『動きが心をつくる──身体心理学への招待』を読んだ。
本書は、脳科学だけでは心を理解できないのでは? という問題提起から始まる。そして別のアプローチとして、筆者の専門である身体心理学を紹介していく。
身体心理学では、心が動きを作るだけじゃなくて、動きも心を作るという前提に立つ。分かりやすい例は、深呼吸。大きく息を吸って吐くだけで、リラックスできた経験があるい人は多いんじゃないだろうか。
だけど、それも第6章までの話。
第7章以降は、根拠に乏しい持論の展開が続く。副題『身体心理学への招待』が示すような学問よりの内容を期待していたので、読み進めるのが辛かった。
後半の内容は理解・同意できない箇所が多かったけれど、動きが心に影響するというアプローチは面白いと思う。脳科学でも、手を動かそうという意図を意識する前に手が動いているという実験結果が、『単純な脳、複雑な「私」』(感想)で紹介されていたはず。実際、その著者はこんな風に書いている。
浦沢 直樹の『PLUTO 8』の感想でも書いたけれど、非人間は人間らしくならないと思う。人間らしさを押しつけるのは、暴力的だとも思う。
少なくとも感覚器が異なれば、世界が違って見えるんだから、違う世界観になるはずだ。
本書は、脳科学だけでは心を理解できないのでは? という問題提起から始まる。そして別のアプローチとして、筆者の専門である身体心理学を紹介していく。
身体心理学では、心が動きを作るだけじゃなくて、動きも心を作るという前提に立つ。分かりやすい例は、深呼吸。大きく息を吸って吐くだけで、リラックスできた経験があるい人は多いんじゃないだろうか。
だけど、それも第6章までの話。
第7章以降は、根拠に乏しい持論の展開が続く。副題『身体心理学への招待』が示すような学問よりの内容を期待していたので、読み進めるのが辛かった。
後半の内容は理解・同意できない箇所が多かったけれど、動きが心に影響するというアプローチは面白いと思う。脳科学でも、手を動かそうという意図を意識する前に手が動いているという実験結果が、『単純な脳、複雑な「私」』(感想)で紹介されていたはず。実際、その著者はこんな風に書いている。
心は全身に、あるいは周囲の環境に散在すると言った方が適切だと思うんだ。『アイの物語』(感想) でも、非人間型ロボット上の強いAIは、人間と異なる思考をすると描写されていた記憶がある。それから『レンズマン』シリーズでも、ナドレックらの非地球人は地球人と異質な思考をするとあった。
浦沢 直樹の『PLUTO 8』の感想でも書いたけれど、非人間は人間らしくならないと思う。人間らしさを押しつけるのは、暴力的だとも思う。
少なくとも感覚器が異なれば、世界が違って見えるんだから、違う世界観になるはずだ。