「『スラムオンライン』を読んだよ」
「『神林長平トリビュート』で『狐と踊れ』が面白かった、と言っていた作家さんのですね」
「うん、この小説の題材は格闘ゲームだった。キャラクタに胃がいたらどうしようかと思ったけれど、そんなことはなかった」
「そんなことがあってたまりますか」
「格ゲー繋がりで『ソリッドファイター』を思い出すよ」
「ちなみに双司君は、格ゲーやってたんですか?」
「そんなに強くはないけれど、2D時代はそこそこ。ストIIから始まって、KOF95~97、サムスピ、月華の剣士、Vampire Savorってところかなぁ。3Dは軸がずれるのがストレスで。あと、当時は、何かポリゴンのキャラクタが好きになれなかったというのもある気が」
「結構やってますね」
「というわけで、練習モードでひたすら動かない相手にコンボを練習するシーンに納得してしまった」
「CPU相手ですらなくて?」
「うん、ですらなくて」
「対戦ゲームなのに?」
「うん」
「よく分かりませんねぇ。それ、面白いんですか?」
「面白くはないかなぁ。ま、スポーツの基礎練習のようなもの」
「そこまでするんですね」
「というような話が書かれていて面白かった」