『20世紀のデザイン:グラフィックスタイルとタイポグラフィの100年史』を読んだ。100年史なんて大仰なサブタイトルがついているけれど、旅行先から送るハガキについてについての会話から着想を得たとのこと。詳しくは「〜からこんにちは Greetings from...」(p.109) 参照。解説文の量も少なくないけれど、当時の作品やフォントなんかを眺めているだけでも楽しい。 Netflixドキュメンタリー『アート・オブ・デザイン』で紹介されていたポーラ・シェアも登場していて (p. p.172-173, 202, 216)、1995年に彼女が制作したポスター「ブリンギン・ダ・ノイズ、ブリンギン・ダ・ファンク」が本書のトリを飾っている。 そのポスターの解説で「ロシア構成主義」というキーワードが使われていたので、本書冒頭の年表を遡ると1921に生まれて1934年まで人気が続いた運動とのこと。この運動を始めたデザイナの1人、アレクサンドル・ロトチェンコという方の「Knigi」 (邦題『レンギス あらゆる知識についての書籍』で知られているとのこと、p.73) に既視感があるとおもったら、Franks Ferdinandの2ndアルバム "You Could Have It So Much Better" のジャケットだ (2005年リリース)。 2000年にリリースされたThe Whitestripeの2nd アルバム "De Stijl" (デ・スティル) も同時期 (1917-1931) のデザイン運動に由来した名前なのがおもしろい。赤白黒の3色は構成主義をイメージさせるけれど、この3色は最初からバンドのイメージカラーとして打ち出しているから、また別か。 で、自分でも聞き覚えがあるバウハウスもこの時期 (1919-1933)。これらは影響を受けたり与えたりしたりしていたらしい。アウトプットだけ見ても、自分にはハッキリ区別できないレベル。 デュポンの「泉」がその思想の典型だと紹介されていいるダダも、並行している (1916-1931)。ただ「ビジュアルな様式というよりもむしろ態度である」ので、やっぱりアウトプットだけ見てもわからない。ちなみにその思想は「従来的な意図で芸術をつくり出すのではなく、芸術表現を用い