ところで、実用に耐えなくてもよいなら、 タブと半角スペースとラインフィードだけからなるプログラミング言語 なんてのもある。 もっと言えば、 最も難解になるよう設計された言語 まであって、言語の世界も奥が深いな、と思う。 つい、 Hello worldプログラムの一覧 - Wikipedia を眺めてしまった。

Tes.、テストします

『現場で使えるソフトウェアテスト Java編』を読んだ。というのは言い過ぎで、ざっと眺めて演習問題に沿って手を動かしてみた。 おおきく躓くことなくテストが実行できて、拍子抜けしたくらい。サンプルを実行させた後、さぁ本番だ、と思ったときに迷いがちな諸々(フォルダの切り方とか)にも触れられているところも嬉しい。これで何とかなりそう。 ところで、EclipseからJUnitを実行していると、IDEの便利さが身に染みる。サクラエディタでRUnitテストを書いて、RGuiから実行させているのと、比べてしまうからだと思う。StatETとかREvolution RとかRStudioとか、便利なのかな?

闇に紛れて

Courrier Japon 4月号を読んだ。 今月の特集は『知られざる「闇ビジネス」の世界』。「闇ビジネス」として、次の5つが紹介されていた。 密輸 スケアウェア販売 密猟 臓器売買 違法薬物売買 いずれも非合法には違いないけれど、一括りにはできないと思う。 まず、スケアウェア企業。これだけは、ビジネスとさえ言えないと思う。相手の不安を煽るだけ煽った上で、安心を与えて金を巻き上げている。不安に付け込む手口は、オレオレ詐欺と変わらない。無くなっても、誰も困らない。 他は少なからず需要があるように思う。つまり、無くなると困る人が出てくる。ただ、需要が合法的には満たされないだけだ。安価で安全な代替品が出てくれば、自然と需要が置き換わっていくんじゃないか、と思う。 それから、貧困で他に稼ぐあてがない人が供給者として関わってくることも、問題を複雑にしている。単純に無くしてしまうと別の問題を引き起こしそう。