「『グランド・ブダペスト・ホテル(原題: The Grand Budapest Hotel)』という映画を観てきたよ。おもちゃ箱みたいなかわいらしさを感じる映像が印象的だった」
「アメコミ原作でない映画は久し振りですね」
「独特の雰囲気が覆っていて新鮮だったよ。下世話な話やグロテスクな映像もあったのに、童話のような印象。不思議」
「ティム・バートンさんの作品のようなイメージでしょうか?」
「ものすごい大雑把に言えばそうかもしれない。でも、コミカルさが前に出ているところが大きく異なる」
「『コープス・ブライド』や『フランケン・ウィニー』なんか切ないですもんね」
「でも、コミカルな雰囲気だった割にエンディングがすっきりしなかった。それで、ちょっと収りの悪さを感じていたのだけれど、町山智浩が語る『グランド・ブダペスト・ホテル』の元ネタとテーマをよんでスッキリしたよ」
「主要登場人物のグスタフさんは、小説家シュテファン・ツヴァイクさんがモチーフだったんですね」
「スッキリしたところで、細かいところについて2つ。まず舞台となる架空の国の名前について」
「ズブロフカ共和国、ですね」
「ズブロフカ、と言えばポーランドのお酒ズブロッカ」
「この間飲んでいましたね」
「桜餅の香りがして面白い。話を戻すと、シュテファン・ツヴァイクが活躍したのが1930年代だったことを考えると、グランド・ブダペスト・ホテルが接収されるのはポーランド侵攻がらみだったんだろうか、とか」
「ちなみにブダベストはハンガリーの首都ですね」
「もう一つは映像のアスペクト比。1930年代のエピソードと1960年代のエピソードと現在のエピソードとで異なる」
「アニメ『キル・ラキル』で回想シーンが16:9ではなくて4:3になっていたのと同じ演出でしょうか」
「きっと。となると、映画のアスペクト比の変遷が気になってくるところ」
「検索してみましたよ。映画アスペクト比の変遷史(動画&全訳) : ギズモード・ジャパンなんかどうでしょうか?」
「へぇ、映画も最初は4:3から始まったんだ。ってか、映画が先か。1950年代に後発のテレビが4:3だったから、差別化のために映画がワイド化したって流れ、と。なるほどなるほど」
「そう言えば『月世界旅行』が4:3でしたね」
「ほんとだ、そんな昔の映画は観たことないと思ったけれど、観たことあった!!