Mars Gets PhotoBombed! - Full Lunar Eclipse - Explore #1 4/16/14 by Linda Tanner is licensed under a CC BY-NC-ND 2.0.
映画『オデッセイ (原題 "The Martian")』を観てきた。先日読んだSF小説『火星の人』が原作。
原作で見られた科学ウンチクが端折られていたのを残念に思う。一方で、貴重な尺を費やしてまで解説されていたとしら、退屈だったろうなとも思う。面倒臭いな、自分。
反対に映画化されてよかったことも。居住設備ハブや探査車ローバー、火星上昇機MAVが具体的なイメージとして見られたのはうれしい。漠然としたイメージが具体的になった。船長が持ち込んだディスコが聴けたのもいい演出だった。歌詞がいちいちシチュエーションを反映しているのがおかしい。原子力電池の発熱で暖を取っているところに"Hot Stuff"が流れてきたのには笑ってしまった。
どちらが好きかと言われれば、原作小説の方が好きだけれど、映画ならではの魅せ方があった。映画という映像メディアより小説という文字メディアを好んでいて小説贔屓になりがちだけれど、この映画化は幸福な出会いだ。原作にはなかったエピソードもらしかった。
というわけで作品に対しては文句はないのだけれど、邦題および日本の予告編に対して不満が……。
まず、邦題の魅力が薄い。本作に限って言えば、『火星の人』のままだと「火星人?」と疑問符とともに安っぽいイメージが浮かびそうな気もするから、変えたい気持ちも分からないでもないが、『オデッセイ』にしたところで何が伝わるのだろうか。せいぜい車が思い浮かぶくらいでは……。
それから予告編が詐欺。編集の域を逸脱している。まるでワトニーに妻子がいるかのように誤解させている (予告編の1:22~1:23での繋ぎ)。日本で多くの動員が見込めそう(と少なくとも編集する側は思っている)シーンをピックアップするだけならともかく、これはやり過ぎだろう。
実際のところ、動員を増やすのはどっちなんだろうね。A/Bテストをできないのかな。たとえば、予告編を2種類用意してどちらの予告編が掲載されている紹介記事からのチケット購入が多いか、データを取ってみるとか。