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自製の辞世 - 自生の夢

『グラン・ヴァカンス』 や 『ラギッド・ガール』 の作者・飛浩隆の短篇集。 全6篇のうち2篇―― 『現代詩手帖2015年5月号』 掲載の『野生の詩藻』(本書掲載時に『La Poésie sauvage』から改題)、 『Visions』 掲載の『海の指』――は初出を読んでいた。 『海の指』は先月読んだばかりなので飛ばしてしまったけれど、『野生の詩藻』は新鮮な気持ちで読めた。当時は描かれている世界をイメージしにくかったのだけれど、『#銀の匙』と『曠野にて』を読んでこの世界の成り立ちを知った後なら、ずっと大きく想像を膨らませられる。 一連となっているこれら3篇は〈 忌字禍 ( イマジカ ) 〉シリーズとでも呼べばいいんだろうか。文字が躍り驚異とすらなる世界が、恐ろしくも魅惑的(なお『海の指』も別レイヤーの世界として参照されている)。 最後に掲載されている『はるかな響き』も印象的だった。感傷的だったとも言える。スケールの振れ幅がダイナミックで、心が揺さぶられる。宇宙の広大さと日常の哀愁がオーバーラップする不思議な感覚に包まれて、伝染してくる物悲しさへの抵抗が落ちる。

犬猿 - Visions

SFアンソロジー『Visions』を読んだ。 お目当ては円城塔の「リアルタイムラジオ」。ハッシュ関数やブロックチェーンを下敷きにした、不思議な世界が広がっていた。と思う。例のごとく概念的でイメージしづらい。そこがいいのだけれど。 個人的にタイムリーだったのが、長谷敏司の「震える犬」。ちょうど 『人体 失敗の進化史』 を読んだところだったので。知性や感情の発生について、いろいろと考えてしまう。人間のそれって、自分たちが思っているほど、進化したものじゃないんじゃないかって。

触感の書簡

『ラギッド・ガール』 を読んだ。 本書は 『グラン・ヴァカンス』 ( 感想 )から始まる廃園の天使シリーズの第2弾。 『グラン・ヴァカンス』では物足りなかった部分が描かれていて、嬉しくなった。 その部分とは、『グラン・ヴァカンス』の舞台である<数値海岸(コスタ・デル・ヌメロ)>や、そこにゲストが来なくなった<大断絶(グランド・ダウン)>の理由などの、要は設定部分。 自分は、設定好きなんだなぁ、と改めて実感する。 次の巻はいつ出るんだろうか。 著者は遅筆らしいので、気長に待とう。

夏休みは終わらない

『グラン・ヴァカンス―廃園の天使1』 を読んだ。 物語としては面白い。 SFにジャンルされているけれど、自分としてはダークファンタジーらしく感じた。 綺麗過ぎる。あとがきによると、綺麗なものを描こうとしているのだから、狙い通りなのだろう。 それが自分の感覚とはぴったりとは合っていないとういうだけなのだろう。 続く 『ラギッド・ガール 廃園の天使 2』 では、本作で残された謎が解決するらしい。 楽しみ。