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鎌も剣も - 激突のヘクセンナハト (2)

激突のヘクセンナハト II&lt激突のヘクセンナハト&gt (電撃コミックスNEXT)コミック『激突のヘクセンナハト (2)』を読んだ。小説を先に読もうと思っていたのだけれど、先に手元に来てしまったら、矢も楯もたまらず。発売日に日付が移ってしばらくしたら、配信してくるのだからKindleは恐ろしい。

コミックI巻は小説I巻1冊に対応しているけれど、コミックII巻は小説II巻の途中まで。おかげでコミックI巻よりずっと話を追いかけやすくなった。コミックII巻に比べると、コミックI巻はやはりカットし過ぎだった。

どこで終わるかというと、ランク2位メアリー・スーとのランクマッチ開始直後まで。前哨戦があったとはいえ、この巻のメインは人間関係か。満が鏡にデレたり、スーが鏡に因縁をつけたりする。このあとランクマッチが終結したとき、スーの思いがどう描かれるかコミックIII巻が待ち遠しい。

実はもう小説II巻を読み終えて、どんな幕引きか知ってしまっているのだけれど、幸か不幸かスーはサブキャラで、彼女の視点からは描かれていないことも多い。そのあたりも含めてコミックではどう描かれるか、想像が膨らむ。

胸中どんな思いを抱いていることやら。この世界で出会う前から鏡のことを知っているというだけで、不安が鎌首をもたげてくる。2人は別の世界で出会っていて、その世界は滅びているはずだからだ。異世界からやってきた勇者が救うのに失敗した世界の住人が、別の世界でその勇者と再会したのだ。折り悪く、故郷の世界を滅ぼした相手を今度こそ止めようと研鑽を重ねているところに、だ。そのうえかつては友人が「引くほど尊敬していた」というのだから。

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