「『ロンドンゾンビ紀行 (原題"Cockneys vs Zombies")』を観たよ。いやー、愉快」
「笑いながら観ていましたね」
「家だと遠慮無く笑えるからいいよね」
「そんなに笑うものですか? 時折スプラッタだったと思うんですが……」
「ま、作り物だからいいんじゃね?」
「そういう問題でしょうか」
「この映画の面白いところは、古式ゆかしい動きが遅いゾンビが相手ながら、それから逃げるのが精一杯というシチュエーションをうまく作り出したところ」
「どんなシチュエーションなんですか?」
「襲われるのが老人ホーム (正確には違う気がするけれど)。大半が足腰が悪い」
「…………」
「いやーシュールだった。じわじわとにじりよるゾンビから、必死に、けどのそのそと逃げる老人!!」
「最近のゾンビを走ったりしますからね。でも、それなら確かに遅いゾンビとも同じくらいのスピード――ってスピード感が全くありませんね」
「走ったりするだけでなく、一人称小説が書かれたり、対策マニュアルが出版されたりするよね」
「進化してますね」
「さて、話を戻そう。26秒以降とラストにご注目。果たして、彼の運命は!?」
「しかし、"There are zombies everywhere!"を、「後ろ、後ろ」って、ドリフかよ。いや、きっと分かってやってるんだろうなぁ」