「『女の子が死ぬ話』を読んだ。女の子が死んだ」
「何も言ってない」
「最近、こういうタイトルに惹かれるのかな」
「そう言えば、昨日は『さらわれたい女』の感想でしたね」
「うん。女の人がさらわれた」
「何も言ってない」
「タイトル詐欺が珍しくない昨今、」
「『死ねばいいのに』なんか、本棚で見かけてビックリしました」
「逆に意味が分からないのも惹かれるよね。『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』とか。肩透かし食らいそうで、なかなか読むに至らないけれど」
「話を戻しますけれど、『女の子が死ぬ話』はどうだったんですか?」
「どうもこういうやりきれない話は苦手」
「でも読んだんですね」
「なるべく一度読み始めた本は読みきるポリシーなので」
「殊勝なんだか、難儀なんだか」
「もし、やりきれない話が現実からなくなって、ファンタジーめいてきたら、こういう話が恋しくなるのかもなあ」