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Hey! - ゴーストバスターズ (リブート版)

『ゴーストバスターズ』(原題 “Ghostbusters”) を見た。

昔の方がおもしろかったような。とは思うが、ハッキリ覚えているわけでもない。思い出補正?

ともあれ、序盤から展開の粗さが悪目立ちしてノリが合わなかった。気になったところを書き出してみる。

まず、主人公エリンの危機感・真剣味のなさ。コメディ映画ではあるものの、科学者なんだから未知の事象に対する慎重さも描いて欲しかった。幽霊を目の当たりにしてからキャラ変わり過ぎじゃないか。

次に、政府の秘密組織の影の薄さ。素人が関わるのを傍観して、死者が出た結果に、なんの言及もない。ゴーストバスターズサイドからも何も追求されない。あとニューヨークの危機に現れたりもしない。

それから、メンバー唯一の男性ケヴィン。目の保養のために採用されて、なんの役にも立っていない。とぼけたキャラにしても、もう少し憎めなさを演出して欲しかった。的外れに思えた発言がヒントになって突破口が開けるとか、彼のミスが結果的に幸運をもたらすとか。コメディ役を演じるクリス・ヘムズワースという意味では『マイティ・ソー バトルロイヤル』のソーはおもしろかったなあ。

最期に願望。RUN D.M.C.の"Gohstbusters"を使ってほしかった……。

楽しいシーンもあっただけに惜しい。特にジリアンがよかった。ゴーストの包囲網を二丁拳銃で突破するシーンとか、最後の長セリフとか。

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