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無尽蔵無人戦

情報と戦争『情報と戦争』を読んだ。

情報化が戦争にもたらした変化や、当時の現状の解説が主。詳しくないので、歴史を辿り直すという意味では自分にとっては目新しかった。用語の解説も丁寧。すこし冗長過ぎるくらいかもしれない。

反対に、『ロボット兵士の戦争』で描かれているような将来的な話はあまり出てこない。日進月歩の分野だろうから、出版時期の影響もあるはず。この本が出たのが2006年で『ロボット兵士の戦争』の原著"Wired for War"が出た2009年。3年の開きがある。今から振り返れば7年と小学生が中学生にもなるくらい時間が過ぎ去っている。

現在は、『ロボット兵士の戦争』の世界がどんどん広がっている。アメリカの無人機(ドローン)がアフガニスタンやパキスタンの人を攻撃して、その違法性について国連が調査に乗り出すくらいに。
国連は、以前から違法性が指摘されている米国政府の標的殺害プログラムに対し、調査に乗り出すことを明らかにした。
国連、米空軍無人機による標的攻撃への調査を開始 « WIRED.jp
ドローンは、戦争を大きく変えてしまいつつあるんじゃないだろうか。いくら失っても、人的被害がゼロなのが大きい。これまでも、装備の差で一方が他方を圧倒することはあった。この本でもその例が紹介されている。けれど、いずれにせよ人が生死をかけていた。

まず、一方がドローン、一方が人という構図は著しく非対称だ。『ロボット兵士の戦争』が指摘するように、ドローンを持つ側が気軽に仕掛けるようになるかもしれない。さらに戦場の無人化が進んで、双方がドローンになったら、何が戦争を決着させるんだろう。

人が危険に晒されないのはいいことのはずなのに、この違和感は何なんだろう。

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