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4月, 2013の投稿を表示しています

大統領と呼ばないで

「『リンカーン弁護士 (原題: The Lincoln Lawyer)』を観たよ。ブラックジャックみたいな弁護士」 「あの闇医者のブラックジャックですか?」 「うん。お金にがめついけれど、職業倫理がしっかりしているところが似ていると思う。モグリじゃないけれど」 「モグリだと法廷に立てませんからね」 「というわけで、最初は嫌なヤツとして映るんだけれど、真相に気付き始めたあたりから応援したくなってくる。絡み合った、父親から受け継いだ信念と過去の過ちと依頼人との関係を前に苦闘するあたりなんか特に」 「なかなか複雑ですね」 「ちなみにタイトルの『リンカーン』は主人公ミックの乗っている車の種類。大統領じゃないし、奴隷の解放を宣言したりしないし、ヴァンパイアと戦ったりもしない」 「最後のは蛇足かと」

いつの時代も

「『ミッドナイト・イン・パリ (原題: Midnight in Paris)』を観たよ。過去に憧れる主人公が、まさにその時代に毎晩タイムスリップしてしまう、という話」 「実際に行ってしまったら、幻滅してしまいませんか?」 「そんな気もするんだけれどね。不便なことも多いだろうし。でも、この映画ではそんな展開にはならない。むしろ満喫している様子」 「よほど水が合ったんでしょうか」 「だろうね。映像もとても魅力的だった。でも、『昔は良かった』では終わらない。そこが良かった」

Who is Iron Man?

『アイアンマン3 (原題: Iron Man 3)』を観た。 『アヴェンジャーズ』から1年。その間にスーツはMark VIIからMark 42へ。案の定、装着方法がどんどん凝ったものになっていっている。1年で7から42までナンバリングが増えたということは、1月に3体のスーツを制作していた計算になる。いくら何でもハイペース過ぎると思ったけれど、その理由も描かれていた。この理由がこの映画のテーマだった。 アクションに目を移すと、Mark 42の装着ギミックが、随所で効果的に(時にはネタとしても)使われたり、クライマックスでの伏線になっていたり、と巧く使われていて面白かった。そのクライマックスでは、スーツの活躍もさることながら、ペッパーも。大金星。底上げはあったにしろ、何か秘めた才能でもあったんじゃなかろうか。 「さらば、アイアンマン」なんてコピーで、あのエンディングだったけれど、『アヴェンジャーズ2』では戻って来るはず。楽しみ。

誰が悪人だったのか

「『アウトレイジ ビヨンド』を観たよ」 「『アウトレイジ』の続編ですね」 「うん。今回も出てくるのはヤクザのおっさんばかり。そしてガンガン死んでいく」 「警察の片岡さんとその相棒の繁田さんも目立ったいましたよね」 「そしてあのラスト。大友には色々見えていたんだろうな、と」

小さな王様

『小さなバイキングビッケ (原題: Wickie und die starken Männer)』を観た。 バイキングの少年ビッケが、悪いバイキングにさらわれた友達を助けに行くという話。力では劣るけれど、一休さんよろしく持ち前の機転で危機を乗り越えていく。 原作の児童文学やそのアニメは未見だけれど、楽しめた。肩肘張らずにのんびりと観ていられる。安っぽいといえばそうなんだけれど、それも味に思えるから不思議。

働き方への働きかけ

『ワーク・シフト』を読んだ。「この先、働き方が変わるよ」という話。 働き方が変わるのは、次のトレンドがあるから、と言っている。 テクノロジーの発展 グローバル化 人口構成の変化と長寿化 個人、家族、社会の変化 エネルギーと環境問題 で、どう変わるかは、自分次第。悲観的シナリオと楽観的シナリオを小説仕立てで示して、楽観的シナリオを現実にするには、次のシフトが必要だとしている。 ゼネラリスト→連続スペシャリスト 孤独な競争→みんなでイノベーション 金儲けと消費→価値ある経験 どうにもスッキリしないし、ピンと来なかった。変化をもたらすトレンドに対してこれらのシフトが起こっても楽観的シナリオを実現できる気がしないし、このシフト自体も現実味が感じられない。個人の問題じゃなくて組織やシステムの問題だと思うし、連続スペシャリストの最初の例が「経営コンサルタント→ドキュメンタリー作家・市民活動家」って。 こういう話なら、 『文明崩壊』 の方が面白かった。この本の悲観的シナリオをよりずっと酷い文明崩壊の歴史を振り返って、同じ轍を踏まないための話をしている。それは、働き手としての話ではなくて、組織(主に企業)に影響を与えるための消費者としての話だった。 消費者として企業にどう接するか考える方が、よほど未来に影響を与えられると思うし。グローバルに動いているのは、政府じゃなくて企業なのだから、そこへの影響を考えるのが、効果的だと思うし、内に入ってしまうと組織の論理に飲み込まれてしまうから、外からのアプローチの方が落ち着いて意思決定できる。

ポートフォリオの檻

『最底辺のポートフォリオ ――1日2ドルで暮らすということ』を読んだ。 この本は、バングラデシュやインドなどの貧困層を〈ファイナンシャル・ダイアリー〉を使って調査した結果の報告。〈ファイナンシャル・ダイアリー〉は筆者らが自分たちの調査アプローチにつけた名前。アンケートによる低頻度の一斉調査とエスノグラフィーによる継続的な個別調査の、中間的な特徴を持つことになる。最大の特徴は、多数の世帯(家計単位)のキャッシュフローを明らかにしているところ。 調査によると、貧困層のお金に関する三重苦は次の3つ。少額であることは認識していたけれど、2つ目と3つ目は抜け落ちていた。予測不可能だから、急な出費に耐えられない。つまり、キャッシュフローが脆い。でも、フォーマルな金融サービスを受けられないから、インフォーマルな形でお金をかき集めることになる。 少額 予測不可能 フォーマルな金融サービスの利用困難 貧困層だからといって、その日暮らしをしているわけじゃなくて、お金を借りることもあれば貸すことも、それから貯蓄することもある。その行動は非貧困層とあまり変わらないように思う。ただ、長期的な計画が組みにくい分、短期的に貸し借りは解消されるため、年利のような尺度で測ると見誤る。 3つ目の解消を目指した、マイクロクレジットの話も、グラミン銀行の話も出てくる。創始者が語る 『貧困のない世界を創る』 などと違って、〈ファイナンシャル・ダイアリー〉によって想定とは違った使われ方をしたりと、思わぬ問題が描かれているところが面白い。このアプローチだからこそ、こうして明るみに出てきた問題だと思う。 この本の面白いところは、「1日2ドル」というような平均に基づいたものの見方をしていると、解決すべき問題を見落とす点だと思う。黒字倒産なんて言葉もあるけれど、長期的には黒字になるはずなんだけれど、収入が予測不可能で金融サービスを受けられないと、ショートしてどうにもならなくなる。 こういう見方は、スケジュールにも通じるように思う。も平均きっちりで遊びを持たせないでいると、どこかで遅れたときに影響が波及して回復できなくなる。

白衣縫合のクリスティーナ

「『劇場版STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』を観てきたよ」 「さっそくですね。どうでした?」 「一言で表すと、『オッカリーン』」 「また意味不明なことを」 「真面目な話、きちんと伏線が張ってあって面白かったよ。オカリンとまゆしいとの遣り取りとか。今思えば、序盤のダルとコスプレイヤーの行(くだり)の宝クジもそうだった気が」 「90分足らずでもそのあたりはさすがですね」 「あと、ゲームにはあったけれど、アニメにはなかった世界線の見せ方が巧かった。あれは、ゲームもやっていた人向けのサービスかな?」 「そういうの、嬉しいですよね」 「欲を言えば、もうちょっと科学っぽさが欲しかった。でも、テーマを考えるとそれも違う気がするので、これはこれで。ともあれ、クリスティーナが幸せそうで何より」 「紅莉栖さん、です」

げに恐ろしきは

『メリダとおそろしの森(原題: Brave)』を観た。 『モンスター・ホテル』 を思い出した。主人公はメリダじゃなくて、母親のエリノアじゃなかろうか。 あんな目に遭わされたら、メリダを恨んだっておかしくないのに、それでも徹頭徹尾メリダのために行動していた。その上、戦っていたのも主にエリノアだった。 一方で、男連中が全体的に情けない。父親のファーガスしかり他の3氏族しかり。元気だったのは三つ子くらいだったように思う。

ダンスは続く

『されど罪人は竜と踊る12』を読んだ。 9巻から続いた使徒編がようやく完結。帯には「第一部完」なんて惹句が踊るけれど、あとがきを読むと、ちょっと疑問。 使徒編全体を振り返ると、もう少し短くまとまっていたら嬉しかったな、と思う。3冊目の途中辺りで「まだ終わらないのか」という思いが先に立って、楽しさが半減してしまった。 この巻だけで見ると、派手な展開が続いて読み応えがある。ただ、最後の展開が派手に過ぎる。あるいは超展開。ついていけなかった。 〈宙界の瞳〉の秘密も多少は明かされたけれど、まだまだ不明点が多くて、きちんと終わるのはいつになることやら。 ちゃんと完結して欲しいなぁ。

或る事

『アルゴ (原題: Argo)』を観た。この映画は、実際にあったというCIAが実施したイランからの脱出作戦を元にしている。 当時の映像も使われるせいで、始まりはドキュメンタリーのような印象だった。スタッフロールを観て知ったのだけれど、配役も本人に似せている。 主人公がイランに渡ってからは、ドラマチックな展開になる。逃がそうとしている人どうしの関係や主人公と組織の関係が、一枚岩ではなくて観ていてハラハラする。 一方で、そこに至るまでは、進み方が少し緩やか。ハリウッドのシーンなんかは笑いを誘う。あの二人はいいキャラしていると思う。 でも、クライマックスの空港のシーンには息を呑んだ。このシーンの緊張感を高めるために、前半の緩やかさがあったのかもしれない。 華やかさ・派手さはないけれど、エンディングもまとまっていて、満足。

ニャル何とかさんと呼ばないで

「『這いよれ!ニャル子さん11』を読んだよ」 「届いた日に読み終わっていましたね」 「おかげで寝不足に」 「ほどほどにした方が体のためですよ」 「頭では分かっているんだけれどね。さて、この11巻はGA文庫マガジンに掲載された短篇2本に中篇1本を加えて再構成したものだそうで」 「双司君は単行本派なので良かったじゃないですか」 「うん。雑誌は時々思い出したように買うんだけれど、しばらくすると買わなくなっちゃうんだよね。何やかんやで」 「またアバウトな」 「それにしても、ここのところニャル子がメインに据えられていなくて寂しい」 「え?」 「この11巻は珠緒回だったでしょ。10巻はアト子回。9巻は活躍していたと言えばそうなんだけれどちょっと違ったし、8巻はハス太とルーヒーがメインだった。7巻は短篇集だったからニャル子以外がメインの話もあった。6巻はクー子回だったし。って、あれ……」 「あれれ……」 「アニメ2期もこの後6巻ベースのエピソードになるだろうし、このままじゃ〈ニャル何とかさん〉ネタが笑い事じゃ済まなく……」 「続刊を待ちましょう」 「そうだね。ニャル子、報われるといいなぁ。あ、そしたら完結しちゃいそうだし。うーん、複雑」

リベンジの利便

「『コロンビアーナ(原題: Colombiana)』を観た。リュック・ベッソンがプロデューサー兼脚本の、バトルヒロインもの」 「バトルヒロインものって……」 「冗談はさておき、昨日観た『ボーン・レガシー』よりよほど格闘していたような」 「印象の差かもしれませんね」 「それはあるかも。大きな期待より小さかったか、小さな期待より大きかったか」 「アンカリングですね」 「そういう意味では、この映画もリアリティを期待したら、白けてしまうかも。俺は強引に感じたところもあったけれど、『ねーよ!!』って展開を真面目な顔してやりきるのも嫌いじゃないので、オッケーだったけれど」 「もとより〈復讐〉って、弱者が強者に反撃する物語じゃないですか」 「そうだね」 「その骨子からしてファンタジーを内包していますよね。強者はその権力を使って、その地位を盤石にできる正のフィードバックが働くので、その序列は簡単には覆りません」 「そう言えば、大富豪って開始前に〈大富豪の要らない手札2枚と大貧民の手札強い方から2枚〉、〈富豪の要らない手札1枚と貧民の最強の手札〉ってルールだから、一度ハマると全然抜けらんないよね」 「酷い格差社会もあったものです」 「おかげで同じ数字が揃ったりするから、8切りからの同じ数字複数枚出しで復活できたり、とか有利にはたらくことも無きにしもあらずなんだけれどねー」 「その〈勝てるかも知れない〉という希望こそ、足枷なのかもしれませんよ?」 「それに薄々勘づいているからなのかな、復讐にカタルシスを感じるのは」

遺骨ではない

『ボーン・レガシー (原題: The Bourne Legacy)』を観た。『ボーン・アイデンティティー』から始まって3部作で完結と思いきや、主人公をジェイソン・ボーンからアーロン・クロスへと変えての続編。 前3作のような格闘シーンを期待していたのだけれど、むしろ追跡劇の方が目立っていた。それはそれで迫力があるのだけれど、消化不良の感が否めない。 一方、作戦はどんどん増えている。前作戦を超えるためだったり、前作戦を収集するためだったり、と理由はそれぞれだけれど、増やし過ぎじゃないだろうか? ちょっと食傷気味。 最後の決着も呆気ないし。例のBGMさえ、何だか空々しい。何か惜しい。

燃料投下

次期のアニメというのはサブヒロインにスポットがあたるもの… 『這いよれ! スーパーニャル子ちゃんタイム3』 OPにクー音が出ているから、あながち間違っていない。というわけで、クー子。 とは言っても、ニャル子もキャラが強烈だから、「ニャルなんとかさん」なんて呼ばれるようなことにはならないだろうな、と。

支配の廃止

「『螺旋のエンペロイダー Spin1』を読んだよ」 「〈ブギーポップ〉シリーズの方の新作ですね」 「これも同じ世界での話だったよ」 「舞台が〈MPLS〉の養成機関ですもんね」 「でもそれだけじゃなくて、〈枢機王〉なんて単語も出てくるし、主人公〈才牙虚宇介〉なんて、ナイトウォッチ三部作を思い出さずにはいられない」 「その上、妹さんは〈そら〉さんですしね。やっぱり〈虚空牙〉と関係あるんでしょうか?」 「どうなんだろうね。いつか全容が明かされると嬉しいな」 「ですね」 「ところで〈支配〉ってなんだろうね? きっと、このシリーズのキーワードなんだろうけれど」 「なんですか、藪から棒に」 「うーん。確か、『殺竜事件』だったんだと思うんだけれど、支配している者こそかえって支配されているみたいな件があって、ずっと引っかかっていて」 「どういうことですか?」 「支配する側って支配される側を理解――少なくともコントロールしないといけないわけじゃん。逆に支配される側は支配する側に文句垂れてりゃ、溜飲が下がるわけで。主観的に自由なのはどっちなんだか、と言うような」 「主観という言及があるので、その疑問への一般的な解はないんじゃないでしょうか。ともあれ、双司君は、最近その辺り気にしていますよね。〈境界線上のホライゾン〉シリーズの王の話とか、〈ドリフターズ〉シリーズの王の話とか。リーダーの逆の『フォロワーシップ』とか」 「うん。コンプレックスなのかもね。リーダーになりたいとは思わない一方で、よくあるリーダー観には疑問を覚えているし。かっこいいと思うのは、戦隊でいうとブルーだったり、アンデルセン神父のいうところの〈銃剣〉だったりするし」 「アーカード伯爵じゃないんですね。意外」 「あれは化け物だからね。魅力的だけれど、かっこいいと思う対象とはまた違う」 「そんなものですか」 「感覚的なものだけれどね。そう言えば、〈優しい独裁者〉なんて言葉もあるね。それになった人が支配できるんじゃなくて、コントロールできる人を結果的にそう呼んでいるだけなのかもしれないけれど」

33人いない

『魔法少女育成計画 episodes』を読んだ。 この本は『魔法少女育成計画』と『魔法少女育成計画restart (前・後)』に登場した33人の魔法少女を巡る短篇集。 儚く可憐でバイオレンスな33人の魔法少女たちの日常系エピソード! 魔法少女育成計画 episodes│宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル のはずだったんだと思う。残念ながら、スノーホワイトが出てこない。 けれど、あとがきによると、スノーホワイトとリップルのエピソードが 公式サイト の『月刊このラノ!』に『短篇集発売記念短篇』として掲載される予定。厚さと値段が増してもいいから、1冊に収めて欲しかった。というのが正直な感想。公開停止されたら読めなくなっちゃうってことだよね? それから、紹介文にこんな風に書いているけれど、自分にとってはナシ。余計なお世話なのかもしれないけれど、少なくとも本編を読むつもりがあるなら止めておいた方がいい。ネタバレもいいところ。 本編と合わせて楽しんでいただきたい一冊ですが、この本からシリーズを読み始めるというのもアリ、かも!? と、含まれていないエピソードや中身と関係ないところに多少の不満はあるけれど、一番重要な中身には満足。本編ではあっという間に退場してしまったキャラクタの裏側が見られて嬉しい。とくに、ねむりんと@娘々のエピソードが印象的だった。結末を知っているからこそ、複雑な気持ちに。

Is it your life?

『ぼくのゾンビ・ライフ』を読んだ。 ゾンビの1人称小説。主人公アンディは、交通事故で死んでしまった後、ゾンビとして蘇った。物語は彼の視点で進む。 物語は彼の内面の変化を辿っていく。序盤は少々退屈だけれど、彼の意識が少しずつ変わるにつれて、中盤~終盤とジワジワと盛り上がってくる。そして、エンディングで、カタストロフ? カタルシス?とともに収束する。 振り返ってみると、序盤の退屈さも、後半に味となって効いていたように思う。序盤があるから、彼の意識の変化に伴って、呼んでいるコッチまでおかしな世界に地滑りしていく。 ゾンビってあんな気分なんだろうか?

SAN値ピンチ

「『這いよれ! スーパーニャル子ちゃんタイム3』を読んだよ」 「双司君のSAN値が42下がった」 「何でそんな中途半端な数字」 「宇宙の答えだからです」 「ならしょうがない。しかし、今回もヒドかった(ほめ言葉)」 「こちらの平行宇宙だと、余市さんが目立ちますね」 「やめろよ、原作でも」 今まで目立たないキャラが急にスポット浴びると、絶対何かありますよね 「なんて言われる始末だったんだから!!」

巨人の視線

「『進撃の巨人 (10)』を読んだよー」 「どうでしたか?」 「 9巻 で張られた伏線が回収されると思いきや、不意打ちでドデカい謎が明かされて、混乱気味」 「落ち着いて下さい」 「ゴールデンウィークあたりにゆっくり読み返そうかな」 「あ、そう言えばアニメも始まりましたね」 「声優さんの演技とも相まって、惨さが増していたのが、印象的というかトラウマになりそう、というか。どこまでやるのかなぁ」

法王の彷徨

「『ローマ法王の休日 (原題: Habemus Papam)』を観たよ」 「『ローマの休日』のパロディですか?」 「そう取られかねない邦題だし、俺もそう思って観始めたんだけれど、全然違った。アンデルセン神父の言葉を借りれば『横あいから思い切り殴りつけ』られた気分」 「全然違ったんですね」 「うん。笑えるところもなくはなかったけれど、シンプルなわけでもなかったし。シニカルさもあったなぁ。シュールな場面もあったし。どうにも捉えどころがない感じ。何よりエンディングが衝撃的だった」 「ネタバレはダメですよ」 「うーん、実際よく分からなかったというのが正直なところ。ローマ法王もそうでない人も神の前ではみな平等ということなのかなぁ」

この国の上司は

「『モンスター上司 (原題: Horrible Bosses)』を観たよ」 「すごいタイトルですね」 「アメリカだと上司が恐いってのがネタなんかねぇ。『プラダを着た悪魔』とか。日本だと社畜がネタになるけれど」 「結局、相対的には変わらないような」 「言われてみれば。それはさておき。良い意味でヒドい映画だった」

コードの均衡

『Effective Java 第2版』を英語で読んだ。 肝に銘じようと思った1文について書く。細かい話は都度ツイートしていたのを、Togetterで Effective Java 2nd Editionの自分の感想まとめ にまとめたので割愛。 その1文はこれ。「できるからって、すべきってわけじゃない」というニュアンスで受け取っている。 You can doesn't mean that you should! こう書けば動くというスニペットを考えなしにコピーしても、コンパイルも通るし動作はするだろう。だけど「そう書くべきかどうか」や「そう書くとどこにどう影響するのか」はちっとも分かるようにならない。 最初は動かすことで精一杯だけれど、それだけでは技術的負債が膨れ上がる一方だ。ずっと動かし続けるには、書くべきコードで書き、書くべきではなかったコードをリファクタリングし続ける必要がある。そうしないと、いつか手の施しようがなくなってしまう日がやってくる。 一方で、振り返ってみて技術的負債がゼロというのでは、技術が先細りする。 『アジャイルサムライ』 曰く、それは「新しいことや、これまでとは違うことに取り組もうとしていない」ということ。 バランスを保ち続けたい。

車イスくるまるSmile

『最強のふたり (原題: Intouchables)』を観た。 この映画が描くのは、全身不随の大富豪フィリップとその介護人ドリスの、実話に基づいた物語。堅いフィリップが奔放なドリスと遣り取りしていくうちに、だんだん開けっぴろげになっていくのが面白かった。 重くなりがちなシチュエーションなのに、シニカルな(時にブラックな)ユーモアが交わされるところが素敵。こういう受け入れ方というか、折り合いの付け方というか、特別でないことにするやり方は、どうしたらできるようになるんだろうな、と思う。キャラクタに依るところが大きいのかな? 重病人がやりたい放題という点で、 『最高の人生の見つけ方』 を思い出す。それから、全身不随の人を描いているという点で、 『潜水服は蝶の夢を見る』 も。

流れる

This work by SO_C is licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License . 「新年度が始まったね」 「始まりましたね」 「だからどうということはないんだけれどね。自分としては」 「双司君がそうでも、制度はそうはなっていないですからね」 「うん。自分はよくも悪くもけりを付けるのが苦手だから、こういうタイミングを利用しないと」 「絵と何の関係もない話をしていますよね」 「絵と言葉は直交しているんだから、それもいいんじゃない?」

伸び上がる先には

ここ数週間に撮った写真から何枚かピックアップ。 This work by SO_C is licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License . ユキヤナギ。素敵な名前だと思う。 This work by SO_C is licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License . ツクシが元気。卵とじが食べたくなる。 This work by SO_C is licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License . ビルと飛行機雲と月。飛行機雲がもう少しくっきり撮れていたら良かったのだけれど。とても長く伸びていて、つい追ってしまった。 This work by SO_C is licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License . 桜の中に浮かぶ月。

自由と人民とヴァンパイア

「『リンカーン/秘密の書 (原題: Abraham Lincoln: Vampire Hunter)』を観たよ」 「スピルバーグ監督じゃない方の『リンカーン』ですね」 「今、映画『リンカーン』と言ったら、スピルバーグ監督の方が先に思い浮かぶよね」 「アカデミー賞の主演男優賞と美術賞を受賞しましたしね」 「ちょうど2週間ほど後に公開を控えたタイミングだしね」 「4月19日ですね」 「で、こっちのリンカーンに話を戻すと、こちらの監督は『Wanted』の人。制作にティム・バートンが関わっているし、吸血鬼モノだし、というわけで観てみた」 「そう言えば、ティム・バートン監督の吸血鬼モノの『ダーク・シャドウ』も観ていますね」 「あ、調べてみたら脚本はどちらも同じ、セス・グレアム=スミスという人で、この映画はその人の小説『ヴァンパイアハンター・リンカーン』を映画化したものなんだ。ってこの人 『高慢と偏見とゾンビ』 の作者か!!」 「ああ、あの」 「それならこの映画のリンカーンの強さに納得。でも、斧を振り回して、吸血鬼をバッタバッタと叩き潰すなんて、本当に人間かよ!!」 「でも、双司君そういうの好きですよね」 「うん、大好き。というわけで、本作も楽しかった。迫力のあるシーンも多かったし」 「あ、そう言えば『高慢と偏見とゾンビ』も映画化されるみたいですよ」 「うわぁ、観てぇ」

よりつかない

Acidmanの『新世界』を聴いている。 このアルバムはAcidman9枚目のオリジナルアルバム。前作『ALMA』からは2年3ヶ月振りなんだけれど、『ALMA』を聴いていない。その前の『beautiful greed』以来だから、3年7ヶ月振りになる計算。 アッパーな曲あり、アコースティックな曲あり、スケールの感じられる曲あり、と今回もバラエティが豊か。下の動画はシングル『新世界』のPV。この後の『NO6』と勢いのある曲が続くのが前半のハイライト。この2曲と11曲目の『カタストロフ』が勢いがあるせいか、目立っている。 でも、ずっと聴いていると、静かな曲が好きになってくるんだろうなぁ。

みみっちい遭遇

「『宇宙人ポール (原題 "Paul")』を観たよ。宇宙人のポールが、見た目はまんまリトルグレイなんだけれど、中身は気さくなタフガイだった」 「ニャルラトホテプも美少女になるこのご時世、リトルグレイが気さくなタフガイで何を驚くことがありましょうか」 「で、そのポールとキャンピングカーで旅をするのが、冴えない二人のオタクというのがまた面白い。その上、そこに加わる面々も大概」 「誰が主人公だか分かりませんね」 「まったくだ。ところで、宇宙人もの好きな人はもっと楽しめたんだろうなぁ。『E.T.』とか『X-ファイル』なんかの大ネタはさすがに分かったけれど、小ネタも沢山仕込まれていた様子。分からないから笑えなかったのが残念」 「そういう細かいネタまで気にし出すと、映画を楽しめなくなりません?」 「そだね。分からないネタはさらっと流して、笑って観ていたいよね」 「ですね」

雪解け

『ティンカー・ベルと輝く羽の秘密 (原題: "Secret of the Wings")』を観た。 前作 は人間の世界〈メインランド〉が舞台だったけれど、本作では妖精の谷〈ピクシー・ホロウ〉に戻ってきた。 ペリウィンクルという姉妹が存在したことにビックリ。 それはさておき、これまでトラブルメイカーとしての側面が目立っていたティンクだけれど、本作ではトラブルシューターとして活躍していたと思う。 前々作 では冷や冷やさせられたけれど、今回は何だか頼もしく見えた。 春、夏、秋、冬と季節が一巡りして、ティンクも一回り成長したってことかな。

ルウガルウ・ガール

「『きみとあさまでⅣ 〈上・下〉』を読んだよ」 「これにてこのシリーズも完結ですね」 「特典小説とは思えないボリュームだった。それから、思いがけず鈴木・孫一も出てきてびっくり」 「 境界線上のホライゾンまとめ@ウィキ によると鳥居・元忠さんと同郷だったんですね」 「そうだったんだ。このまとめ充実しているよなぁ。それはさておき、その元忠さんがこの巻でやってくれたよ!! しかしトーリたちはこの頃からこんなんだったんだなぁ、と」

Monster Farther

『モンスター・ホテル (原題: "Hotel Transylvania")』を観た。良い作品。 子供向けのCGアニメと見せかけて、本当のターゲットはその父親じゃないかな? パッケージでは娘のメイヴィスが一番手前に陣取っているけれど、主役はその後ろに控える父親のドラキュラ。 開始直後は、父親のドラキュラが物わかりの悪い堅物で、娘のメイヴィスがそれに反発してトラブルに巻き込まれるのかな? と想像していたけれど、その安易な想像は序盤であっさり裏切られた。そこからはあっと言う間で、振り返ってみれば父親が娘のために右往左往する物語だったと思う。 とにかくドラキュラが面白い。ガチガチの堅物で、重度の親バカで、そして、あのエンディング。やりたい放題だった。

Hey, Joe

「『G.I.ジョー (原題: "G.I. Joe: The Rise of Cobra")』を観たよ。夏に続編が出てニンジャが活躍するらしいので」 「続編は 『G.I.ジョー バック2リベンジ』 ですね」 「間違った感じのジャパンのニンジャとか面白くて好きなので、楽しみ」 「ブルース・ウィリスさんが出るみたいですね」 「先日観た『エクスペンダブルズ2』や『ダイ・ハード/ラスト・デイ』と言い、2年ほど前に見た 『RED』 といい、全く去る気配がないなぁ」 「と続編は楽しみなんだけれど、本作に限って言うと、ツッコミどころが満載」 「この手の映画を深く考えて観ちゃダメですよ」 「あるいはツッコミどころをあえて楽しむのもまた一興か」 「そう言えば、 『RED2』 夏に公開されるみたいですよ」 「本当だ。July 19って書いてある。これも面白そうやなぁ」

一本角・五本目

「『機動戦士ガンダムUC 5』を観たよ」 「今回は分かりましたか?」 「きっとおおよそ。 4 ではついていけなかったけれど、今回は大丈夫だった」 「それは何よりです」 「バナージがオードリーと合流。フル・フロンタルも登場したし6はどうなるのかなぁ」

殺しても死にそうにないのにうってつけの日

「『ダイ・ハード/ラスト・デイ (原題 "A Good Day to Die Hard")』を観たよ」 「先日観た 『エクスペンダブルズ2』 から、ブルース・ウィリスさん繋がりですか」 「それがなくても気になっていたし、Twitterアカウント @DieHard_JP も面白かったしね」 「で、どうでした?」 「アクションが派手で良かったよ。もっとマクレーンが愚痴ってても良かった気もするけれど。あと、ラストカットの輝きが忘れられない」 「ツイートでも言ってましたね」 「そこに行くまでの流れもあって、狙っているとしか思えん。ところで、マクレーンさんオープニングからトラブルに首突っ込み過ぎじゃなかろうか……。息子のためのとは言え」