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9月, 2017の投稿を表示しています

物流網の理由思う - 江戸から平成まで ロジスティクスの歴史物語

『江戸から平成まで ロジスティクスの歴史物語』を読んだ。先日読んだ『コンテナ物語』がおもしろかったので、流通関係の本をもう一冊。 好対照な内容だった。『コンテナ物語』がアメリカにおける流通網を流れる箱の物語だったのに対して、『ロジスティクスの歴史物語』は日本における流通網の網の変遷の物語だった。 自分はハードウェアよりソフトウェア、モノよりコトが好き――要はネットにドップリなので忘れがちだけれど、モノを動かすには時間がかかる。AさんのスマホからBさんのスマホにメッセージを送るのは一瞬でも、AさんからBさんにモノを送ろうとしたら日単位の時間がかかる。 当たり前と言えばあまりに当たり前なんだけれど、日常的に必要なモノはスーパーやコンビニなどでいつでも手に入るので、なかなか意識に登らない。欲しいモノがすぐ目の前にあるのが、当たり前という感覚に陥ってしまう。あまつさえ、目の前にどころかどこにあるか分からないモノさえ、注文したら翌日に到着しさえする。 アーサー・C・クラークの 十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。 という言葉を思い出す。 これを支えているのが、物流網だということを改めて実感させられる。 このギャップを埋め得るのは、モノの材料を現地調達して、作るモノの設計情報=コトを情報通信で、現地で作るアプローチ。空気と電気から食糧ができるというニュースを見かけたところなので、そういう日が来るのが近づいてくるのかなぁ、と考えてしまう。 一方で、古くからある方法のが、いろんな意味でロバストだよなぁ、とも。

crisis road / HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス

「『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』を観たよ。 前作 同様、良い意味でひどかった」 「今回もスパイダーマンのパロディがありましたね」 「『スパイダーマン2』の電車のシーンやったね」 「ヴィランもDr. オクトパスでした」 「落ち着いて話の流れを振り返ってみると、わりとスーパーヒーローものしてるよね。前作でヒロインに正体がばれて、今作で止めるように言われているところとか」 「変態要素のインパクトが強過ぎて、印象が薄くなりがちですけれど、話自体は王道ですね」 「ヒロインと言えば、同じ配役での続編を望めないのが残念……」

矢鱈安達太良 - CITY (3)

『CITY 3』を読んだ。 ここに来て、急激にスピードが増してきた。とくに「第27話 グッドモーニング安達太良」。安達太良家の慌ただしい朝が描かれていて、そのビート感が癖になる。 これまで安達太良家から出てきていたのは、「第9話 安達太良博士」の安達太良博士と、「第21話 ボクらは仲間だ!さわやか3組!!」の紙飛行機の安達太良の2人だけだったけれど、総勢8人の大家族だった。第27話での登場順に、 長女:かもめ 母 次男:良太(紙飛行機の安達太良) 長男:達太 次女:うみ 三女:そら おじいちゃん(安達太良博士) お父さん もしかしたら、これまでにもどこかで登場していて、第27話では再登場かもしれないけれど。 1巻と2巻 を読み返そうかな。 再登場と言えば、「いい人過ぎの男」。最初に登場したときは「モブ」の一人だったのに(文字通りのモブじゃなくて、第4話に出てきたわざわざ「モブ」と紹介されていたモブの一人)。第8話でも出てきたと思ったら、第30話と第37話にもガッツリ出てきて、もういいキャラ過ぎる。

Trick Track II - Trickfinger/Trickfinger II

Trickfinger (John Fruscianteの別名義) の"Trickfinger II"を聴いている。 Amazon.co.jp 商品の説明 によると 前作『Trickfinger』と同時期に制作されていた とのこと。それなら制作されたのは2007年だ。2015年のインタビュー [1] で 「このアルバムは8年前に作ったんだ」 と答えている。 前作 を聴いているときにそれを知ったときは驚いたっけな。 同じインタビューで、 アルバムには8、9曲収録されてるけど、じつは22曲くらい作ったんだ。 とも言っているので、そこから選ばれてリリースされたのだろう。 今回もリズムがとても気持ちいい。 星野源のLive Tour 2017『Continues』 以来、ここ最近これまで以上にリズムに耳を傾けるようになっているので、自分にとってはとてもタイムリィ。 そして今回もギターは入っていない。でも、最後6曲目"Stan"のフレーズが、なんだかギターソロっぽいような。このあと、John Frusciante名義でリリースしている作品のようにギターを入れるようになったのかな、と想像するのも楽しい。 John Frusciante presents Trickfinger II by Acid Test | Free Listening on SoundCloud でフルでストリーミング再生できるので、興味が湧いたらぜひ。 [1] interview with trickfinger (John Frusciante) - マシンより完全に | ele-king

よく見ると鉄じゃない - ジョジョリオン16

『ジョジョリオン16』を読んだ。 本巻でブルーハワイを操るドロミテとの戦いに決着がつく。前巻を読んで抱いていた、この後どんな形でしてくのだろうか? という期待に見事に応えてくれた。これは恐い。 彼をけしかけた常敏とその裏で糸を引いていた花都の過去も描かれている。このシリーズのラスボスはもしかして花都なんだろうか。当てずっぽうだけれど。 そして尋ね人の植物鑑定人・豆銑と合流。変わったところに住んでいる。高所恐怖症の人には耐えられないだろう。性格も変わっているというか、食えないけれど憎めないいいキャラをしている。このあと仲間になったりしないかな。 ちなみに豆銑の読みは「まめずく」。最初、「銑」を「鉄」と見間違えて、鳩に攻撃しそうだと思ったのは内緒だ。

稲妻とまあまあ - ゴールデンカムイ 11

『ゴールデンカムイ 11』を読んだ。 まず目に飛び込んでくるのが、表紙を飾るアシㇼパさん。凜としつつも可憐でもあり息を呑む。それなのに本編では顔芸を見せてくれたり「オソマ」を連呼したりする。吹き出す。 本編に目を向けると、尾形の掘り下げが印象的だった。食事中にアシㇼパさんが何の気なしに言った言葉がキッカケに、彼の過去が描かれる。唐突と言えば唐突。でも、味覚というプリミティヴな感覚は、ときに思いがけない古い記憶を蘇らせる引き金になると思うので、そういうものだったと得心もできる。尾形が好きなキャラだから許せているというのもあるかもしれないけれど。 ただ、それも痛し痒しで本筋がほとんど進まない。尾形の話を除くと、囚人列伝に紙幅の大半が割かれている。登場するのは、稲妻強盗と蝮のお銀の夫妻と、姉畑支遁。ざっとググって分かった範囲だけれど、稲妻強盗・坂本慶一郎のモチーフは坂本慶次郎、姉畑支遁は『シートン動物記』のアーネスト・トンプソン・シートンだろう。蝮のお銀は分からなかった。 稲妻強盗と蝮のお銀の夫妻は、ボニー&クライドを引き合いに出していて、ピカレスク・ロマンとしてよかった。モチーフであろう坂本慶次郎も犯罪者だったので、違和感もない。 一方で、姉畑支遁が……。幼少のみぎりに『シートン動物記』を読んでいるので、強烈な違和感が。モチーフのシートンとのギャップが大きいのは、本作の囚人としてのキャラ付けとして我慢する。でもそのキャラ付けが。直接的過ぎやしないか……。かえって冷静になってしまう。

鉄の - アイアン・ジャイアント

『アイアン・ジャイアント』 (原題 "The Iron Giant")を観た。 どこからともなくやってきた謎の巨大ロボットと、好奇心旺盛な少年ホーガースの物語。とてもまっすぐな物語だった。王道の展開に対する期待に、しっかりと応えてくれる。 とにかくロボットがよい。フューチャーレトロな巨大ロボットなのに、かわいらしいというかいじらしいというか愛らしいというか。どっぷりと感情移入させてくれる。 そして、そこから終盤からラストまで一気に駆け抜ける。言うこと無しに素敵なラストで締め括ってくれる。 「不朽の名作」と称されるのも納得。

嘘か真か、嘘と真か - ビッグ・アイズ

映画『ビッグ・アイズ』 ("Big Eyes") を観た。監督がティム・バートンさんだったので。「ある作品の嘘を知ったとき、どう受け止め直したものか」なんて疑問が湧いてくる。 以降の流れはこのとおり。冒頭の疑問については6に書いた。あとはいろいろと興味が湧いて調べたらおもしろかったことを。 あらすじ 同監督の他作品 大きな目 音楽は続くよ 主演について覚書 嘘か真か、嘘と真か 1. あらすじ この映画は、1960年代にアメリカのアート界で起こった事件に基づいている。事件の中心が〈ビッグ・アイズ〉と呼ばれた絵画作品群。自分は本作を通して初めて知ったのだけれど、当時アメリカでブームになったらしい。あのアンディ・ウォーホルが賛辞を寄せていて、本作冒頭でその言葉が紹介されている。問題になったのは、その作者。ウォルター・キーンだと思われていたのが、実際に描いていたのは妻マーガレット・キーンだったという話。 2. 同監督の他作品 ティム・バートン監督の嘘がテーマの映画ということで、 『ビッグ・フィッシュ』 を思い出す。タイトルも似ているし。でも、嘘の目的が真逆を向いている。それよりも、感想やレビューを読んでいたら 『エド・ウッド』 を挙げている人が多かった。実話に基づいているところが共通しているとのこと。未見なので観たい映画リストに入れておこう。 3. 大きな目 ところで、この〈ビッグ・アイズ〉、名前どおり大きな目が特徴。ティム・バートンが描くイラストもそうなので、影響されているんだろうな。日本のアニメやマンガに慣れているので違和感ないけれど、当時のアメリカでコレは目を引きそう。そう言えば、ディズニー映画の女の子もだんだん目が大きくなっている気が [1] [2] [3] 。例としてディズニープリンセスを映画公開順に並べてみる。〈ビッグ・アイズ〉が知られたのが1960年代なのを踏まえて、オーロラ姫とアリエルを比べると顕著な差が見てとれる。ただし、間が30年も空いているから、ディズニープリンセス以外の映画からも補間した方が面白いかもしれない。 『白雪姫』の白雪姫(1937) 『シンデレラ』のシンデレラ(1950) 『眠れる森の美女』のオーロラ姫(1959) 『リトル・マーメイド』のアリエル(1989) 『美女と野獣』のベル(19

よすがと素顔 - ペット

『ペット』(原題 "The Secret Life of Pets") を観た。 原題が示しているとおり、ペット達の飼い主には秘密の生活が描かれている。予告編では、飼い主に見せている顔との大きなギャップに笑わせて貰った。 そして、その予告編が一番おもしろかったシーンだったのが残念。動物園なんかは好きだけれど、ペットと一緒の生活とは無縁だからかな。 せっかくかわいいウサギが悪役として出てきたのだから、ボーパルバニーばりに活躍して欲しかった。それは冗談にしても、ウサギの最後はあれ でよかったのかなぁ。他のメンバに合わせる顔がないような。

迷子でgo my way - ゆゆ式 (9)

「『ゆゆ式 (9)』を読んだよ」 「どうでした?」 「p.15から始まる、ちゃんと迷子になる話がよかった。ゆずこの迷子になりたいって気持ち何となくわかる」 「双司君、よく迷子になりますよね」 「そうなんよね。迷子になるまいと気をつけていないと、なんとなくこっちからも行けるかな? って知らない道に入っていって、迷っちゃうんよ。近所でも」 「大丈夫ですか……」 「だいじょーぶ、だいじょーぶ。いざとなったらスマホもモバイルバッテリーも持っているから」 「スマホがある時代に生まれてよかったですね」 「ね。なかったら、野垂れ死にしかねない。でも、迷子になるのもいいもんだよ。いろいろな発見があって」 「予定より遅くなっちゃって日が沈みかけるとこんな写真も撮れたりするし」 「迷子もほどほどにしてくださいね」 「そうね、知らないところで暗くなってくるとちょっと恐いしね」 「ねー泣いちゃうからねーー」 「スッと家帰るわ。スマホ使って」

Objection!! - 逆転裁判123HDの1

『逆転裁判』シリーズを遊び始めた。始めたのはiOS Appの『逆転裁判1・2・3HD~成歩堂龍一編~』で、いま1をクリアしたところ。 長く続いているシリーズだけあって、独特の雰囲気がおもしろい。キャラもみんな立っている。言い回しもおもしろいし、リアクションもいちいち大袈裟だし。あと、SEが無駄にハデ。最初、何事かと驚いただけれど、もうすっかり慣れてしまった。むしろ癖にさえなってくる。 ストーリィも先が気になってつい時間を忘れてプレイしてしまう。ミステリィ形式ではあるけれど、そんなにガチガチじゃない(だったら自分なんか進行できない)。かなりユルめ。結構ノリと勢いで突っ走っている節がある (『33分探偵』を思い出す)。なので、あまり眉根を寄せず楽しんだもの勝ちだと思う。 ちょっと気になっているのは、「調べる」をはじめとした場所を指定するときの判定。詰まっちゃって攻略を見たら、最初に指定した場所とわずかにズレていただけだった。もうちょっと甘くしてくれてもいいんじゃないかな。まさかここでも アタリハンテイ力学 が働いているのか!?

ティニュ - 星野源Live Tour 2017 『Continues』

「さる9月9日、さいたまスーパーアリーナで開催された星野源のLive Tour 2017『Continues』に行ってきたよ」 「え、どうして!? よりによって双司君なんかが!!」 「そんな親の敵を見るような目で見られても」 「見ますよ。どうしてろくに知らないのに、急にライブ行くんですか!!」 「いや、なんか連れられてな」 「そのせいで、貴重な1席が……」 「それを言われると心苦しい……。つい先月まで『ようこそジャパリパークへ』をラジオでベタ褒めしたアイマスPってことくらいしか知らなくて、『恋』じゃなくて『恋ダンス』が曲名だと思ってたくらいなんで……」 「知識がピンポイント過ぎやしませんかね」 「あ!! あと、今月発売されたRhymesterの『ダンサブル』の全曲解説で名前が出てきてた!!」 「『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』2015年12月13日放送回に星野源さんが出たときの話をしていましたね」 (宇多丸)ちょっとまずね、『YELLOW DANCER』っていうタイトルが悔しいっていうか。やられたー!っていうかですね。 ( 星野源と宇多丸『YELLOW DANCER』のスケべな魅力を語る ) 「このつながり重要だと思っててん」 「ててん」 「とててん」 「とててんっ」 「なんつって」 「つっちゃった?」 「つっちゃった」 (出典: 『ゆゆ式 2巻』 ) 「あ、先月末に 『ゆゆ式 (9)』 出てら!!」 「急にCMし始めましたよ……」 「で、『ダンサブル』と『YELLOW DANCER』のつながりの話に戻ると、リズムだと思うんだよね」 「星野源さん、リズムが大好きでヒップホップをよくラジオでかけたりするそうですね」 まず、僕がいちばん最初に始めた楽器がドラムなんですよ。だから基本的にリズム、ビートが大好きなんです。 (中略) ヒップホップはいろんな要素があるけど、ラップも含め、リズムの芸術だと思っていて。 (中略) だから、ヒップホップを聴いているとリズムにアイデアを感じるんですよね。J-POPってリズムにアイデアがあるものが少ないと思うんですけど、でもヒップホップはまずそこありきの音楽じゃないですか。そういうところにただただワクワクさせられるし、楽しいんだと思います。 (出典: 星野源が語

決定性有限オートマトンは関係ない - Death From Above/Outrage! is Now

Death From Aboveの3rdアルバム"Outrage! is Now"を聴いている。 このアルバムからバンド名から1979が取れて、Death From Above 1979からDeath From Aboveになった。ベースとドラムの二人バンド (このメンバ構成のバンドだと今だとRoyal Bloodの方が有名かもしれない)。 いい感じに肩の力が抜けた感じがする。 2ndアルバム の時点で、 1stアルバム ほどベースでゴリゴリ押してくることがなくなってはいたけれど。うまく言えないけれど、2ndアルバムともまた違った印象。これまでで一番好き。

パンドラのリスト - 筺底のエルピス2~5

『筺底のエルピス』を2巻から5巻まで一気に読んでしまった。 いやーよかったよかった。2つの意味でよかった。 何より5巻の結末がよかった。登場人物に情け容赦がなさ過ぎる展開だったけれど、希望はあった。乾さん……。 そして5巻がすぐ読めてよかった。読者の心も殺しにかかってくるので、4巻まで読んだ状態でしばらく過ごしていたら、失血死していたかもしれない。命拾いした。 それにしても、5冊まったく勢いが衰えない。むしろ加速すらしていて、鬼気迫るものがある。読書中の体感時間が不自然なくらい短くなるので、停時フィールドが発生している可能性が。

進化ガチャ - エヴォリューションがーるず

『エヴォリューションがーるず』を読んだ。 『最後にして最初のアイドル』 と負けず劣らずぶっ飛んでいる。 今回は、転生したらソシャゲの世界だったという話。そこに宇宙の進化の歴史をぶち込んでくる。 時間スケールに月とすっぽんはおろか木星と球菌さえ遙かに越える差がある [1] けれど、説得力を感じるのは勢いのせいだけではないだろう。 進化もガチャと同じく確率に支配されている。進化として見えているのは、生存競争で環境からふるい落とされない特徴を引き当ててきた結果なのだから。 ガチャとは違って課金して何回も引いたりはできないけれど。 [1] 数字遊びをしたら、差が逆転してしまった。宇宙とソシャゲの歴史の比が1.5x10 9 (宇宙の年齢150億年、ソシャゲの歴史10年で概算)に対して、木星と球菌の直系の比比は1.4x10 14 (木星の直系14000km、球菌の直系1μmで概算)。

来る滾る - 血界戦線 Back 2 Back 3

『血界戦線 Back 2 Back 3』を読んだ。 3巻の表紙はチェインさんとザップ。チェインさんの魅力は言わずもがな。当然のように足蹴されるザップ。すっかり顔芸担当が板に付いてきた感がある。 Back 2 Backの表紙は毎回ペアなのかな。1巻はレオとザップ(ただし後ろ向き)。2巻はクラウスさんとスティーヴンさんだった。すでにザップだけ2回登場しているけれど、後ろ向きだったり足蹴だったりして、良くも悪くも特別扱いされているのが微笑ましい。 収録されているのは「深夜大戦 Dead of night warfare」の全3話。新旧のヴィラン――キュリアスとフェムトの対峙が痺れる。キュリアスはまた出てくるのかな。クラウスさんとの掛け合いがおもしろかったので 再登場して欲しいところ。 ところで、この巻で、世界を終わらせられる鍵となるアイテムが42個あることと、フェムトが世界を崩壊させる方法を81種類も開発していたことがわかったよ。合わせて123もの世界の危機が!! 「秘密結社・ライブラ」が保ち続ける世界の均衡のいかに危ういことか。 少し話は変わるけれど、アニメ2期『血界戦線 Beyond』も楽しみ。 PV を見ると、以前観たいと言っていたアレ もコレ もやってくれそうなので、今からワクワクしている。

踏み越し苦労 - ヴィジランテ2

『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS- 2』を読んだ。 〈僕のヒーローアカデミア〉のスピンオフなのだけれど、本編との距離感がいい感じ。世界観を踏襲したうえで、オリジナルキャラクタが主軸の物語が繰り広げられるのだけれど、本編とのつながりもちゃんとある。 あとがきによると、 開始前の時点で「本編のストーリーに影響する話や、本編より強い敵キャラなどは避けたほうがいいですよね」などと大まかな規程は設けたりしたのですが、始まってみると、特にNGが来ることもなく、思いついたことはどんどんやらせていただいている感じです(楽しいです)。 とうまく噛み合っている感じなので、うまい塩梅に本編ともどもおもしろくなっていくと嬉しい。 さて、内容に目を向けると、相変わらずナックルダスターのおっさんがいい味出している。EP.11で見せてくれるらしさが最高だった。ポップも、EP.8で好感度急上昇。彼女がヴィジランテとしての活動に付き合い続けていることへの説得力も増した。主人公ザ・クラウラーの活躍が相変わらず地味なのも味わい深い(Jump+での連載も見ると、次巻から始まる新章で調子づいたりするのかな?)。

正義の活躍 - 僕のヒーローアカデミア15

『僕のヒーローアカデミア15』を読んだ。 救いのない推測 がなされていて、PG12になりゃしないか心配。死柄木の造形も大概だし。 少年誌のヒーローものらしく、スカッとしたシーンも見せて欲しい。そういうシーンと言えば、切島が気を吐いていた。本巻に限って言えば、デクより主人公っぽかったような。 デクの活躍は次巻に期待か。仮免を取得しインターンという正式な立場で、令状も取得して正式な手続きを経て、ついに死穢八斎會へと突入するわけなのだから。きっとイレイザーヘッドのいう「正義の活躍」をしてくれるハズ。 勝手に飛び出し続けるなら、〈ヴィジランテ〉と変わりないよ?

MCMC - Rhymester/ダンサブル

Rhymesterの11thアルバム『ダンサブル』を聴いている。 掛け合いが楽しい。特に「Back & Forth」。 RHYMESTER『ダンサブル』アルバム全曲解説 にあるこの言葉が象徴的。 宇多丸 あと、自分のヴァースで目立ちたいって気もあんまりなくて。ライムスターとして出せたらいいや、ライムスターとして良ければいいや、みたいな気持ちがこれまでに比べてすごく強い。 畳み掛けるようなソロでの長いヴァースもいいけれど、せっかく2MCなんだし。ね? 『KICK!』の感想 で引用したKREBAの言葉にもあったように、複数人だからこそ出てくるものってあるよなあ、としみじみ。

オカエリ - Kick the Can Crew/KICK!

Kick the Can Crewの『KICK!』を聴いている。2017年8月30日に発売した、実に14年振りのオリジナルアルバム。 ジャケットにもリリックにも自己参照があるのが懐かしい。ジャケットは『magic number』だし、特に『千%』なんか聞き覚えのあるフレーズが耳に飛び込んでくる。タイトルからして『マルシェ』の「1000%の確率で未来は」からだろうし。 過去作を参照しているけれど、再生産になっていないのがおもしろい。ラップは当然のようにスムーズさを増しているし、ソロを経てKREVAがちょいちょい歌うようになっている。復活前からノリの良さの影にあった寂寥感や郷愁感が、表に出るようになった気がする。 ちなみに復活の経緯や各曲の解説は 完全復活への道のり&アルバム全曲解説インタビュー が公開されているので、そちらを参照。印象的なのは、KREVAの次の言葉。 やっぱりKICK THE CAN CREWは、「1/3になれる」っていうのが大きいんだと思います。 この肩の力の抜け方がいいのかな。3人の掛け合いが楽しい。

ニャンニャンニンニン - 裏世界ピクニック ファイル7 猫の忍者に襲われる

『裏世界ピクニック ファイル7 猫の忍者に襲われる』を読んだ。速いもので電子書籍オリジナル配信の短篇3作目。 サブタイトルにあるとおり、今回の怪奇現象は猫の忍者。元ネタのコピペはこう。 1週間前から変なことが起こってるちょっと聞いてくれ。 最初に言っておくが俺は妄想癖でも総合失調症でも病気でもなんでもない。 笑わないでくれよ。ガチだ。 最近猫の忍者に狙われてる。 怖がりどころも笑いどころも分からないのが、かえって不気味なようにも思う。単に拙いだけという気もするけれど。 そして、だんだんと影が濃くなってくる鳥子の探し人。顔を合わせるのはいつになるのかな。

Under Construction - ガンダムUC

実物大ユニコーンガンダムを見てきた。正式な展示開始は9月24日からなので、まだ最終調整中。整備しているみたいでこれはこれで。 ユニコーンモードからデストロイモードへの変更も再現されるらしいので、正式展示が始まったらまた観に行こう。 でも、もうフォトデッキができていたりして、すでに展示物として機能しているのだけれど。

ブリッジ - 機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男

『機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男』を読んだ。 語り手はブライト・ノア。何人ものニュータイプ――アムロ、シャア、カミーユ、ジュドーをブリッジから見てきた男。オールドタイプであるブライト・ノアが、彼らをどんな気持ちで見ていたかが語られる。 派手な話ではないけれど、宇宙世紀の物語に深みをもたらしてくれる渋いサイドストーリーだった。モビルスーツ戦もほとんど描かれなかったりと、派手ではないけれどそれも彼らしい。 タイトルには『機動戦士ガンダムUC』とあるけれど位置付けは前日譚。『機動戦士ガンダムUC』の登場人物はほとんど出てこない。 ニュータイプが周囲とやっていくための架け橋となっていた彼は、バナージのことをどんな思いで見ていたのだろうか。

工夫とらしさ - ディズニー・アート展

日本科学未来館に行って 『ディズニー・アート展』 を観てきた。 ミッキーマウスのデビュー作『蒸気船ウィリー』から、最新作の『モアナと伝説の海』まで、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ作品の歴史を一望できる。ディズニー配給でも、ピクサー制作作品(トイ・ストーリーとかモンスターズ・インクとか)は展示されていない。そう言えば去年のピクサー展行き損ねた。 自然な表現への飽くなき追求心が垣間見えて、とても刺激的だった。『バンビ』制作時はスタジオで鹿を飼ったり、『ムーラン』制作の際には実際に中国に足を運んだり、『ズートピア』では毛の質感を表現するためのソフトウェアを開発していたりしている。 もう一つ強く感じたのが〈ディズニーらしさ〉を保つコントロールの正確さ。セルアニメからCGになっても一目でそれと分かるし、全然ディズニーらしくないコンセプト・アートからの落とし込みにもブレがない。 決してリアルじゃないのに、しっかりと存在が感じられるのは、こうして積み重ねてきた工夫とらしさの賜物なんだろうなあ。

異方の解法 - 正解するマド

『正解するマド』を読んだ。本作はアニメ『正解するカド』のスピンアウト小説。〈カド〉じゃなくて〈マド〉。誤植ではないのであしからず。 正直にいうと、敬遠気味だった。『正解するカド』は脚本が野崎まどということで楽しませて貰ったけれど、本書を書くのは乙野四方字という今まで作品を読んだことのない方。さらに、作者が何を書いたらいいか悩むあまり、ヤハクィザシュニナがの幻覚が見え始めるという紹介のせいで、楽屋ネタらしく見えていたからだ。けれど―― え、どういうこと? あ、そういうことか!? そうか、そりゃそうだ!! ――と珍しい体験をさせてもらえた。『正解するカド』のスピンアウトとしても、野崎まど作品へのオマージュとしても成立している、良作というか労作というか名作というか迷作というか。 こうして読み終えたあとの衝撃がひき、落ち着いた頭で考えてみれば、敬遠していた自分がバカらしい。野崎まど脚本のアニメを、野崎マドを尊敬する小説家が、タイトルに〈マド〉なんて入れておいて、楽屋ネタに終始するハズがない。 とは言え、ハイコンテキストなことには違いない。『正解するカド』未鑑賞で本書を読もうという人はいないだろうけれど、野崎まど作品(できれば『[映]アムリタ』~『2』の6冊)未読だとちょっと苦しいように思う。直接的にも間接的にも参照している。 野崎まど作品を読んでいて、正解するカドを観たならぜひ。

円・縁・遠 - ザ・サークル

『ザ・サークル』を読んだ。ベストセラーの特徴があると書かれていたうえに、そうでなくても興味持ったであろう題材だったので。 題材はSNS。個人情報の共有が行くところまで行き着く話。あるいは定型発達症候群 [1] の重症患者が支配する社会になる話。 自分としては単純化し過ぎている印象。物語の勢いを殺さないためか、反対意見らしい反対意見が描かれていないのが引っかかる。SNS疲れ、忘れられる権利、プライバシーと材料には事欠かないだろうに。 もし本書のように実名登録が義務になったとしても、無作法は消えたりしないだろう。少なくとも韓国では消えなかった [2] 。ここ数年でヘイトクライムが大きく取り上げられる [3] ようになったと感じているので、なおさら疑問が湧いてしまう。 というのは後知恵バイアスか。本書が出版されたのは3年前の2014年だ。もうちょっと早く読んでいたら、違った感想を抱いたと思う。 ちょっと抽象化して『CODE 2.0』の「アーキテクチャ」や『ゲンロン0』の「観光客」の概念と結びつけて考えてみた方が考えが広がるか。たとえば、ネットワークのうえでもパースナルスペースが保てたり、それを侵害するネットストーキングを防げたりするような仕組みについて考えてみる。そんなものなくても今の仕組みのうえでも複数アカウントを使い分けたりしてうまくやっている人もいる(はず)。一方で使い分けが、裏掲示板とか裏アカウントでのネットいじめの温床になっている気もする。いや、ネットいじめは、「アーキテクチャ」より「法」や「規範」の領分か。 ところで本作は映画化されていて、ちょうど今年公開される。本書や映画で初めてこの手の問題を知って、定型発達症候群の症状に自覚的になることが増えるかもしれないと思うと、悪くない。あるいはそうなって欲しい。 [1] 定型発達症候群って何?|発達障害プロジェクト [2] 実名制がコメント荒らしを解決できない、驚くほど確かな証拠 | TechCrunch Japan [3] アメリカのシャーロッツビルで起こった事件が記憶に新しい。日本でも2016年からヘイトスピーチ対策法が施行されている。

しのぶもぢずりDVS - 忍物語

『忍物語』を読んだ。収録されているのは「しのぶマスタード」。前巻 『結物語』 から時系列が遡っていて、大学生時代の阿良々木暦が描かれている。 ここから「モンスター・シーズン」開幕と銘打たれている。前巻の「オフ・シーズン」は幕間だったということか。 物語のうえでは、 『業物語』 の「うつくし姫」、「あせろらボナペティ」の続きになっている。 『終物語〈中〉』 の「しのぶメイル」のようなことにならなくてよかった。 本筋とは関係ないけれど、だんだんと自己言及に慮ることなくなってきたように思う。忍が生死流の奥義として挙げた名前が、『刀語』の主人公・鑢が使う虚刀流のそれだった。太刀筋は違うだろうけれど。そもそも虚刀流は刀を使わない。

おもしろい映画 - ワンダーウーマン

「『ワンダーウーマン』(原題 "Wonder Woman") を観てきたよ、DCエクステンデッド・ユニバース (DCEU) 4作目!!」 「これまでに公開されたDCEU作品はこの3本ですね」 『マン・オブ・スティール』 『バットマン vs スーパーマン』 『スーサイド・スクワッド』 「これまでのDCEU作品の中で一番おもしろかった。それどころかDCEU作品かどうかを抜きにしてもよかった!!」 「おもしろかったですねー」 「予備知識なしで支障なく楽しめるよ、きっと」 「DCEU作品の一部だと意識させられるのは、最初と最後のわずかなシーンだけでしたね」 「だからこそ周辺のノイズが多いのが勿体ない。それで、劇場への足が遠のいているのではないかと思うともう――」 「このあとネタバレを含む愚痴めいた雑談が続いたのでカットしますね」 「 デッドプール か」 「今はDCEUの話をしているんですから、マーベル作品は少し置いておきましょうか」 「マーベル作品だけれど、デッドプールはじめX-MENはMCUじゃないから、ちょっと待って」 (このあとはDCEUと関係のない独り言だったのでカットしますね) 「観終わった今だと、現実での本作と作中のダイアナの立ち位置がダブって見える」 「騒いでいるのは周りだけ、と」 「監督もこんな風に言っているしなー」 私はワンダーウーマンが女性ヒーローだからやりたかったのではなくて、面白いキャラクターだからやりたかったんです 出典: 映画『ワンダーウーマン』パティ・ジェンキンス監督にインタビュー! 「ワーナー・ブラザーズが最初に持ってきたストーリーは私のやりたいものではなかった」 | ギズモード・ジャパン 「おもしろい映画だから。それで十分なのかもしれませんね」 「それはそうかもしれないけれど、それはそれとしてここまでの話は一体」 「安心してください。ちゃんとカットしておきましたから」 「オマケ。落描き」