「身の回りの小物を探すのが楽しくなってきた。ハマりそう。というわけで写真を交えて。流行りのインスタ映え感を出すために、正方形で強めにレタッチしてみたぜ」
「インスタのアカウント放置して何をやっているでしょうか、この人は」
◇
「自らの蔦に絡むアスパラガス」
「正確にはアスパラガス・スマイラックスです」
「ツッコミそっちか」(ウロボロスの名前を出して欲しかった)」
「苔のときと同じ轍を踏まないよう気をつけてくださいね」
「あれは悲しい事故だった……」
「焦ると周りが見えなくなっちゃいますからね」
「苔と比べると、スマイラックスは変化が目に見えるのがおもしろいね」
「すっかり草食系ですね」
「食べません」
「失礼、ボタニカルでしたね。ええ、うっかり。もちろん知っていましたとも」
(冗談だったんだか照れ隠しなんだか)
◇
「グラスタンブラー。泡はデザインじゃなくて、炭酸水のね」
「チャチャとカヤンバのを爆発飛散させてしまいましたもんね……」
「ガラスが爆発なんかするか。破片は飛び散ったけれど……」
「こわ」
「薄い色が炭酸と相まって涼しげですね」
「持った感じも手にしっくり馴染むので、今度は落とさないぞっと」
(やっぱり引きずってる……)
◇
「最後の写真はマグカップ」
「あれ、いつ割ったんですか?」
「割ってまーせーんー」
「え、じゃあオチは?」
「いつからそんなに笑いに厳しく」
「冗談ですよ」
「見た目が好みなのと、かすかにざらざらした手触りが気持ちよくて増やしてしまった。」(目が笑っていなかったのは見なかったことにしつつ)
「内側は違う色なんですね」
「うん、紺色。滑らかで口あたりいいよ。ホットコーヒーを淹れて包むように持って飲むと、自然と落ち着ける」
「当たりでしたね」
「口あたりは店頭でも試せないから、指で苦手なののフィルタリングするのがせいぜいになっちゃう。一種の賭けだった」
「大袈裟な」
◇
「あと写真はないけれど、部屋の入り口付近にマットを置いてみたんけどな」
「玄関じゃなくて?」
「うん、廊下から部屋に入ったところ。理由はいくつかあるのだけれど、それはさておき」
「そのマットがどうしたんですか?」
「スペースの都合でタイルカーペット1枚を敷いてみたらな。茶色のフローリングの一角が緑の正方形になってマイクラの草ブロック」
「なるほどこちらがオチでしたか。」
(わざわざ言わないで)