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2月, 2017の投稿を表示しています

ファリンファリン洞窟には - ダンジョン飯 4

『ダンジョン飯 4』を読んだ。 炎竜が地下深くから登ってきたので、地下5階で速くも1巻で提示された目的=ファリンの復活を果たしてしまった。炎竜との戦いにページが割かれていたこともあり、4巻はこれまでになくシリアスな雰囲気だった。ダンジョンを味わい尽くすように、ゆっくり進むのかなと思っていたので、少し意外。 でも、物語はまだまだ続きそう。いかにも怪しげなダークエルフが、ダンジョンに姿を現す。彼女がダンジョンを作った狂乱の魔術師なんだろうか? マルシルが使った魔法の痕跡に気がついたし、ライオスが潜り込んだどの絵にもいたようだし。 ともあれ、これでファリンにも活躍の場ができそう。よかったよかった。次の表紙は彼女かな?

殺戮の理屈 - 魔神館事件 夏と少女とサツリク風景

ミステリィ小説『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』を読んだ。 久し振りにガッカリした作品だった。半分から三分の二を超えても、収束する気配を感じられなかったから、嫌な予感がしていた。残念ながらそれが当たってしまった。 本作が迷探偵・黒彦シリーズの1冊目であり、あと3冊 『天空高事件 放課後探偵とサツジン連鎖』 、 『露壜村事件 生き神少女とザンサツの夜』 、 『幻双城事件 仮面の王子と移動密室』 と続いていくのだけれど、追いかける気になれない。 意表を突けばよいというものじゃあるまいし、意表を突くアンチミステリィにしても、どうせやるならもっと趣向を凝らして、清涼院流水の作品くらい緻密にはっちゃけて欲しかった。 余談だけれど、本作の感想を調べていて 「壁本」 という言い回しを初めて知った。壁のごとく自立する本(京極夏彦とか川上稔とか)でもなく。積読するあまり壁を形作るようになった本のことでもない。

はーいよー - どうぶつビスケッツ×PPP/ようこそジャパリパークへ

アニメ『けものフレンズ』のオープニング曲『ようこそジャパリパークへ』を聴いている。ええそりゃあもう何回も。何回リピート再生していることか。 歌声も音色も多彩で、にぎやかで、たーのしー! そんななか、フェネックちゃんの力の抜けた声がいい味を出している。今 (第7話まで) のところ、登場回数多いものの時間は長くない。かばんちゃんとサーバルに追いついたら、出番増えるかな? 人気が出たおかげか、知識がある人の熱のこもった紹介が読めるのも楽しい。自分は音楽について素養も教養も才能もないから、ほとんど理解できていないのだけれど。 アニメ『けものフレンズ』は OP 曲「ようこそジャパリパークへ」もすごーい! たーのしー! けものフレンズOP『ようこそジャパリパークへ』コード進行とメロディと感想 - 迫りくる犬

創痍の相違 - 傷だらけのカミーユ

『傷だらけのカミーユ』を読んだ。 『悲しみのイレーヌ』 、 『その女アレックス』 に続く三部作の完結篇。 最初に『その女アレックス』を読んだときは、そんなに好みには思わなかったけれど、そこで追うことを止めずに『悲しみのイレーヌ』そして本作と読み進めてきてよかった。 Amazonのレビュー数を見ると、『その女アレックス』だけを読んでいる人も相当数いるように見えて、余計なお世話なんだろうけれど勿体ないとさえ思ってしまう。 すっかりカミーユに入れ込んでしまっている自分がいる。本シリーズはミステリィであるのはもちろん、カミーユが、女性達―イレーヌ、アレックス、本作のアンヌにそれからシリーズを通してときおり思い起こされる母モーにたいして抱える葛藤の物語でもあったように思う。 それだけにシリーズを重ねるごとに傷を増やしていくカミーユが居たたまれない。ラストでは、(ネタバレ防止のために自粛 )が募る。

paranoid parasites' paradise - ネオ寄生獣

『寄生獣』のアンソロジーコミック『ネオ寄生獣』を読んだ。 この2篇がよかった。『寄生獣』の世界を広げてくる。短篇だけれど、読後の満足感も高い。 『由良の門(と)を』萩尾望都 『変わりもの』熊倉隆敏 『寄生獣』設定を借りて、作者の作品や芸風に持ち込んだタイプの作品は、ちょっと苦手。『寄生獣』の世界ではなくて、同じ設定を使い回した別作品に見えてしまい、抵抗を感じる。 こういうコラボレーションをおもしろがる人もいるけれど、自分はそれなりに保守的なんだろうなあ。 もうずっと昔に読んだきりの原作を読み返したくなってくる。

犬猿 - Visions

SFアンソロジー『Visions』を読んだ。 お目当ては円城塔の「リアルタイムラジオ」。ハッシュ関数やブロックチェーンを下敷きにした、不思議な世界が広がっていた。と思う。例のごとく概念的でイメージしづらい。そこがいいのだけれど。 個人的にタイムリーだったのが、長谷敏司の「震える犬」。ちょうど 『人体 失敗の進化史』 を読んだところだったので。知性や感情の発生について、いろいろと考えてしまう。人間のそれって、自分たちが思っているほど、進化したものじゃないんじゃないかって。

uncontrollable fire - Man with a Mission/The World's on Fire

Man with a Missionの"The World's on Fire"を聴いている。 『鉄血のオルフェンズ』1期のオープニング『Raise your flag』をまた聴きたくなって。 『Raise your flag』だけをiTunes Storeで買うのも簡単だけれど、これを入り口にアルバムを聴いてみようかと思って (実はSummer Sonic 2011に出演したときにライブを見ている。狼のマスクで思いだした。Beach Stageで狼のマスクが熱そうだと思ったのを覚えている)。 アルバムだと他にどんな曲があるか聴けて楽しい。知ったキッカケとなった曲を収録するアルバムが発売されるタイミングによっては、そのまま忘れ去ってしまうこともあるけれど。でも、間が空いちゃってもそれでもこうしてふと思い出すこともあるので、衝動買いを防ぐフィルタとして機能しているとも言えるか。 『Raise your flag』はもちろんよいのだけれど、12曲目の『Out of control』もアグレッシブでいい感じ (ちなみに 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 の日本版エンディング)。

上がっているのか下がっているのか - 螺旋のエンペロイダー Spin4.

『螺旋のエンペロイダー Spin4.』を読んだ。これにて本シリーズは完結。 なのだけれど、才牙虚宇介はこのあともどこかで登場しそう。このシリーズ、〈ビートのディシプリン〉や〈ワルプルギスの後悔〉と似た位置付けに見える。あるいは、登場して欲しい、という希望がある。ただ、最終的にあの○○○○○○○さえ相手にならない地点まで到達してしまっているので、手に余りそうだけれど。 皇帝もどき(エンペロイダー)でも皇帝でも王でも支配者でも、呼び方はどうあれ、最上位の地位にいるって、どんな気分なんだろう。階級構造がピラミッド状なら、地位が向上すればするほど、同じ立場の人が減っていくわけで、最上ともなるとただ一人。 ある種の人でなしさが必要そうだという話は聞くけれど [1] 。 [1] 企業経営者には強いサイコパス気質がある | 読書 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

一式一色逸し機 - 意識はいつ生まれるのか

『意識はいつ生まれるのか』を読んだ。 タイトルに掲げられている問いは哲学的に見えるけれど、筆者の関心は倫理および意識の問題。 反応できないだけで意識はあるのに、誰にも意識があるとは思われていない。そんな状態になったら、と想像するだけで、孤独感が押し寄せてくる。あるいは、意識がないものと思って接していた相手に、実はずっと意識があったとしたら? こちらも想像するだに恐ろしい。 でも、それは起こり得るし、実際に起こっている――意識はある閉じ込め(ロックトイン)症候群が意識がない植物状態と取り違えられていると推測されている。しかもこの二つの状態の間には、最小意識状態というさらに微妙な問題が横たわっている。意識はあるかなしかの0/1ではない。寝ぼけているときや、熱にうなされているときのように、ハッキリとはしないときもある。 本書で紹介されるのは、この問題に取り組むための道具「統合情報理論」。その基本的な命題はこうだ。 ある身体システムは、情報を統合する能力があれば、意識がある。 詳しく知りたい人には本書を読んでもらうとして、この理論は使えるのがすばらしい。意識の単位Φとそれを計算するためのモデルを備えている。実際、(完全ではないらしいけれど)計測機器を作って、臨床試験もしているとのこと。 ところで、この「統合情報理論」が意識の良いモデルならば、人工知能のフレーム問題は意識をシミュレートするうえで避けては通れないように思える。というのも、「統合情報理論」の第一の公理によれば、統合するのがフィルタされた少量の情報では、意識は生まれない。 意識の経験は、豊富な情報量に支えられている。つまり、ある意識の経験というのは、無数の他の可能性を、独特の情報で排除したうえで、成り立っている。いいかえれば、意識は、無数の可能性のレパートリーに支えられている、ということだ。 このフィルタリングを意識はどう処理しているんだろうなあ。体を意識しないで動かしているのは、小脳と基底核が処理しているとのことだけれど、それだけじゃないもんなあ。チャンネルごとには信号処理かけるとしても、統合しないといけないんだよなあ。たとえば、この間読んだ 『音とことばのふしぎな世界――メイド声から英語の達人まで』 で紹介されていた実験によると、同じ音でも口の動きによって違って聞こえるらしいし。

count down - Perfume/Cosmic Explorer

Perfumeの5枚目のスタジオアルバム『Cosmic Explorer』を聴いている。 前作 『LEVEL 3』 よりインストゥルメンタル色が濃くなっていて嬉しい。 4曲目の"Next Stage with You"や5曲目の"Story"なんかが好み。"Story"はちょっとダブステップ入っているかも。

進化の過信 - 人体 失敗の進化史

『人体 失敗の進化史』を読んだ。 「失敗」というと言葉が強くて、「試行錯誤」といった方がしっくりくる内容だった。動物の解剖から得られた情報から、進化の過程で環境に適応するために様々な器官が転用されてきたという話が繰り広げられる。乱暴に言えば、場当たり的に有りものでどうにか遣り繰りしてきた成れの果てが、今生き延びている生物なのかもしれない。 本書を読んでいて、進化の歴史は敗者の歴史なのかもしれないとふと思った。というのも次のようなシナリオをイメージしたから。 ある種が生存競争で優位に立って増える その種内ので競争が激しくなる 種内での生存競争から一部の集団が離脱する 離脱した先の環境に適応する 敗者かどうかはさておいても、環境が変化することより、違う環境に移動することの方が多そうな気はする。

友達と過ごす時が経ち - パーフェクトフレンド

『パーフェクトフレンド』を読んだ。 理桜(りざくら)、さなか、ややや、 トム 柊子の4人が友達になるお話。 『けものフレンズ』にハマっているところなので、「すごーい! キミたちはカンペキなフレンズなんだね!」とか思ってしまった。もちろん、まったくの無関係。 ありえそうなレベルで頭がよくてませている理桜と、規格外の天才で情緒に欠いている(割に理桜の神経を逆なでするのには長けた)さなかの遣り取りが楽しくて、頬が緩む。 もちろん、それだけじゃ終わらないだろうと予想はしていた。これまで 『[映] アムリタ』 、 『死なない生徒殺人事件』 、 『舞面真面とお面の女』 、 『小説家の作り方』 と読んできているので、それくらいは察しがつく。 それくらいしか、察しがつかなかった。あまりに突然な出来事に、半ば以上呆然としてしまった。さらに、そこからのどんでん返しで追い打ちを受け、最後にあの名前が出てきてトドメを刺された。 さあ、ついに次は『2』。これら5つの物語がどうまとまるか、ワクワクしている。

Reading Festival - R.O.D

『R.O.D』の既巻(第一~第十二巻)を読んだ。 タイトルの"R.O.D"は"Read Or Die"の頭文字。つまり、 彼女は今、二者択一を迫られていた。 買って帰ってから読むか!? 買い逃して死ぬ(ほど悔やむ)か!? READ OR DIE? READ OR DIE!? この「彼女」が本作の主人公である読子・リードマン。名が体を表している(と言うか、体を表す名を付けられている)。読んでの通り、活字中毒者。 大英図書館特殊工作部所属のエージェントで、「ザ・ペーパー」というコードネームを有している。その特殊能力は紙を操ること。「なぜ特殊工作部があるのが、大英図書館なのか?」とか、「紙を操るとはどういうことか?」とか、野暮なことを気にしてはいけない。この世界の鍵は本なのだ。 もう主要キャラクタが本好きというだけで得点高い。気になったのでそういう小説をピックアップしてみた。 ビブリア古書堂の事件手帳 バーナード嬢、曰く 本好きの下剋上 僕らはみんな河合荘 ダンタリアンの書架 ブックマートの金狼 倫敦千夜一夜物語

make - 小説家の作り方

『小説家の作り方』を読んだ。 タイトルが『小説家の育て方』でも『小説家になるには』でもなくて、『小説家の作り方』なのに引っかかりを覚えていた。 目の付けどころは的外れでこそなかったものの、物語は自分の貧しい想像より一回りも二回りも大きく広がった。 作中で生み出されようとしている「この世で一番面白い小説」、完成したのなら読んでみたいという気持ちはあるのだけれど、 『[映] アムリタ』 に出てきた映画を観るのと同じようなことになりそうだよなあ。恐いなあ。

書を買いに、町に出よう - 読書の腕前

『読書の腕前』を読んだ。 作者の読書に対する見方・考え方が書き連ねられている。 『忘れられる過去』 からの孫引きになってしまうけれど、この一節が響く。 「最初にふれているのだ。そのときは気づかない。二つめあたりにふれたとき、ふれたと感じるが、実はその前に、与えられているのだ。/読書とはいつも、そういうものである。」 こういうことがあるから、本を評価するのは簡単ではない。のめり込むように読んだけれど後に残らない本もあれば、読んだ直後はよくわからなかったけれどずっと後にふとした体験で記憶を呼びまされるような本もある。 ちょっと読み進めて、詰まらない/合わないと判断して放り投げてしまうのは、勿体ない。 (正直に言うと、最後まで読んで、後から思い出すこともない本も、あるけれど)

トンガリハット - とんがり帽子のアトリエ(1)

『とんがり帽子のアトリエ (1)』を読んだ。 ド直球のファンタジー。絵柄、物語、世界観――どれをとってもドストライクで堪らない。 主人公は、魔法使いに憧れる少女・ココ。幼い頃のお城のお祭りで魔法使いを名乗る男から魔法の絵本と杖を買って以来、魔法が好きで好きでたまらない。 作為と偶然が重なり発動させてしまった禁止魔法から助けてくれた魔法使い・キーフリーの弟子となるのだけれど、ココの目的とは別にキーフリーにはキーフリーの思惑がある様子。 幼いココに絵本と杖を売った魔法使いも彼女に執着しているようだし、ココには何か秘密があるのだろうなあ。

マネーフットボール - 電通とFIFA サッカーに群がる男たち

『電通とFIFA サッカーに群がる男たち』を読んだ。 電通と世界的なスポーツ大会という組合せでは、東京へオリンピックを招致する活動のなかで、不正なお金の遣り取りがあったのではないかというニュースもあった [1] 。 こういう後ろ暗い話があると、観戦中に脳裏をよぎって、素直に楽しめなくなってしまう。真っ当な方法で運用資金を稼ぎ出して欲しい。 そう言えば、先月、2026年のW杯で出場チームを増やすというニュースがあった [2] 。この変更で収益が約20パーセント増えて8,700億円ほどになるという。さらに大規模化すると運営面が不安になるけれど、大丈夫なんだろうか。 [1] Tokyo Olympics: €1.3m payment to secret account raises questions over 2020 Games | Sport | The Guardian [2] 2026年Wカップ出場枠拡大「32→48チーム」と、FIFAの思惑|WIRED.jp

円/球/平面

This work by SO_C is licensed under a CC BY-SA 4.0 . 蔦に絡みつかれるハンドル。 This work by SO_C is licensed under a CC BY-SA 4.0 . 用水路に浮かぶ真っ赤な風船。 This work by SO_C is licensed under a CC BY-SA 4.0 . 橋の裏。

みんながいる - 僕だけがいない街 9

「『僕だけがいない街 9』を読んだよ」 「前巻で完結じゃなかったんですね」 「完結だったよ。『9巻』はナンバリングこそされているけれど、内容は外伝だった」 「紹介文にもそうありまし [1] 、連載時は『僕だけがいない街 Re』だったみたいですね [2] 」 「うん。この巻の主人公は悟じゃない。彼の周囲に支えてきた人達」 「各話、それぞれ違う人の視点で描かれているんですね」 「小学校時代への〈リバイバル〉が始まってからというもの、登場の機会が減っていたバイト仲間・アイリと、多くを語っていなかった母・佐知子の視点が補間されたのがよかったなあ」 [1] コミック『僕だけがいない街』公式サイト で9巻は 本編に描き切れなかった悟と仲間の“絆"を描く著者渾身の『僕街』外伝! と紹介されている。 [2] 「僕だけがいない街 Re」作品情報|ヤングエース

足下を見る - サッカー ファンタジスタの科学

『サッカー ファンタジスタの科学』を読んだ。 サッカーを科学的な方法で分析しているのには違いないけれど、「ファンタジスタの科学」は言い過ぎだろう。そもそもファンタジスタなんて、定義が難しいうえに各選手それぞれの特長があるので、科学的な方法が向かないように思う。 それでもサッカーの科学には違いない。ボールを蹴るときの足の速さやトラップの仕組みのような、基本的なプレイに科学の光を当てている。それから、スパイクについても扱っている。 そのスパイクの設計についての章が新鮮だった。これまで履き心地の感覚だけで選んできたけれど、履き心地と性能とはトレードオフの関係にあるらしい。スパイクの話をもっと掘り下げて、1冊の本にして欲しいくらい。

桜・橋・珈琲 - 大横川の河津桜とMOTサテライト

木場から清澄白河にかけて、ブラブラしてきた。目当ては二つ。木場公園東の大横川に並ぶ河津桜と、東京都現代美術館 (MOT) がまちなかで開催している展覧会 『MOTサテライト』 。7箇所のMOTスペースを中心に、より小規模なMOTスポットにも小品が展示されている。 河津桜は、蕾ばかりだったり満開だったりもう葉が出ていたりと、いろいろな顔が楽しめた。 This work by SO_C is licensed under a CC BY-SA 4.0 . これはまだ蕾。 This work by SO_C is licensed under a CC BY-SA 4.0 . 開きかけ。 This work by SO_C is licensed under a CC BY-SA 4.0 . ほぼ満開。 「MOTサテライト」では、松江泰治という方の写真が好みだった。方眼紙のように撮影されたアパートを見て、 アンドレアス・グルスキー の「Paris, Montparnasse, 1993」を思い出したり。交差する川に架かる十字路型の橋の写真が素敵。気になったので、Google Mapで探してしまった。 「mi-ri meter」の展示もおもしろかった。こたつに入って清澄白河を紹介している本をパラパラとめくりながら、清澄白河に関するインタビュー映像を眺められる。外は寒いのでついついのんびりしてしまった。アートよりコーヒーの町として有名になっているという話を、あえてアートイベントで流していて懐が深い。でも、アートとコーヒーは相争うものでもないか。 一通り回ったあとは、MOTスポットにもなっている ARiSE Coffee Roasters でコーヒーを一杯。豆はドミニカをいただきました。イチゴの味がすると説明されたので、ちょっと冒険気分だったけれど、酸味がさわやかでおいしかった。至福。 ところで、お店に『ガールズ・パンツァー』の花器と『PSYCHO-PASS』のドミネーターが飾ってあったから、店長さんがアニメ好きなんだろうか。 ARiSE Coffee Entangleという名前のカフェもあるようなので、次はそちらに行って別の豆のを飲んでみようかな。向かいの深川図書館にも行きたいし (1年半越しに) 。

may men, my tour and oh men no honor- 舞面真面とお面の女

『舞面真面とお面の女』を読んだ。 『[映] アムリタ』 、 『死なない生徒殺人事件』 に続いて3冊目。これらに共通している型が見えてきた。ミステリィの形式に沿って進行して、最後に常識では測れないオチが着く。そろそろ次で外してくるかな? 外してこないにしても、文章のテンポがよいので、気持ち良く読めるので、飽きはしないだろうけれど。ちょいちょい挟まれる小ネタもおかしいし。本作だと熊さんがかわいらしい。 さて、次は『小説家の作り方』。どんな話なんだろうなあ。タイトルが『小説家の育て方』でも『小説家へのなり方』でもないのが気になるところ。

過去の音 - 西洋音楽論~クラシックに狂気を聴け~

『西洋音楽論~クラシックに狂気を聴け~』を読んだ。タイトルには「論」とあるけれど、西洋音楽について体系的に述べられているわけではない。書かれているのは、作曲家・指揮者である著者のクラシックについての洞察。 繰り返し主張されているのが、クラシックもアフタービート(アップビート、裏拍とも)だということ。つまり"1 and 2 and 3 and..."と数えるときの"and"を強調しているということ。自分の場合、『リズム天国』の「ウラオモテ」を思い出す。でも、音楽を聴いているときにそんなことまで気が回らないというのが正直なところではあるけれど。 その他だと、クラシックが作曲された当時は、今とは異なる解釈で演奏されていたのではないか? という話がおもしろかった。今となっては、どう足掻いても推測の域を脱することがはできないのだけれど。思えば、レコードが発明されてからまだ150年くらいしか経っていないのだよね。モーツァルトやベートーヴェンが生きていたのは、さらにその100年も前。クラシックの歴史って長いよなあ。

本当にいいものですねえ - [映] アムリタ

『[映] アムリタ』を読んだ。 『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』 を先に読んでしまっていたけれど、この本を楽しむのに支障はなかった。少なくとも、この2冊を読んだ時点ではつながりは見えてこない。というわけで、この作品単体での感想を書いておく。 題材が小説ではなくて映画というのがひねくれていてよかった。各メディアで題材にされるのはそのメディアであることが多い印象 (あくまで印象)。たとえば、小説だと小説家が主人公の『秘密の窓、秘密の二話』、漫画だと漫画家が主人公の『バクマン。』、映画だと俳優が主人公の『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。 でも、このあとには『小説家の作り方』も控えているんだよなあ。本作とはどういう関係になるのだろうか。今から楽しみだ。