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足りない、語りない - 新銀河ヒッチハイクガイド

『新銀河ヒッチハイク・ガイド 上・下』を読んだ。〈銀河ヒッチハイク・ガイド〉の最終作。ただし、作者はこれまでとは異なる。 ノリはシリーズ前半に近い。でも前作 『ほとんど無害』 にあった家族関係の描写もちょいちょい。 詰まらなくはなかったし実際スルスル読めたけれど、読後感が何かしっくりこない。不条理さや皮肉さが足りないのかもしれない。 足りないと言えば、マーヴィンがいないのが物足りない。彼の語りがない。 あの情熱的なまでの悲観さが恋しいなぁ。

わずかながら有害? - ほとんど無害

『ほとんど無害』を読んだ。これにてダグラス・アダムスに書いた〈銀河ヒッチハイク・ガイド〉シリーズは終わり [1] 。 面白かった。面白かったんだけれど、読んでいてどこか違和感が拭いきれなかったし、読後感も期待していたものとは全然違った。 違和感があったのは、空気が終始張り詰めていたからだと思う。デントとランダムとの関係しかり。フォードと『ガイド』との関係しかり。これまで、ほとんど何もかもをシニカルに笑い飛ばしてきていたのに、この巻ではその冷笑の裏に悲哀さえ感じられる。 結末も余りと言えば余りだった。悲哀を通り越して絶望に届きそう。叶うなら、「訳者あとがき」に概要が書いてあった、ラジオ放送の際に追加されたBBCオリジナルのエピローグ込みで読みたかった。時間逆行工作 (テンポラル・リバース・エンジニアリング) でどうにかならないかしらん。 でも、この乱暴で投げやりで唐突な結末も、らしいと言えばらしいようにも思っていたりもする。不思議な魅力と言えば魅力なのかな。 [1] 別の作者が公式の続編『新 銀河ヒッチハイク・ガイド』を書いている。

Fish and Kicks - さようなら、いままで魚をありがとう

『さようなら、いままで魚をありがとう』を読んだ。〈銀河ヒッチハイク・ガイド〉シリーズ4作目。 もともと前作までの三作で完結のつもりだったけれど、エージェントや出版社のプレッシャーに押されて書き始めたらしい。『シャーロック・ホームズの帰還』を思い出す。 後付けされたからか、これまでよりSF色が薄くて、これまでなかったアーサーとフェンチャーチとの恋愛要素が投入されている。 その分、フォードやマーヴィンの出番が少なくなっているのが残念。もっとアーサーとフォードの噛み合っていない遣り取りやマーヴィンの嫌みと区別がつかない高度な愚痴を読みたかった。 でも、随所随所に挟まれるエピソードのシニカルな笑いは健在。今回も笑わせて貰った。お気に入りは次の一節。『銀河ヒッチハイク・ガイド』の〈シリウス・サイバネティクス〉社の製品についての記述。 「それが本質的に役に立たないという事実になかなか気がつかないのは、ともかく動かすことができたというだけで達成感が得られてしまうからだ。  言い換えれば(同社が銀河系全域にわたって成功を収めてきたのは、ひとえにこの磐石の方針のおかげなのだが)、数限りない表面的な欠陥のために、根本的な欠陥が覆い隠されているのである」 開発環境を整えているときとか、こんな感じ。コンパイラやらIDEやらそのプラグインやら色々とインストールして、Hello Worldが実行できたあたりで満足してしまう。 何か作ろうとしていたはずなのにね。

クリケットで決闘 - 宇宙クリケット大戦争

「『宇宙クリケット大戦争』を読んだよ」 「 『銀河ヒッチハイク・ガイド』 、 『宇宙の果てのレストラン』 に続く3作目ですね」 「今回も面白かった。アーサーが素敵過ぎる」 湿った空気のなか、アーサーはぜいぜいあえぎながら横たわって、どこかけがをしていないかと身体をまさぐってみた。どこを触っても痛い。だがやがて、これは手が痛いからだと気がついた。どうやら手首をくじいたらしい。 「最初に気がつくところじゃないんですか!?」 「最初に手を動かした時に痛いだろうにね。でも、アーサーなら気づかないかもしれないと思っちゃう。ずっとこんな調子なもんで」 「つくづく涙を誘いますね」 「うーん、かわいそうではないよ。変わっているとは思うけれど」 (ときどき自分みたいに思うことがあるし)

レストランのラストラン - 宇宙の果てのレストラン

「 『銀河ヒッチハイク・ガイド』 の続編『宇宙の果てのレストラン』を読んだよ」 「ツイートを見ると今回も楽しんでいたみたいですね」 「うん、面白かった。特にマーヴィン。同情すべき境遇ではあるけれど、面倒臭いよ!!」 「狙ってやっている感さえあります」 「悲観的で自虐的なことに開き直っているよね」 「さて、次は『宇宙クリケット大戦争』ですね!!」 「ここまで読んでくると傾向を掴めてきて、もう悲惨な競技しか想像できないよ」

ハイカーの配下 - 銀河ヒッチハイク・ガイド

「『銀河ヒッチハイク・ガイド』を読んだよ」 「 このGoogle検索結果 の元ネタですね」 「そうやってネタにされるのも納得の面白さだった」 「『ウは宇宙ヤバいのウ!』も影響受けていますよね、コレ」 「うん。ヌル香の解説が、これのガイド引用部分に対応してるよね。あと宇宙規模のお役所仕事は〈這いよれ! ニャル子さん〉シリーズに影響与えているのかな」 「かもしれませんね。作者さん博識ですし」 「さて、次は『宇宙の果てのレストラン』だ」 「そうですよ。『新銀河ヒッチハイク・ガイド』じゃありませんからね」 「だねー。『銀河ヒッチハイク・ガイド』でググると『新~』がひっかかってくるから間違えかけたよ」 「 教えて貰えて 良かったですね」 「ところで、これ予言書かよ、みたいな記述がちょくちょくあって、何回もビックリした。特にコレ」 iPadでRadiko聴きながら『銀河ヒッチハイクガイド』を読んでいたら「昔のラジオはボタンやダイヤルを回して操作するものだったが、技術が進むにつれてボタンやダイヤルはタッチパネルに変わり、指先でパネルをなでるだけでよくなった」って、え、これいつ書かれたんだっけ? — 鏡双司 (@SO_C) 2014, 9月 12 「SFの醍醐味ですね」