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2月, 2012の投稿を表示しています

音の故郷

『響きの科学』を読んだ。音楽の授業で、こういうものだと覚えさせられた諸々に対するモヤモヤが大量に解消した。 例えば、音階の話。どう定められたかの話が、原理と実用との間の葛藤が想像できて、面白かった。 もう一つ面白かったのが、実証で通説を覆しているところ。以前、 ヘッドホン交換と音の評価の正確性について で参照した、『錯覚の科学』に通じるものがある。 調の話は、通説が信じられているがゆえに、結果が一致してしまっている。まさに予言の自己実現。「それぞれの調には独自の気分がある」というのは思い込みで、実際に気分を変えるのは転調。それでも、多くの曲が思い込みに支配されているから、明るい曲は長調で書かれるし、悲しい曲は単調で書かれる(長調で書かれたから明るくなるわけではない。単調についても同様)。 音楽でこういうこと教えてくれたら、自分はもっと興味持っただろうな、と思う。理屈はともかく歌ったり何か演奏したりする方に興味を持つ人の方が多くて、そういう人の方が音楽を生業をすることが多いだろうから、そんな確率は低そうだけれど。 ところで、日本には表記の種類が多い。本書を読んでいる間にこれらの関係がようやくすっきりした。ドレミファソラシド (イタリア式) とCDEFGABC (アメリカ式) とハニホヘトイロハ (日本式) が対応する。だから、C Majorとハ長調は単なる直訳だと分かる。 こうして説明されると理解はできるけれど、正直、混沌としていると思う。きっと、歴史的経緯があってのことなんだろうけれど、表記が揺れ過ぎだろう、と思う。「ド長調」でいいじゃん、と。

灰色の研究

track by SO_C is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License . 「曇り空って色が映えないから写真を撮るのに向いていないよねって話から始まって、じゃあモノクロで撮ればいいじゃん!! という結論に至って約2週間。今日がちょうど曇りだったから、何枚か撮ってみたけれど、なかなかモノクロって難しいね」 「違った視点が必要ですよね」 「うん。色で目を引かせることができないから、明暗と形に目を遣ることになる。そうだ、カラーで撮影してからグレースケールに落としているけれど、撮る時からグレースケールにしてみようかな。その方が見る時の視点に近くなる」

ド・ア・ラ・モード2

iPadにKinoppyをインストールして『コアラ坂』を読んだ。本書は電子書籍でしか出版されていない。 「なにかしら頑張ろう」っていいな、と思う。単に「頑張ろう」と言ったときの、気負った感じが抜けている。 全体的にこんなトーンなのが、自分にとってのドアラの魅力。真面目さと不真面目さが同居している(写真はだいたい不真面目に見えるけれど)。 ところで、iPadで電子書籍を読んでいると、マージンの広さが気になる。ディスプレイが前面全体を覆っているわけではないから、紙面のマージンはもっとずっと狭くて良いんじゃないだろうか。

屹立の規律

crane by SO_C is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License . 人の記憶は、実際の色より鮮やかになる傾向がある。 最初からイメージ通りに撮れればいいけれど、そうはいかないことの方が多くて、ときどきレタッチする。 この写真も少しだけ鮮やかにしている。見ている人の機器やその設定によっても変わってしまうから、自己満足の域を出ないだろうな、と思いながらも。 ワザとらしい思う人もいるかもしれない。 ワザとだから、その通りだと思う。

棘と豚

天野月の『薔薇と真珠』を聴いている。 いつのまにか、「月」名義の2ndアルバム。天野月子から天野月に名前を変えたときに、しばらく音楽活動はしないというメッセージがあったので、しばらくチェックしていなかった。 粒ぞろいだけれど、全7曲のミニアルバムだから、少し物足りない。フルアルバムも聴いてみたいな。

ドラムロール

黒い方のテディ・ドラムのBE@RBRICKを手に入れたとき、ブログでこんなことを書いた。 ところで、白い方のテディ・ドラムはBE@RBRICKになっていないみたい。残念。なっていたら、並べて飾れるのに。 Mirror House Annex: 輪廻の年利 実現したのは嬉しいけれど、ワンフェス会場で300個、ネット通販で500個の計800個の限定販売。もう少し買いやすい形で売ってくれると嬉しい。 具体的には、最初から、2つセットで2940円のシリーズとして売ってくれたらよかったのに、と思った。どうせ出すのなら。 ともあれ、発売されたこと自体はうれしい。対にして並べられて、気持ちが良い。イマージーン。

執事の出自

『Jenkins入門』を読んだ。 Jenkinsは継続的インテグレーション (CI) を実現するためのツールの一つ。本書は、Jenkinsの入門であって、CIの入門ではないから、CI自体への動機付けがやや手薄。『継続的インテグレーション入門』( 感想 ) を読んでいなかったら、「どうしてこんな手間をかけているの?」なんて思ったかもしれない。 一方で、Jenkinsの使い方については、網羅的にまとまっているように感じる。全体像を把握できていないから、あくまで想像でしかないけれど、インストイールから、メジャーどころであろうプラグインの導入までカバーされている。それから、Columnとして記載されている細かいTIPSも嬉しい。この手の情報は、ネット上には断片的に散らばっていて、探すのが大変なことが多い。 これでJenkinsで何ができるかおおよそのところは把握できたと思うのだけれど、ちょっと凝ったことをしようと思ったら、Jenkinsが呼び出すツールについてもう少し学ぶ必要がありそう。Subversionはもう使っているから大丈夫そうだけれど、ビルドはEclipse任せで自分にとってブラックボックスだったから、駄目そう。 ともあれ、多少は前進かな?

パラーパラー

「Coldplayの"Mylo Xyloto"を衝動買いしてしまった。ダウンロード販売、危険だな。聴きたい!! と思ったその時その場に買えてしまう」 「リッピングの手間もエンコードの手間もかからないから、ダウンロードが終わったらすぐ聴けますしね」 「しかも安い。輸入盤に毛が生えたくらいの値段で、日本盤ボーナストラックまで買えてしまった」 「ところで、アルバムはどうですか? その話がいまだに出てきてませんよ」 「ビックリするくらいすんなり聴けてビックリした」 「くらいじゃなくて結局ビックリしたんじゃないですか」 「それだけ作り込まれているんだろうな、と思う。大抵は濃淡があってどこかでひっかかるところろがあるものだけれど、それが見当たらない」 「それを詰まらないと思う人もいるかもしれませんね」 「そう思うときもある。でも、気分の問題だよ、聴くときのさ」 「あ、YoutubeでParadiseのPV見つけました」 「アルバム発売に先駆けて先行公開されていたヤツか」 「着ぐるみが可愛いですね」 「中の人などいない、そう思っていた時期が俺にもありました」

せいくらべ

buildings by SO_C is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License . 「何かと比べたがる人っているよね」 「いらっしゃいますね」 「近くにいるから高く見えているだけで、遠くにあるものの方が高いかもしれないのに」 「高いけれど崩れつつある一方で、低い方が伸び盛りかもしれませんしね」 「そもそも高いことがいいことなんだったっけ? 速い方がいいかもしれないよ?」 「それこそ比べようがないじゃありませんか」 「それなのに白黒ハッキリさせないと気が済みそうにない人もいる。ハッキリ言えるのは、ハッキリ言えることはないというくらいの状況でも」 「グレーゾーンですね」 「そうだね。そうではある。けれど、ハッキリしないことをグレーに喩えること自体、直線的な比較を含意しているよな」 「そう言えば、明るさのパラメータ1つで決まってしまいますね。じゃあ、玉虫色にしましょうか」 「構造色らしいね。角度によって光の干渉パターンが異なるから、違う色が見える」

ハッカーと!

『ハッカーと画家』を読んだ。本書はハッカーによるエッセイ集。 こんな事が書かれていて、自分が書いているものにどれだけの意味があるのか? と思う。 たぶん最も優秀な5%のプログラマが、世の中の良いソフトウェアの99%を書いているんじゃないだろうか。 一方で、書く速さも書いたソフトウェアの良さも、優秀な人はずば抜けているだろうから、そんなものか、とも思う。 終始こんな調子なので耳が痛いことが多い。でも、それは裏返せば自分がそうしたいと思っていること。特に、脚注にあった次の一言。  2つの選択肢がある場合、難しい方を選べ。 「難しいこと」、「嫌なこと」は、「すべきでないこと」じゃない。むしろ、「やった方がよいこと」である場合が多い。これらをしないのは、易きに流されているに等しい。 これらを避けるんじゃなくて、簡単にしたり、楽しくしたりすることを選ぶようにしたい。そうすれば、選択肢が楽しいものばかりになる。

めくるめくメールついついツイッター

COURRiER Japon 3月号を読んだ。 『社内コミュニケーションが進化「メールは今日から廃止します」』というWSJ USAからの記事を読んで、どこかで見たな、と思う。閲覧履歴を漁ってみたら、次の記事が見つかった。 ヨーロッパ最大のIT企業、社内メールを廃止? | スラッシュドット・ジャパン IT 脱電子メールの4年間:IBM社員のワークスタイル « WIRED.jp 世界最強の「テクノ」ジャーナリズム それから、 『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』 のECスタジオは、商品でもある自社ツールChatWorkを使っていると聞く。 自分も、連絡先としてメールアドレスもtwitterアカウントも知っている相手には、メールよりもtwitterを通してやりとりするようになりつつある。長くなるとメールに切り替えるけれど、キッカケはtwitterということが多い。 話しかけ易いんだろうな、と思う。メールを出すときには、沈黙の中で第一声を放つときのような抵抗を感じるけれど、twitterにはそれがない。タイムラインから、常にざわめきを感じているからだと思う。 いい雰囲気。

テャマスィー

『ONE PIECE 65』を読んだ。 麦わらの一味と新魚人海賊団との戦いに決着が付く。ようやく2年間の修行の成果が見られた。 ただ、戦闘に緊張感がない。多分、主な理由は二つ。まず、作中でハチが話している通り、麦わらの一味の方が圧倒的に強い。それから、全員分の見せ場を作るためか、駆け引きなどがほとんどなく、一瞬で終わってしまう。 せめてもう少し見やすいと良いのだけれど。勿体ない。

隻眼の祈願

『魔界転生 (上、下)』を読んだ。 主人公十兵衛が、強さも弱さも描かれていて、いい味を出している。 敵の倒し方も面白い。あっさりしていると言えばしているけれど、切り結べば一瞬で決着すると思えば、むしろこれがいいのかもしれない。 締めも、それ以上にあっさりしている。最初は、「え、ここで終わり?」と思った。でも、ここに至るまでに見てきた十兵衛の振る舞いを振り返ったら、何を考えているかはさておき「さもありん」と、納得してしまった。 あっさりしているんじゃなくて、潔い。そう思うことにしよう。