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パターンとテストと相談中

JUnit実践入門 ~体系的に学ぶユニットテストの技法 (WEB+DB PRESS plus)『JUnit実践入門』を読んだ。

ユニットテストと言えば、『アジャイルサムライ』で「問答無用で実践すべき」とされている4つの活動の一つ。
  • ユニットテスト
  • リファクタリング
  • テスト駆動開発
  • 継続的インテグレーション
実施してはいるけれど、書き方がJUnit3系だし、TDD のアンチパターンにものの見事に陥っていたので、JUnit4系でどう書くといいのか勉強しようと思って。

読んでみたら、入門からアドバンストな内容から演習まで入っていて、お腹一杯。『【Part 4 開発プロセスの改善】』ではテスト駆動開発だけじゃなくて、継続的テストや振る舞い駆動開発 (FDD, Feature Driven Development)の話まであった。

でも、まずはできるところから。まずはテストコードの整理から。今は、フラットに書かれていてテストクラス・テストメソッド一覧を見ても、何をテストしているか分かりにくい。

具体的には、テストクラスをコンテキスト(テスト対象の状態)ごとに構造化して、テストメソッドを以下の4フェーズをまとめることから始めていこう。
  1. 事前準備
  2. 実行
  3. 検証
  4. 後処理
あと、アンチパターンの小姑異邦人に陥らないように、検証フェーズに詰め込み過ぎないようしないと。

悩んでいるのが、テストメソッドの命名。思考停止してしまってアンチパターンの点呼そのものなんだけれど、この本がお薦めするように日本語でつけるのには抵抗がある。かと言って、メソッド名は英語でコメントが日本語訳というのも、メンテナンスされなくなりそう。メンバとの兼ね合いもあるから、ここでは結論が出ないか。

ところで、ちょっと気になったのが、誤植の多さ。サポートページを見て訂正しておかないと、混乱する記述がチラホラ。2012年11月21日発売で、2013年1月11日更新次点で11のエラッタが出ている。他にも1つ気がついたので報告しておいた。

ともあれ、内容は充実していた。まず、今までこれで良いのかな?と思いながらやっていたことを、良いこと/悪いことに整理できて良かった。それからこうしていこうという方向も見えた。アドバンストな内容はまずは演習から。ちょっとずつ良くしていこう。

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