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心身神侵 - レターズ/ヴァニシング (2)

レターズ/ヴァニシング (2) 精神侵食 (電撃文庫)『レターズ/ヴァニシング (2) 精神侵食』を読んだ。まず、続編が出たのが嬉しい。今回もハードでヘヴィ。グロテスクだけれど美しい。

前作の登場人物も出てくるけれど、主役だった虎風と姫晴の影は薄め。今作の中心は、新キャラクタの大地と亜季、千里、それから前作からは鵬珠と雪乃だった。

増えたのはキャラクタだけじゃない。前作で導入された〈世界言語〉とオフスプリオリの設定を土台に、さらにその上で人工臓器や人工知能の設定が展開される。アイデンティティの問題も大きく扱われていて、ハードSFの様相を呈している。

キャラの多さに比例して視点の切り替えが、設定の密度に起因して説明的な台詞が多い。その上、ミステリィ形式で終盤で一気に収束するから、中盤までワーキングメモリ不足に陥っていた。でも、不足しているなりに理解したいと思えていたのは、各キャラが世界を認識するフィルタと設定内容が解きがたく絡み合っているからだろう。

でも、やっぱり忘れていたことが多かったので、前作を読み返した上でもう一度読みたい。

ところで、こうしてシリーズ2作目を読んだ今だと、シリーズを通した主役は鵬珠なんじゃないかと思えてくる。各巻単体の主役はそれぞれ別に存在しているのだけれど、彼女だけが1, 2巻続けて事件の渦中にいて次第に変容(成長?)している。

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『ゴールデンカムイ 15』、『〃 16』を読んだ。16巻を読み始めてから、15巻を買ったものの読んでいなかったことに気がつく。Kindle版の予約注文ではままあること。 15巻は「スチェンカ・ナ・スチェンク」、「バーニャ(ロシア式蒸し風呂)」と男臭いことこのうえなし。軽くWebで調べてみたところ、スチェンカ・ナ・スチェンク (Стенка на стенку) はロシアの祭事マースレニツァで行われる行事のようだ[1]。それなりになじみ深いものらしく、この行事をタイトルに据えたフォークメタルStenka Na StenkuのMVが見つかった。 16巻では杉元一行は巡業中のサーカスに参加することになる。杉元と鯉登の維持の張り合いが、見ていて微笑ましい。鯉登は目的を見失っているようだが、杉元もスチェンカで我を失っていたので、どっこいどっこいか。なお、サーカス/大道芸を通じた日露のつながりは、実際にもこのような形だったようだ[2]。 個々のエピソードから視線を上げて、全体の構図を眺めてみると、各勢力がすっかり入り乱れている。アシㇼパは尾形、キロランケ、白石とともにアチャの足跡を辿り、そのあとを鶴見のもとで家永の治療を受けた杉元が鯉登、月島を追っている。今更だけれど、杉元やアシㇼパは、第七師団と完全に利害が衝突していると考えていないはずだった。一方で、土方一味も入墨人皮を継続。むしろ彼らの方が第七師団との対立が深刻だろう。さらに北上するキロランケはまた別の目的で動いているようだけれど、なんで尾形も一緒なんだっけ? 『進撃の巨人』に引き続き、これもそろそろ読み返す時期か。 [1] 5つの暴力的な伝統:スラヴ戦士のようにマースレニツァを祝おう - ロシア・ビヨンド [2] ボリショイサーカスの源流は、ロシアに渡った幕末日本の大道芸人たちにあった 脈々と息づく「クールジャパン」 | ハフポスト

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