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この家……動くぞ! - 超動く家にて

『超動く家にて』を読んだ。『エクソダス症候群』などの著者の短篇集。これらハードな作品と違って、バカSFやバカミスのような作品がたくさん収録されている。

収録作品は以下の16作品。このうち読んだことがあるのは、『VISIONS』に収録されていた「アニマとエーファ」だけ。他は今回が初めて。
  • 「トランジスタ技術の圧縮」
  • 「文学部のこと」
  • 「アニマとエーファ」
  • 「今日泥棒」
  • 「エターナル・レガシー」
  • 「超動く家にて」
  • 「夜間飛行」
  • 「弥生の鯨」
  • 「法則」
  • 「ゲーマーズ・ゴースト」
  • 「犬か猫か?」
  • 「スモーク・オン・ザ・ウォーター」
  • 「エラリー・クイーン数」
  • 「かぎ括弧のようなもの」
  • 「クローム再襲撃」
  • 「星間野球」

表題作の「超動く家にて」が大のお気に入り。いい意味でこちらの期待を裏切り続けてくれる。その裏切り方からはナンセンスさが感じられなくて、心地よく笑える。そんな裏切りが息つく暇も無く繰り出されるのだから、堪らない。

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『ゴールデンカムイ 15』、『〃 16』を読んだ。16巻を読み始めてから、15巻を買ったものの読んでいなかったことに気がつく。Kindle版の予約注文ではままあること。 15巻は「スチェンカ・ナ・スチェンク」、「バーニャ(ロシア式蒸し風呂)」と男臭いことこのうえなし。軽くWebで調べてみたところ、スチェンカ・ナ・スチェンク (Стенка на стенку) はロシアの祭事マースレニツァで行われる行事のようだ[1]。それなりになじみ深いものらしく、この行事をタイトルに据えたフォークメタルStenka Na StenkuのMVが見つかった。 16巻では杉元一行は巡業中のサーカスに参加することになる。杉元と鯉登の維持の張り合いが、見ていて微笑ましい。鯉登は目的を見失っているようだが、杉元もスチェンカで我を失っていたので、どっこいどっこいか。なお、サーカス/大道芸を通じた日露のつながりは、実際にもこのような形だったようだ[2]。 個々のエピソードから視線を上げて、全体の構図を眺めてみると、各勢力がすっかり入り乱れている。アシㇼパは尾形、キロランケ、白石とともにアチャの足跡を辿り、そのあとを鶴見のもとで家永の治療を受けた杉元が鯉登、月島を追っている。今更だけれど、杉元やアシㇼパは、第七師団と完全に利害が衝突していると考えていないはずだった。一方で、土方一味も入墨人皮を継続。むしろ彼らの方が第七師団との対立が深刻だろう。さらに北上するキロランケはまた別の目的で動いているようだけれど、なんで尾形も一緒なんだっけ? 『進撃の巨人』に引き続き、これもそろそろ読み返す時期か。 [1] 5つの暴力的な伝統:スラヴ戦士のようにマースレニツァを祝おう - ロシア・ビヨンド [2] ボリショイサーカスの源流は、ロシアに渡った幕末日本の大道芸人たちにあった 脈々と息づく「クールジャパン」 | ハフポスト

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