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良いお年を

「2012年ももう終わりだね」

「今年1年お世話になりました」

「こちらこそ」

「今年はこれで255本目の投稿ですね」

「8bitだね」

「主に双司君の読書ノートと化しているこのブログですが、今年は123冊の本の感想を書いていますね」

「『読書』、『小説』、『新書』、『漫画』のどれかのラベルがついているやつな」

「分類基準についてはラベルについてをご参照ください」

「上下巻構成の本など1投稿で2冊以上の本の感想を書いていることがあるから、ラベルの数とは少しずれるけれど、ラベルごとに読んだ本の数はこんな案配に。Rのggplot2で描いてみた。『グラフィックスのためのRプログラミング ggplot2入門』を読んだわけだし」



「ソースコードがGistに投稿されてますけれど、カウントがハードコーディングされているのは……」

「うん。自分で数えた。1投稿1冊ならやりようもあったんだけれど」

「またアナログな」

「ともあれ、『小説』が69冊と次点『読書』の34冊の倍以上とぶっちぎりということがよく分かる。シリーズ物で一気に増えるからなぁ」

「今年読んだシリーズものですと、〈天冥の標〉だけで8冊、〈ミレニアム〉シリーズだけで6冊。このあたりで伸びていますね」
「特に〈天冥の標〉シリーズは読み始めたら止まらなくなって。逆に『読書』に含まれているプログラミング関連の本は、そんな風には読めない」

「サンプルコードを追ったり、手を動かしたりしながら、ですからね」

「うん。それに厚いのも多い。ページ数換算なら実は結構近いんじゃないかな」

「でも『小説』枠には〈境界線上のホライゾン〉シリーズという難敵が」

「V〈〉だけで千数百ページあるからな……」

「ざっと投稿を振り返ってみると、あまり人文系・思想系の本を読まなくなりましたね」

『正義のアイディア』とか『一般意志2.0』とか面白かったよ。でも、これらを読んでいると、いわゆる〈真理〉みたいなものが、どんどん胡散臭く感じられるようになってきて」

「そんなものですか」

「うん。どちらも社会的合意の難しさとその代替案について書かれている。というわけで、単純に楽しめる物語であったり、自分が手を動かす助けになる本だったりの方が、最近は好み」

「実際に手を動かさないと、身につかないですしね」

「そこで、プログラミング関係の細かい話をするためにLabを開設したり、GitHubアカウントを作ったりしたわけですよ」

「来年は読むばかりでなくて書いていこう、というわけですね。ってそうですよ、にもっと色々呟かせて下さいよ」

「とまぁ、今年はこのあたりで」

「さりげなく明言を避けましたね……。ともあれ、良いお年を」

「よい落としを」

「え、私がオチ担当ですか」

「誤変換だよ!!」

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北へ - ゴールデンカムイ 16

『ゴールデンカムイ 15』、『〃 16』を読んだ。16巻を読み始めてから、15巻を買ったものの読んでいなかったことに気がつく。Kindle版の予約注文ではままあること。 15巻は「スチェンカ・ナ・スチェンク」、「バーニャ(ロシア式蒸し風呂)」と男臭いことこのうえなし。軽くWebで調べてみたところ、スチェンカ・ナ・スチェンク (Стенка на стенку) はロシアの祭事マースレニツァで行われる行事のようだ[1]。それなりになじみ深いものらしく、この行事をタイトルに据えたフォークメタルStenka Na StenkuのMVが見つかった。 16巻では杉元一行は巡業中のサーカスに参加することになる。杉元と鯉登の維持の張り合いが、見ていて微笑ましい。鯉登は目的を見失っているようだが、杉元もスチェンカで我を失っていたので、どっこいどっこいか。なお、サーカス/大道芸を通じた日露のつながりは、実際にもこのような形だったようだ[2]。 個々のエピソードから視線を上げて、全体の構図を眺めてみると、各勢力がすっかり入り乱れている。アシㇼパは尾形、キロランケ、白石とともにアチャの足跡を辿り、そのあとを鶴見のもとで家永の治療を受けた杉元が鯉登、月島を追っている。今更だけれど、杉元やアシㇼパは、第七師団と完全に利害が衝突していると考えていないはずだった。一方で、土方一味も入墨人皮を継続。むしろ彼らの方が第七師団との対立が深刻だろう。さらに北上するキロランケはまた別の目的で動いているようだけれど、なんで尾形も一緒なんだっけ? 『進撃の巨人』に引き続き、これもそろそろ読み返す時期か。 [1] 5つの暴力的な伝統:スラヴ戦士のようにマースレニツァを祝おう - ロシア・ビヨンド [2] ボリショイサーカスの源流は、ロシアに渡った幕末日本の大道芸人たちにあった 脈々と息づく「クールジャパン」 | ハフポスト

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