東京都美術館に行って『ムンク展―共鳴する魂の叫び』を見てきた。もう2ヶ月近く前の10月末のことだけれども。開催は1月20日まで。公式Webサイトのギャラリーが充実しているので、作品名からそちらにリンクしておく(いつまで残り続けるだろうか)。
ムンクと言えば《叫び》。《ムンクの叫び》とひとかたまりで記憶しているくらい。悲鳴のデフォルメ表現としてもまま見かけるけれど、中央に描かれている人が叫んでいるわけではない。描かれているのは、聞こえてくる叫びに対して耳を塞いでいるところ。と知った風な口を聞いたけれど、他の作品についてまったく知らなかったし、叫びに複数のバージョンがあることも知らなかった。
でも、一番印象的だったのは《叫び》ではなかった(混雑してゆっくり見られなかったというのもあるけれど、何より係員が前に進みながら観賞するよう声をかけていたのにイライラして文句を言っていた人の方が気になってしかたなかった。あとで思えば耳を塞ぐパフォーマンスでもしてやればよかった(そんな度胸はない))。
まず思い出すのが、晩年に描かれた《自画像、時計とベッドの間》。自作を背景に、時計(=時間経過=老い?)とベッド(=眠る場所=墓所?)に挟まれて、所在なげに立つ姿。半開きのドアの向こうには具体的なものは何も描かれて折らず、塗り込められている。死後に行く先? などと想像力が刺激される。現在の象徴から敷衍するのは、押しつけがましい気もするけれど。
次に思い出すのが《月明かり、浜辺の接吻》、《接吻》、《森の吸血鬼》。他にも同じ題材の作品が並んでいて、手法と抽象レベルを変えながら繰り返し制作しているのが見て取れる構成だった。満足することを知らない人だったのか、何かの帰結だったのか。
ムンクと言えば《叫び》。《ムンクの叫び》とひとかたまりで記憶しているくらい。悲鳴のデフォルメ表現としてもまま見かけるけれど、中央に描かれている人が叫んでいるわけではない。描かれているのは、聞こえてくる叫びに対して耳を塞いでいるところ。と知った風な口を聞いたけれど、他の作品についてまったく知らなかったし、叫びに複数のバージョンがあることも知らなかった。
でも、一番印象的だったのは《叫び》ではなかった(混雑してゆっくり見られなかったというのもあるけれど、何より係員が前に進みながら観賞するよう声をかけていたのにイライラして文句を言っていた人の方が気になってしかたなかった。あとで思えば耳を塞ぐパフォーマンスでもしてやればよかった(そんな度胸はない))。
まず思い出すのが、晩年に描かれた《自画像、時計とベッドの間》。自作を背景に、時計(=時間経過=老い?)とベッド(=眠る場所=墓所?)に挟まれて、所在なげに立つ姿。半開きのドアの向こうには具体的なものは何も描かれて折らず、塗り込められている。死後に行く先? などと想像力が刺激される。現在の象徴から敷衍するのは、押しつけがましい気もするけれど。
次に思い出すのが《月明かり、浜辺の接吻》、《接吻》、《森の吸血鬼》。他にも同じ題材の作品が並んでいて、手法と抽象レベルを変えながら繰り返し制作しているのが見て取れる構成だった。満足することを知らない人だったのか、何かの帰結だったのか。