『最新脳科学でわかった 五感の驚異』を読んだ。
『錯覚の科学』や統計に関する読み物を読んでいると、人間の感覚のあまりのあてにならなさに疑心暗鬼に陥るけれども、本書を読むと少なからず自信を取り戻せる。
本書では五感全てに加えて多感覚を扱っているけれど、聴覚に限って言えば『音楽の科学』に通じるものがある。
この手の本だと、『ぼくには数字が風景に見える』で描かれる共感覚やサヴァン症候群の話が全面に出ることが多く、実際、本書にもそうした例がいくつも挙げられるけれど、本書の主眼はそこではない。
本書の主題は、多くの人がそれと気づかないで、でも実はしっかり五感を活用しているということだと思う。それは、単に目でものを見ているとか、耳で音を聴いているとか、鼻で匂いを嗅いでいるとか、舌で食べ物を味わっているとか、手触りで触感を楽しんでいるというだけのことではない。
対象を知覚する際に、これらの感覚が複雑に絡み合っている(クロスモーダル)と言っている。分かりやすいのが、料理の味だと思う。舌で感じる味だけでなく、見た目にも香りにも食感にも音にも影響されている。こうした作用が、実は色んな感覚で働いているらしい。
もう少し感覚を信じてみよう、と思った。たとえ上手く説明できなくても。
『錯覚の科学』や統計に関する読み物を読んでいると、人間の感覚のあまりのあてにならなさに疑心暗鬼に陥るけれども、本書を読むと少なからず自信を取り戻せる。
本書では五感全てに加えて多感覚を扱っているけれど、聴覚に限って言えば『音楽の科学』に通じるものがある。
この手の本だと、『ぼくには数字が風景に見える』で描かれる共感覚やサヴァン症候群の話が全面に出ることが多く、実際、本書にもそうした例がいくつも挙げられるけれど、本書の主眼はそこではない。
本書の主題は、多くの人がそれと気づかないで、でも実はしっかり五感を活用しているということだと思う。それは、単に目でものを見ているとか、耳で音を聴いているとか、鼻で匂いを嗅いでいるとか、舌で食べ物を味わっているとか、手触りで触感を楽しんでいるというだけのことではない。
対象を知覚する際に、これらの感覚が複雑に絡み合っている(クロスモーダル)と言っている。分かりやすいのが、料理の味だと思う。舌で感じる味だけでなく、見た目にも香りにも食感にも音にも影響されている。こうした作用が、実は色んな感覚で働いているらしい。
もう少し感覚を信じてみよう、と思った。たとえ上手く説明できなくても。