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アーキテクチャの歩き方 - ソフトウェアシステムア-キテクチャ構築の原理 第2版

ソフトウェアシステムアーキテクチャ構築の原理 第2版 ITアーキテクトの決断を支えるアーキテクチャ思考法『ソフトウェアシステムア-キテクチャ構築の原理 第2版』を第一部だけ読んだ。

第一部までに書かれているのは、ソフトウェアアーキテクチャという概念の整理、それを設計するソフトウェアアーキテクトが果たす役割について。

エッセンスが図5-3「コンテキストにおけるアーキテクチャ定義とアーキテクト」にまとまっている。復習がてらGraphvizで描いてみた。


予備知識なしにこれを見てもどこから見ていけば分からないけれど、第1部まで読んだ今だと、各章の記載を思い起こすトリガになる。ビューポイントは関心事のうち機能的なのに、パースペクティブは横断的なのに対応するんだったなぁ、とか。

図には出てこないけれど、印象に残ったのはアーキテクトとして行う最も重要な判断。こんな風に書かれている。
あることが気をもむほど重要であるか、それとも、詳細設計局面まで安全かつ適切に放置して置けるか、つまり、アーキテクチャ的に重要かどうかの判断

懸案ばかり詳細化しようとしてしまって、他を放置しておけるかあまり考えていない気がする。それで別のリスクを見落としたり、もっとひどい時は重要さを無視して、できるところばかり進めてしまったりも。

ともあれ、曖昧模糊としていた「アーキテクチャ」という概念について、とっかかりが掴めて良かった。ほんの入り口だろうけれど。

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