「『ビブリア古書堂の事件手帖4―栞子さんと二つの顔』を読んだよ。先に言っておくけれど、ドラマは全く観ていない」
「言われなくても、双司君はアニメとサッカーと映画くらいしか観ないことくらい、ツイート見ていれば分かります」
「目次に同じ作家の作品が並んでいたので『もしや』と思ったら、やっぱり長篇だったよ」
「長篇は初ですね」
「うん、一人の作家についてのエピソードが盛り沢山で、楽しめたよ。好きな作家なだけになおさらに興味津々」
「目次を見てピンと来る程度には読んでいた、ということですね」
「ところで、サブタイトルは『栞子さん〈と〉二つの顔』なんだよね。『栞子さん〈の〉』じゃなくて」
「これまでの3冊も、ずっとそうでしたよ」
「なぜか読み終わるまで〈の〉と勘違いしていて、栞子さんの裏の顔を想像してしまっていたよ」
「どんな想像していたんですか?」
「実は大英図書館特殊工作部のエージェント」
「それは『R.O.D』です」
「ですよねー。というわけで、二つの顔を持っているのは誰だったのか? 何てことを振り返っている。ダブルミーニングなのかな、と」