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ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所、〃長く暗い魂のティータイム

『ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所』と『〃長く暗い魂のティータイム』を読んだ。

巻を重ねたらペシミスティックな雰囲気になっていた。『銀河ヒッチハイクガイド』シリーズと同じ傾向。自分は1冊目の方が好み。つながりが不明なまま同時進行していく自体が、終盤にあれよあれよと収束していく展開が気持ちいい。ダークも飄々としていて魅力的。文句なしに楽しめた。

2冊目は全体的に暗いトーンで覆われていて、どうもあっけらかんと笑えない。黒幕の退場の仕方なんかは不意を突かれて笑ってしまったけれど。あとダークが事態に振り回されている印象が濃いのも自分にとってはマイナス。全体論的探偵らしく部分を構成する事態に巻き込まれているばかりではなくて、関連を増やして事態をややこしくするくらいのことをもっとして欲しかった。

小説はこの2冊なので、今はドラマシリーズ『ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所』に手を出し始めたところ。原作とは異なる話が展開していて、1話を見た限りでは、何がどうなっているのやらサッパリ。でも原作を踏まえたセリフやシーンにニヤリとしたり、突拍子もない展開に呆気にとられたり、と部分は部分で楽しい。

無謀にも大筋を予想すると、自分や家族のことだけで首が回らないトッドと気になる問題に片っ端から首を突っ込むダークが対照的なので、トッドがダークに友情を感じたあたりでダークが台無しにしてシーズン2へ‼︎ みたいになるのではないかと踏んでいる。

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『ゴールデンカムイ 15』、『〃 16』を読んだ。16巻を読み始めてから、15巻を買ったものの読んでいなかったことに気がつく。Kindle版の予約注文ではままあること。 15巻は「スチェンカ・ナ・スチェンク」、「バーニャ(ロシア式蒸し風呂)」と男臭いことこのうえなし。軽くWebで調べてみたところ、スチェンカ・ナ・スチェンク (Стенка на стенку) はロシアの祭事マースレニツァで行われる行事のようだ[1]。それなりになじみ深いものらしく、この行事をタイトルに据えたフォークメタルStenka Na StenkuのMVが見つかった。 16巻では杉元一行は巡業中のサーカスに参加することになる。杉元と鯉登の維持の張り合いが、見ていて微笑ましい。鯉登は目的を見失っているようだが、杉元もスチェンカで我を失っていたので、どっこいどっこいか。なお、サーカス/大道芸を通じた日露のつながりは、実際にもこのような形だったようだ[2]。 個々のエピソードから視線を上げて、全体の構図を眺めてみると、各勢力がすっかり入り乱れている。アシㇼパは尾形、キロランケ、白石とともにアチャの足跡を辿り、そのあとを鶴見のもとで家永の治療を受けた杉元が鯉登、月島を追っている。今更だけれど、杉元やアシㇼパは、第七師団と完全に利害が衝突していると考えていないはずだった。一方で、土方一味も入墨人皮を継続。むしろ彼らの方が第七師団との対立が深刻だろう。さらに北上するキロランケはまた別の目的で動いているようだけれど、なんで尾形も一緒なんだっけ? 『進撃の巨人』に引き続き、これもそろそろ読み返す時期か。 [1] 5つの暴力的な伝統:スラヴ戦士のようにマースレニツァを祝おう - ロシア・ビヨンド [2] ボリショイサーカスの源流は、ロシアに渡った幕末日本の大道芸人たちにあった 脈々と息づく「クールジャパン」 | ハフポスト

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