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殺し合いの頃合い - ジョン・ウィック:チャプター2

『ジョン・ウィック:チャプター2』(原題 ”John Wick: Chapter 2”) を観た。

前作に引き続きアクション――ガン・フーに容赦皆無。確実に敵の命と後顧の憂いを断つ。

今作は装備の変化がおもしろかった。前作は私怨による復讐だったので基本的に自前の装備で戦っていたので、ここで変化を付けてきたということか。

依頼を受けて(正確には、殺し屋組織の掟を守るため)の仕事では、組織のバックアップを受けてフル装備での戦い。拳銃だけでなく、ショットガンやアサルトライフルへと持ち替えながらの銃撃戦。アサルトライフルを無駄撃ちせずに的確に当てていくシーンが好き。

一方で、やはり組織に追われてほぼ孤立無援の状態にも陥る。そこから一丁の拳銃と七発の弾丸だけを携えて反撃開始。弾丸を節約するため潜入ミッションになるかと思いきや、敵を見るや躊躇いなく撃ち殺す。そして奪う。拳銃ごと奪ったり、(きっと互換性があるか同じ型の銃から)弾丸だけ奪ったりと描き分けが細かい。

既に次回作の企画も進んでいるとのこと。今から公開が待ち遠しい。物語の先が気になるというより、次はどんな戦いを見せてくれるのか? という期待。

ところで、腕を畳んだ拳銃の構え方、CAR System (Center Axis Relock Fighting System)っていう実在の構え方なのね(Twitterで感想を眺めていて知った)。変わった構え方だから、演出重視の構え方かと思っていた。ガン=カタという先例もあるし。実は合理的な構え方だったのか!!

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