「あれからおよそ一月半。ようやく桜の写真を整理したよ」
「やっと」
「では在りし日の桜を忍んで」
「花は散りましたが枯れていませんから。青々としていますから」
「ピンク」
「ホワイト」
「グリーン」
「三色団子」
「花が団子」
「二度、いや三度美味しい!」
「血色の五芒星」
「普通に喋ってください」
「…………」
「喋ってください」
「真下から」
「もう少し」
「斜め下からちょっと引いて」
「桜以外にもいろいろな木が入っていますね」
「この写真は、影の密度の違いが――」
「では次の写真をどうぞ」
「月に向かって」
「伸びる枝々」
「散る花弁」
🍡
「というわけで桜の写真でした」
「もうゴールデンウィークも終わったというのに。あ、でも北海道は今くらいが見頃なんでしたっけ?」
「え、早まった?」
「もう見せちゃったんだからいいじゃないですか」
「いいやまだまだ。動物の写真と無機物の写真へと続きくんで」
「再来月くらいですかね」
「あ、やっと終わったらまだあるのかって顔だ」