『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)』を読んだ。堅くて複雑なのに面白い。
特に、第2章「イースター島に黄昏が訪れるとき」 。太平洋に浮かぶ、モアイで有名なその島の人工が激減し文明が崩壊していくプロセスを再現していく様は、とてもスリリング。
そうしたプロセスを再現できるのは、もちろんその島に関する深い調査のおかげでもあるんだけれど、それ以上に同時期に同じポリネシアが渡った多数の島の存在が大きい。
こうした島があるおかげで、"自然実験"すなわち比較対照できる。Webサービスなら好きなように条件を変えてA/Bテストできるけれど、文明はそうはいかない。だから、こういった島々が必要になる。
自然実験にせよ、A/Bテストのようなコントロールされた実験にせよ、比較するという姿勢は、とても信頼を増すし効果的だと思う。
先日、TED.comで見たエスター・デュフロ: 貧困に立ち向かう社会的実験では、たとえばマラリアを防ぐための蚊帳をどのように普及させると良いか、多数の村を対照にいろいろな普及のさせ方を試している。
人を対象にしているからか抵抗を覚えたけれど、今は、最も効果的なやり方が分からない場合、これが最善の次善かと思い直した。効果が最大の方法が分からない以上、机上の空論に時間を費やすより、甲乙つけがたい方法を全部試した方が、ベターなはず。どの方法だって程度の差こそあれ改善するという見込みなのだから。
以下、2011/11/20 追記
クーリエ・ジャポンの編集部ブログに、まさに最初に自分が感じた抵抗についての回答が掲載されていた。
特に、第2章「イースター島に黄昏が訪れるとき」 。太平洋に浮かぶ、モアイで有名なその島の人工が激減し文明が崩壊していくプロセスを再現していく様は、とてもスリリング。
そうしたプロセスを再現できるのは、もちろんその島に関する深い調査のおかげでもあるんだけれど、それ以上に同時期に同じポリネシアが渡った多数の島の存在が大きい。
こうした島があるおかげで、"自然実験"すなわち比較対照できる。Webサービスなら好きなように条件を変えてA/Bテストできるけれど、文明はそうはいかない。だから、こういった島々が必要になる。
自然実験にせよ、A/Bテストのようなコントロールされた実験にせよ、比較するという姿勢は、とても信頼を増すし効果的だと思う。
先日、TED.comで見たエスター・デュフロ: 貧困に立ち向かう社会的実験では、たとえばマラリアを防ぐための蚊帳をどのように普及させると良いか、多数の村を対照にいろいろな普及のさせ方を試している。
人を対象にしているからか抵抗を覚えたけれど、今は、最も効果的なやり方が分からない場合、これが最善の次善かと思い直した。効果が最大の方法が分からない以上、机上の空論に時間を費やすより、甲乙つけがたい方法を全部試した方が、ベターなはず。どの方法だって程度の差こそあれ改善するという見込みなのだから。
以下、2011/11/20 追記
クーリエ・ジャポンの編集部ブログに、まさに最初に自分が感じた抵抗についての回答が掲載されていた。
デュフロの研究について「貧しい人を実験の対象にするな」と文句をつける人もいるようですが、デュフロはこう言います。
「自分たちの援助がいい効果をもたらすのか、それとも悪い効果をもたらすのかも知らずに援助をすることのほうがよほど実験的ではないでしょうか」
実験を駆使して開発経済学を変えたエステル・デュフロ ? クーリエ・ジャポンの現場から(編集部ブログ)