「『僕だけがいない街7』を読んだ。この巻はあまり話が進まなかったなぁ……」
「双司君は、物語の追い方が性急過ぎですよ」
「再読した時なんか自分でもそう思う。初読でいかに読み飛ばしていたか、思い知ることがしばしば……。それでもやっぱり初読では飛ばしてしまうんだよなぁ。飛ばすつもりは微塵もないのだけれど」
「セルフコントロールが効いていませんね」
「でも、そうやって没頭できるのが一等楽しいんよ。そのうえ、再読したら発見があるだろうと確信めいた何かが読後に残って、しばらくしてから再読してみたら本当に発見があったりすると、それはもう堪らない」
「面倒臭いですね……」
「って観点で、7巻はおさらいめいていて再読したときの発見がなさそうなのが残念」
「終わってから振り返ってみると、ターニングポイントだったりするかもしれませんよ?」