「あけましておめでとうございます」
「あけおめー、希さん」
「今年もよろしくお願いしますね」
「こちらこそ」
「それじゃあ、初詣に行きましょうか」
「巫女さんから砲撃されないように気をつけないと」
「それは極東――と言うか浅間神社――と言うか浅間・智さん限定ですよ、ズドンは」
「え、東方にも弾幕巫女が」
「そう言えば博麗神社にいらっしゃいますね」
「それから人間弾幕の使い手も」
「あ、春日神宮の」
「ほら、こんなに」
「分かりました。撃たれたら撃たれた時で」
「えー」
「どうせ撃たれるなら、破魔矢がいいですよね。縁起物ですので」
「いつの間にか撃たれる前提になってやしないか?」
「獅子舞だって噛まれると縁起が良いんですから、破魔矢もきっと撃たれた方が。『白羽の矢が立つ』というのも良い意味ですし」
「『白羽の矢』は今でこそ『抜擢』のような意味で使われているけれど、語源は生贄として選ばれることらしいよ……」
「あ、そうだったんですか。ちょうどいいですね。さぁ行きましょう」
「ひでぇ」