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2月, 2015の投稿を表示しています

些末な翼 - スプライトシュピーゲル III

『スプライトシュピーゲル III いかづちの日と自由の朝』を読んだ。 I, II巻ではあまり前に出なかった面々の、違った一面が見られた。事件にバロウズ神父の補佐だった冬真(とうま)が自分から関わったり、後方支援が役割の接続官(コーラス)である水無月(みなづき)が巻き込まれたり、それから殻に閉じこもりっきりの雛(ひびな)がヘッドフォンを外したり。中でも冬真が動き出したのが嬉しい。特甲児童でこそないけれど、守られてばかりになっていなくて好ましい。 〈シュピーゲルシリーズ〉としてみると、『オイレンシュピーゲル』の視点ではあまりにあっさりしていたトラクルおじさんの逮捕の裏側が分かってスッキリした。 各巻単体でも面白いし、シリーズ通しても発見がある。次も楽しみだなぁ。

やはりデリバリー - 継続的デリバリー

『継続的デリバリー 信頼できるソフトウェアリリースのためのビルド・テスト・デプロイメントの自動化』を第二部まで読んだので、まとめておく。 筆者らが〈デプロイメントパイプライン〉と呼ぶ、アプリケーションのビルド・デプロイ・テスト・リリースを自動化する実装パターンを紹介している。 デプロイメントパイプライン 〈デプロイメントパイプライン〉は、継続的インテグレーション [1] の考え方を突き詰めたもので、で目的はこの3つ。 ソフトウェアのビルド・デプロイ・リリースというプロセスのあらゆる部分を関係者全員から見えるようにし、共同作業をやりやすくすること。 フィードバックを改善し、プロセスにおいてできる限り早い時間に問題が特定されて解決されるようにすること。 ソフトウェアの任意のバージョンを任意の環境に完全に自動化されたプロセスを通じて好きなようにデプロイできるようにすること 反対にこんなアンチパターンに陥っていると、プロセスが不明瞭でフィードバックが遅くてデプロイがいちいち大変。どれも心当たりがあって、どうダメなのか解説されるのを読んでいると、頭を抱えたくなってくる。 ソフトウェアを手作業でデプロイする 開発が終わってから疑似本番環境にデプロイする 本番環境について手作業で構成管理を行う こんなアンチパターンから抜け出すために、インクリメンタルに実装していくのを薦めている。下記の通り扱っている範囲がとても広いから、一気には進められないだろう。単純に量が多いのもあるけれど、それ以上に関係者も多くなるから、やり方を変えるのに苦労しそう。 伝統的な構成管理 ソースコードコントロール リリース計画 監査 コンプライアンス インテグレーション・ビルド・テスト・デプロイといったプロセスの自動化 受け入れテストの自動化 依存関係の管理 データベースの移行 テスト環境や本番環境の構築と管理 でも、できるだけやりたいなぁ。 [1] 『継続的インテグレーション入門』 に詳しい。主にデプロイメントパイプラインではコミットメントステージ(コンパイル・ユニットテスト・分析・ビルド)に相当する範囲を扱っている。

Eat It - ダンジョン飯

『ダンジョン飯 1』を読んだ。 ダンジョンで食糧を現地調達。調達されるのは魔物。例えば、スライムだったり、バジリスクだったりする。 蓼食う虫も好き好きとは言うものの、なかなか思い切ったことを考える。 でも先入観を捨てると、意外と滋養強壮に効きそうな気もする。人魚の肉を食べると不死身になれるという八百比丘尼(やおびくに)の伝説もあるし。 ともあれ、調理される魔物の解説が楽しい。身体構造の話とか調理方法の話とか、こういうそれっぽい架空のウンチクは大好きだ。 『幻獣標本箱』 に通じるモノがある。 あとマルシルが可愛いのもポイント高い(何の)。

わずかながら有害? - ほとんど無害

『ほとんど無害』を読んだ。これにてダグラス・アダムスに書いた〈銀河ヒッチハイク・ガイド〉シリーズは終わり [1] 。 面白かった。面白かったんだけれど、読んでいてどこか違和感が拭いきれなかったし、読後感も期待していたものとは全然違った。 違和感があったのは、空気が終始張り詰めていたからだと思う。デントとランダムとの関係しかり。フォードと『ガイド』との関係しかり。これまで、ほとんど何もかもをシニカルに笑い飛ばしてきていたのに、この巻ではその冷笑の裏に悲哀さえ感じられる。 結末も余りと言えば余りだった。悲哀を通り越して絶望に届きそう。叶うなら、「訳者あとがき」に概要が書いてあった、ラジオ放送の際に追加されたBBCオリジナルのエピローグ込みで読みたかった。時間逆行工作 (テンポラル・リバース・エンジニアリング) でどうにかならないかしらん。 でも、この乱暴で投げやりで唐突な結末も、らしいと言えばらしいようにも思っていたりもする。不思議な魅力と言えば魅力なのかな。 [1] 別の作者が公式の続編『新 銀河ヒッチハイク・ガイド』を書いている。

Guitar Only - Paco De Lucia/Flamenco Virtuoso

Paco De Luciaの"Flamenco Virtuoso"を聴いている。 Rodrigo y Gabrielaもいいけれど、他のインストゥルメンタルギターも聴いてみたいなと思って探してみたら、Paco De Luciaに行き着いた。 どのアルバムを買うか決めあぐねて、あげく深く考えず一番安いのを選ぶ貧乏性。 経緯はともあれ、なかなか良い感じ。ほぼアコースティックギターオンリーで華々しさはないけれど、たまにはこういう聴き入る感じのもいいなぁ。

末期の期末 - 境界線上のホライゾン VIII〈上〉

「『境界線上のホライゾン VIII〈上〉』を読んだよ」 「買うのが遅れましたが、買ってからは早いですね」 「関東解放が終わって夏休みに入る所なんだけれど……」 「末世が近づいているからそれどころじゃないですよね」 「それもあるだろうけれど、その前の期末テストが派手で派手で」 「期末テストが派手ってどういうことですか……」 「それは読んでみてのお楽しみで。ところでずっと読んできて、だんだん武蔵勢の外道っぷりに違和感を覚えなくなってきている自分に気がついてで、ちょっとどうかと思い始めた」 「強くなりましたね」 「ここは誉められて喜ぶところなんだろうか?」 「ところで『境界線上のホライゾン ガールズトーク 狼と魂』はどうしたんですか?」 「もちろん読んだよ。どうして?」 「感想エントリィ、ありませんね」 「あれ、本当だ。どうしてだろ」

わくわくクワガタ - ジョジョリオン9

『ジョジョリオン9』を読んだ。 定助と常敏とのクワガタ戦。表向きはクワガタどうしの戦いなのだけれど、その裏ではスタンドどうしの戦いが繰り広げられていて、スリリングだった。クワガタを通しての間接的な戦いだからこその、もどかしさと決着したときの開放感がある。 その後の、クワガタ戦を挑んだそもそのもの目的に関しても、予想の上を行く展開で驚かされた(でも、冷静に考えると、堂々とし過ぎていやしないか)。 ところで康穂が頼もしくなってきた。ペイズリー・パークの追跡能力が向上していることもさながら、決断力も出てきている。

Fish and Kicks - さようなら、いままで魚をありがとう

『さようなら、いままで魚をありがとう』を読んだ。〈銀河ヒッチハイク・ガイド〉シリーズ4作目。 もともと前作までの三作で完結のつもりだったけれど、エージェントや出版社のプレッシャーに押されて書き始めたらしい。『シャーロック・ホームズの帰還』を思い出す。 後付けされたからか、これまでよりSF色が薄くて、これまでなかったアーサーとフェンチャーチとの恋愛要素が投入されている。 その分、フォードやマーヴィンの出番が少なくなっているのが残念。もっとアーサーとフォードの噛み合っていない遣り取りやマーヴィンの嫌みと区別がつかない高度な愚痴を読みたかった。 でも、随所随所に挟まれるエピソードのシニカルな笑いは健在。今回も笑わせて貰った。お気に入りは次の一節。『銀河ヒッチハイク・ガイド』の〈シリウス・サイバネティクス〉社の製品についての記述。 「それが本質的に役に立たないという事実になかなか気がつかないのは、ともかく動かすことができたというだけで達成感が得られてしまうからだ。  言い換えれば(同社が銀河系全域にわたって成功を収めてきたのは、ひとえにこの磐石の方針のおかげなのだが)、数限りない表面的な欠陥のために、根本的な欠陥が覆い隠されているのである」 開発環境を整えているときとか、こんな感じ。コンパイラやらIDEやらそのプラグインやら色々とインストールして、Hello Worldが実行できたあたりで満足してしまう。 何か作ろうとしていたはずなのにね。

メロンで迷路 - ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法(下)

「『ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法~世界を変えた20の野菜の歴史(下)』まで読み終わったよ」 「 「飽きた」 だなんて呟いていたのに読み切ったんですね」 「うん。詰まらないってわけじゃなかったし」 「下巻ではどんな野菜が紹介されていたんですか?」 「メロン、タマネギ、エンドウマメ、ペッパー、ジャガイモ、パンプキン、ラディッシュ、ホウレンソウ、トマト、カブの十種類だよ」 「先頭が果物なんですが」 「だよね。でも、この本で紹介されているわけもそれなりにあってそれが面白い。植物学的な分類と食文化としての慣習は必ずしも一致しないし、政治的な思惑もあったりして」 「政治まで絡むんですか?」 「ほら、農業政策とか商業的な話もあるからね。商業的というか商業主義的というか、あの品種が儲かるからってその種ばっかりになっちゃうと、根こそぎやられちゃって大打撃になったりするから多様性が大事って話もあったっなぁ」 「 『地球最後の日のための種子』 が多様性を守るために活動している人の話でしたね」 「うん。実際、1840年代後半にヨーロッパであるジャガイモが病気でやられたときに、その品種のジャガイモに依存していたアイルランドでは特に飢饉が酷くて、100万人以上がアメリカに移住したらしい」 「Wikipdiaに ジャガイモ飢饉 って項目が立つくらい」 「ちなみにペルーの国際ポテトセンターには5500の品種が保存されているらしい」 「ジャガイモだけでそんなにあるんですね」 「そう言えば、 『インターステラー』 にもわずかながら、植物の品種の話出てきたなぁ。あ、SFと植物と言えば『火星の人』が読みたくなってきた。火星で農業する話らしい」

なすびが結び - ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法(上)

「『ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法~世界を変えた20の野菜の歴史(上)』を読んだよ。身近な野菜が重ねてきた意外な遍歴が面白い」 「どんな野菜が出てくるんですか?」 「上巻で紹介されているのは、アスパラガス、インゲンマメ、ビーツ、キャベツ、ニンジン、セロリ、トウモロコシ、キュウリ、ナス、レタスの10種類」 「ビーツは身近じゃないですよね。スーパーじゃ見かけません」 「訳書だからねー。あ、よく知っている野菜でも日本では珍しい品種も出てきていると思う。特徴を聞いてもピンと来ない時があった」 「所変われば品変わると言ったところでしょうか」 「この中だとナスの歴史が面白かったよ。野生種にはトゲがあるとか、最初で栽培が始まったのは紀元前のインドだとか、中国で栽培が始まった頃は薬として扱われていたとか、十三世紀のヨーロッパでは観賞用だったとか。アメリカの菜園で栽培されるようになったのは一九世紀に入ってかららしいよ」 「意外と最近なんですね」 「日本ではいつからなんだろう? と思って調べて見たら、奈良時代とか平安時代とか辺りっぽかった。結構古い」 「茹でても煮ても焼いても美味しいですよね。お漬け物でも定番ですし」 「漬け物だけは苦手だ。味は嫌いじゃないんだけれど、あれのせいで青くなったご飯、不気味じゃね?」 「それはナスの漬け物が苦手なのか、色が移って青くなったご飯が苦手なのかどちらなんでしょうか?」

万華鏡と元凶 - カレイドスコープの箱庭

『カレイドスコープの箱庭』に収録されている同題の小説を読んだ。 アンコールまたはボーナストラックといったところか。派手な事件は起こらないけれど、田口と白鳥はもちろん、彦根、極北から速水、アメリカから桐生までが一同に会する。 個人的には、後からやってきた白鳥が活躍してくれたの嬉しい。『チーム・バチスタの栄光』の時のようで懐かしい。 『ケルベロスの肖像』 では活躍していなくて欲求不満だったので。 解決した事件は地味と言えば地味なんだけれど、こういう元凶が曖昧な悪意の方が恐ろしい。防ぎがたいという意味でも現実味を感じるという意味でも。 なお小説のあとに続くデータ部分はパラパラとめくったくらい。未読作品が整理できて助かった。少なくとも『スカラムーシュ・ムーン』は読みたいところ。 『ナニワ・モンスター』 だけでは消化不良だ。 最後に覚え書きとして未読作品を列挙しておく。 『スカラムーシュ・ムーン』(単行本未発売) 『ひかりの剣』 『玉村警部補の災難』 『ガンコロリン』 『夢見る黄金地球儀』 『モルフェウスの領域』 『アクアマリンの神殿』 『医学のたまご』

Heat Beat - スプライトシュピーゲル II

『スプライトシュピーゲル II Seven Angels Coming』を読んだ。 『オイレンシュピーゲル 弐』 で描かれた事件が、MSSの鳳(あげは)・乙(つばめ)・雛(ひびな)の視点から描かれている。 あちらでは唐突に思えた描写が補完されてスッキリ。特に皇(すめらぎ)と螢(ほたる)についての情報が増えたのが嬉しい。 MSSの面々に目を遣ると、モリサンとの遣り取りを経て乙の芯が通ってきたのが心強い。ドキドキしたいっしょーっ!!

ヒゲの喜劇 - チャーリー・モルデカイ

『チャーリー・モルデカイ (原題 "Mortdecai")』を観てきた。 登場人物がみな魅力的。主人公モルデカイがキュート。その妻ジョアンナはタフ(メンタル)。二人に仕えるジョックもタフ(フィジカル)。 ストーリィにも無駄がなくて、よく練られているんだろうな、と思う。ただ、下らない上に品がないネタが多いから、苦手な人もいそうだけれど。 ところで、「チャーリー」と「ジョニー・デップ」で『チャーリーとチョコレート工場』を思い出す。ジョニー・デップが演じていたのはチャーリーじゃなくて、ウィリー・ウォンカだけれど。

5¢, Indipendent, Testament - ニッケルオデオン赤・緑・青

「『ニッケルオデオン赤』、『緑』、『青』を読んだよ」 「 『ヴォイニッチホテル』 と同じ作者さんの短篇集ですね」 「うん、この3冊も奇妙な雰囲気に引き込まれるよー。どぎつい内容もあるのに、抵抗なく読めるのが不思議」 「絵柄や台詞回しのおかげでしょうか?」 「何かスッキリしているよね。良い話も酷い話も切ない話もしょうもない話も何だかよく分からない話も詰め込まれていて、ゴチャつきそうなものなのに」 「バリエーション豊かですね」 「『緑』の「Scene7 契約」なんて巧いと思う話もあったし。あと、『青』最後の「Scene13 うたかたの日々」を読んで全体を振り返ると 『少女不十分』 を思い出したりも。誰のためのおとぎ話だったのかな、と」

かすかなInspiration - Coldplay/Ghost Stories

Coldplayの"Ghost Stories"を聴いている。 派手さはない。前作 "Mylo Xylto" の"Paradise"とか前々作"Viva La Vida or Death and All His Friends"の"Viva La Vida"のようなキャッチーな曲は、1曲もない。 バンドっぽさも感じられない。エレクトロニカの色が濃い。 でも、艶やかさはある。どの曲もとても綺麗。 自分がこれまでに聴いてきた中だと、Underworldの"Oblivion With Bells"と印象が近い。 そんな中で、ひときわ華やかなのが"A Sky Full of Stars"。ではあるけれど、他の地味な曲の方が好み。 聴き始めてすぐのこの時点で、印象的な曲と好みの曲が違うのが珍しくて面白い。

クリケットで決闘 - 宇宙クリケット大戦争

「『宇宙クリケット大戦争』を読んだよ」 「 『銀河ヒッチハイク・ガイド』 、 『宇宙の果てのレストラン』 に続く3作目ですね」 「今回も面白かった。アーサーが素敵過ぎる」 湿った空気のなか、アーサーはぜいぜいあえぎながら横たわって、どこかけがをしていないかと身体をまさぐってみた。どこを触っても痛い。だがやがて、これは手が痛いからだと気がついた。どうやら手首をくじいたらしい。 「最初に気がつくところじゃないんですか!?」 「最初に手を動かした時に痛いだろうにね。でも、アーサーなら気づかないかもしれないと思っちゃう。ずっとこんな調子なもんで」 「つくづく涙を誘いますね」 「うーん、かわいそうではないよ。変わっているとは思うけれど」 (ときどき自分みたいに思うことがあるし)

はねっかえり - スプライトシュピーゲル I

『スプライトシュピーゲル I Butterfly & Dragonfly & Honeybee』を読んだ。 『オイレンシュピーゲル』と比べると、こちらの方がキャラが濃い。こんなパーソナリティないだろうと思うけれど、もしかしたらこれも〈特甲〉の影響かもしれない、と思うと切なくなってくる。 自分は今のところ『オイレンシュピーゲル』の方が好み。でも、『オイレンシュピーゲル』も壱を読んだ時点では、キャラクタに思い入れが大して無かったことを思い出すと、予断を許さない。

ケロケロケロケロ - Legend of Legacy

「『レジェンドオブレガシー』をクリアしたよ。主人公はもちろんフィルミア」 「そのカエル贔屓は一体どこから……」 「前情報に違わぬ通常戦闘の難易度だった。敵のランクが変わった直後なんて、うっかり即死するレベル」 「よくクリアしましたね」 「ちゃんと鍛えて装備を調えれば大丈夫だよ」 「レベルを上げて物理で殴ればいい [1] ってことですか?」 「鍛えまくればそれでもいけるのかもしれないけれど、自分は精霊やフォーメーションも利用しないと難しいと思う」 「難しそうですね」 「難しくはないけれど、もどかしくはあるかも。通常戦闘でもちょっと気をつけないと窮地に陥っちゃうし。うん、雑魚を蹴散らす爽快感は全然ないな」 「そう言えば、シナリオもないんですよね?」 「うん、ほとんどない」 「ちっとも面白そうに聞こえないんですが……」 「でも何か面白いんだよねー。今度はオーウェンを主人公にして2周目を始めちゃったよ」 [1] レベルを上げて物理で殴ればいいとは (レベルヲアゲテブツリデナグレバイイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

立ち燃え

熾火みたい。水に漬けたらじゅうっと湯気が上がりそう。

Impressive - 第18回文化庁メディア芸術祭

国立新美術館に行って『第18回文化庁メディア芸術祭』を見てきた。 目当ては Ingress の展示。限定ポータル〈啓示の夜のパワーキューブ〉のPortal Key。Capsuleを利用してちゃっかり2ついただいてきた。 他に何があるかは下調べせずに行ったのだけれど、他の展示も楽しめた。 まず、入ってすぐのところに展示されている 〈センシング・ストリームズ〉 が目に飛び込んできた。綺麗。マイクで拾った電磁波を周波数に基づいて可視化しているらしい。 『ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて』 で展示されていた宇宙線の可視化 [1] を連想する。あと、ゲームの『電波人間のRPG』。身の回りのありふれた技術を別の形で可視化しているという捉え方をすれば、古くはバーコードバトラーか。 しばらく進むと見えてくる、3本足のアシナガグモのようなオブジェ 〈Nyoloid〉 が動くのもハラハラした。動きが激しくて、壊れないか心配になる。しばらく眺めていたら、生き物みたいに見えてきたのが不思議。力尽きたように崩れ落ちた時なんか、「あ、死んだ」なんて思った。「あ、壊れた」ではなくて。何がそう感じさせたんだろう? 一番関心を惹いたのは、 〈これは映画ではないらしい〉 [2] 。コマがない動画を撮影・再生する試み。録画したフィルムと映像が全然一致しないのが面白い。 昼から出かけてゆっくり(Ingressしながら)回ったら、日が暮れたので買い物して帰宅。六本木はクリスマスかと思うくらいイルミネーションでキラキラしていた。 [1] 逢坂卓郎という方の『Fullness of Emptiness Integral』というタイトルの作品だった。同じ展覧会に出展した Redbullのサイト に写真付きの紹介がある。 [2] 『これは映画ではない』というタイトルの映画とは関係ない。

Viert Kamerad - オイレンシュピーゲル 参、肆

『【合本版】オイレンシュピーゲル 全4巻』の残り『参 Blue Murder』と『肆 Wag The Dog』を読んだ。 『参』を読んだけれど消化不良だったので、『肆』まで一気に読んでしまった。 ついに特甲児童どうしの戦いが繰り広げられたり、特甲に関する情報が徐々に出てきたりしてテンションが上がる。 あと、ミハエルに続きパトリックなるまた渋いおっさんが出てきたのも嬉しい。 でも、まだまだ謎だらけだよ!! みんなの記憶とか特甲レベル4とか色々気になってしょうがない。 次は『スプライトシュピーゲル』だ。

Ein Team - オイレンシュピーゲル弐

『【合本版】オイレンシュピーゲル 全4巻』を『弐 FRAGILE!!/壊れもの注意!!』まで読んだ。 この巻では、一旦3人をばらばらに配置した上でその関係が長篇で描かれていた。主役の3人の少女それぞれにフォーカスした短篇集だった 『壱』 とは対称的。 『壱』と同じ短篇連作だと思い込んでいたので、騙された。一話だけ読もうと思って読み始めたら、止め時を見失ったじゃないか!! 陽炎が一番大人びているように見えて、ミハエルには女の子女の子したリアクションなのが可愛らしい。彼の期待に応えてやっているのは狙撃だけれど。