今年読んだ本を数えるだけじゃなくて、何を読んだか振り返ってみた。全部ひっくるめると散漫としちゃいそうなので、ラベル〈小説〉に限定して印象的だった本を何冊かピックアップ。
まずはライトノベルの『這いよれ!ニャル子さん12』。2巻でマンネリと囁かれるほどのド安定振りだったけれど、ついに完結してしまった。漫画の『這いよれ! スーパーニャル子ちゃんタイム』も5巻で完結してしまった。満載のネタもさることながら、いつも自分に都合よく前向きで欲望に真っ直ぐなニャル子とクー子が楽しかったので、寂しくなる。
次は『ウは宇宙ヤバイのウ』。こちらもネタ満載だけれど、クトゥルフじゃなくてSFが素地。これでバカSFが面白がれることに気がついた。勢いで元ネタの一つであろう『銀河ヒッチハイクガイド』シリーズにも手を出した。今、2冊目の『宇宙の果てのレストラン』まで読んだところ。そろそろ次の『宇宙クリケット大戦争』を読もうかな。
対照的にいたってシリアスなSFであるテッド・チャンの作品はすごかった。今年6月に『SFマガジン700【海外編】』収録の『息吹』で初めて触れて衝撃だった。短編であんなに引き込まれたのは初めて。すぐさま、短編集『あなたの人生の物語』と『商人と錬金術師の門』が収録されている『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』を買う始末。もう容易に読める作品はないと思うと、読み急ぎ過ぎたと後悔が湧いてくる。
こうして振り返ってみると、ここ数年でミステリィからSFに嗜好がスライドしてきているのがよく分かる。特に、今年はミステリィミステリィした小説を読んでいない。ミステリィ要素は色々な作品で楽しめるからか。あるいは、Xシリーズの影響でミステリィ自体よりその構造に視線が向くようになってきたから、という気もする。
ともあれ、来年も面白い小説に出会えますように。
ともあれ、来年も面白い小説に出会えますように。