
『SFマガジン700【海外編】』を読んだ。収録されている12篇は、どれもそれぞれ良かった。手元には各篇に対するメモがある。でも、その中で特に印象的だったのはこの4篇。
- 「対称(シンメトリー)」 グレッグ・イーガン
- 「ポータルズ・ノンストップ」 コニー・ウィリス
- 「小さき供物」 パオロ・バチガルピ
- 「息吹」 テッド・チャン
さらに強いて1篇だけを選ぶとしたら、「息吹」。30ページに満たず短篇としても短い方で、決して多くが語られているワケではない。なのに、読み終えた時には、とても大きな異世界が広がっていてその歴史について思いを巡らせていた。そこに至るまでも、とてもスリリング。最初は語り手について想像を巡らせ、次に語り手と一緒に謎に迫り、真実に思い至ったと思ったら!!
こうして振り返ってみると、改めてその凄さに気付かされる。震えてしまいそう。この12篇に限らずこれまで読んだ短篇の中でもトップクラスな気がしてきた。