スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

6月, 2014の投稿を表示しています

意気投合一気強盗 - バンク・ジョブ

『バンク・ジョブ (原題: "The Bank Job")』を観た。 多数の思惑が絡み合う様から、目を離せなかった。最後まで緊張が保たれていたと思う。多数の思惑がお互い見えないところで絡み合っているところで、『バッカーノ!』や『パルプ・フィクション』を連想する。 それにしても、「事実は小説より奇なり」とはよく言ったものだよなぁ、と思う。この物語は、1971年に実際に起こった事件に基づいているらしい。

五覚の覚悟 - 五覚堂の殺人

「『五覚堂の殺人』を読んだよ」 「 『眼球堂の殺人』、『双孔堂の殺人』 に続くシリーズ3作目ですね」 「うん。今回の数学的テーマはフラクタルだった。これまでで一番読みやすかったよつに思う」 「どうでしたか?」 「もうちょっと数学数学していてもよかったかなぁ。特に犯人像。良くも悪くも本格っぽかった」 「ネタバレを招きそうなので、深くはツッコミませんが」 「ところでこのシリーズの感想を検索しては読んでいると、森博嗣さんや綾辻行人さんの作品と比較されていることが多いんだけどさ」 「主人公の只人先生は犀川先生と同じ理系の研究者ですし、舞台はいつもとある建築家の設計ですからね」 「自分としては、QEDシリーズの高田崇史さんを連想してたんよ」 「パズル要素が最前列に飛び出していますからね」 「そうそう。このシリーズも、数学要素がもっと前に来ればいいのに。数式とかバンバン出してさ!!」 「読者が減ってしまいそうです」 「次から新たな強敵が現れそうなので期待」

吐息と生き - 『SFマガジン700【海外編】』

『SFマガジン700【海外編】』を読んだ。収録されている12篇は、どれもそれぞれ良かった。手元には各篇に対するメモがある。でも、その中で特に印象的だったのはこの4篇。 「対称(シンメトリー)」 グレッグ・イーガン 「ポータルズ・ノンストップ」 コニー・ウィリス 「小さき供物」 パオロ・バチガルピ 「息吹」 テッド・チャン さらに強いて1篇だけを選ぶとしたら、「息吹」。30ページに満たず短篇としても短い方で、決して多くが語られているワケではない。なのに、読み終えた時には、とても大きな異世界が広がっていてその歴史について思いを巡らせていた。そこに至るまでも、とてもスリリング。最初は語り手について想像を巡らせ、次に語り手と一緒に謎に迫り、真実に思い至ったと思ったら!! こうして振り返ってみると、改めてその凄さに気付かされる。震えてしまいそう。この12篇に限らずこれまで読んだ短篇の中でもトップクラスな気がしてきた。

Let's Party - Linkin Park/The Hunting Party

Linkin Park"The Hunting Party"を聴いている。 "Living Things" に続く6枚目のオリジナルアルバム。 電子音が目立った前作とは打って変わって、今回はパンクやエモ、メタルの要素が前面に。前々作"A Thousand Suns"もエレクトロだったのに、全然違う方向に突っ走っている。 これだけ違うと同じバンドのアルバムなのに、これまでの作品と比べ難い。初めて再生した時は、アルバムを間違えたかと思ったくらい。"No Surprise"じゃないよ、ビックリしたよ!! でも、そのまま突っ走るのかと思ったら、マイクのラップもある。アルバムとして見渡すと、インスト (M4, M10) を挟んできたり、コラボ曲 (M2, M3, M8, M10) で違う雰囲気になったりもする。終盤には聴かせるミディアム・バラード (M11) もある。そして、最後は6分超の大作が待ち構えていたりする。 油断ならない。

Not Dead - Linkin Park/Living Things

Linkin Parkの"Living Things"を聴いている。新作"The Hunting Party"を聴く前に、と思って。 前々作 (3rd) "Minute to Midnight"はどうも好きになれなくて、前作 (4th) "A Thousand Suns"は嫌いじゃなかったけれどちょっと難しかった。一番好きなのは2ndの"Meteora"。 そんな自分にとって、この"Living Things"はかなり好み。美しさと激しさが同居している。電子音が効いているのは前作あってのことだろう。 シャウトも復活してノイジーな電子音とぶつかり合うVictimizedを聴いていると、"The Downward Spiral"がふと脳裏をよる。 一方で直後のRoads Untraveledでは、終始響く鉄琴のような音色やギターとボーカルが絡み合って哀切が漂う。 37分と短めだけれど、特徴的な曲ばかりでかなりの高密度。

紫陽花祭事 - としまえんあじさい祭

「としまえんのあじさい祭に行ってきたよ」 「何とか見頃に間に合ってよかったですね」 「ほんと『何とか』だよ。17:00以降の入園は雨天中止だからね」 「朝は土砂降りでしたもんね」 「夕方までに止んでくれてよかった」 「紫陽花は梅雨時が綺麗ですから雨降りがちですよね」 「でも、雨のおかげで花びらが濡れていて、艶やかだったよ」 「雨上がりならではですね」 「一口に紫陽花といっても、色とりどりで素敵だったよ。こんな、ピンクとか」 「こちらは紫」 「それに、意外と形にもバリエーションがあるんだね。房になっているの、初めて見たよ」 「マスカットみたいですね」 「青は外せない」 「晴れた空の色のようで素敵ですよね」 「あ、蜘蛛発見!」 「虫がいたらとりあえず撮りますよね」 「虫以外でも撮るよ。ナメクジも撮った。改めて見たらちょっと気持ち悪かったからアップするの見送ったけれど……」 「塩撒いていいですか」 「俺に!?」 「イルミネーションも点灯していたんですね」 「18:00あたりからかなぁ。 光るトナカイ もいたのは場違い感が否めなかったけれど」 「きっとクリスマス用ですよね……」 「 フラミンゴ に至っては意味不明だ……」

Colorful Fish - すみだ水族館

「カエルに負けず劣らず魚もカラフルだよね。これなんかドイツっぽい」 「ボーダーですしね」 「こいつはキカイダー!!」 「色の分かれ目が正中線じゃないですけどね」 「ネオンテトラかな? 光っているから」 「これも構造色らしいです」 「こいつは赤白黄」 「何だかユーモラスな顔ですね。かわいいです」

夜は都会で- Vampire Weekend/Modern Vampires of the City

Vampire Weekendの"Modern Vampires of the City"を聴いている。 前作"Contra"のようなノリはややなりを潜め、ミドルテンポの曲が目立つ。 雰囲気の変わりようがBeckを思い出させる。"Midnite Vultures"から"Sea Change"への変化に似ているように思う。 このアルバム、インパクトはないんだけれど、ちょっと疲れた帰り道、何を聴くか迷った時に気が付くと選んでいる。すんなりと染み込んできて心地良い。

こうですか? - コーデックス

『コーデックス』を読み終えた。カバーに掲載されている書評が、本を巡る物語で『薔薇の名前』に並ぶ作品と評していたので、手に取らずにはいられなかった。 残念ながら、『薔薇の名前』ほどには面白くなかった。本に関する蘊蓄はそれなりに楽しめたけれど、それも『薔薇の名前』のように濃くはなくて、散りばめられている程度。 『薔薇の名前』と比べるのは酷としても、なるべくニュートラルに振り返っても、いまいち満足感がない。ゆっくりした序盤を越えて中盤に面白くなってきたと思ったら、終盤で冷めてきて結末にガッカリ。 特に終盤、肝の古書についての謎解きが唐突過ぎる。主人公が突然閃いたり、主人公が寝ている隣で解決されていたり、とついていけなかった。その割に大ネタという感じでもないので、サプライズも小さい。 うーん、「本についての物語」という題材で『薔薇の名前』と並べられていたから、本好き向けの小説かと思って読んだけれど、振り返ってみると違う気がする。そこまで本好きじゃないけれど小説は読む人向けの本好きの世界が垣間見える小説といった感じ。 『薔薇の名前』以外にも本についての本を読んでいるからか、いまいち食い足りなかった。 『古書の来歴』 とか 『ビブリア古書堂の事件手帖』 シリーズとか。

Good Days - The Offspring/Days Go By

The Offspringの"Days Go By"を聴いている。先行シングル"Days Go By"、"Cruising California"にグッと来なかった(特に後者で期待を失ってしまった)ので、聴いていなかったのだけれど、ふと思い出して。 あまり期待せず再生したら、1曲目で叩き起こされた。期待していた疾走感のあるオフスプ節が炸裂している。先行シングルに騙された気分。 前作"Rise And Fall, Rage And Grace"も悪くはなかったけれど、どこか手探りしている印象があった。それが今回はすっかり突き抜けている。聴いていて気持ちがいい。 かなり遅くなったけれど、やっぱり聴いてみて良かった。

雲散無勝 - フォグ・ハイダ

『フォグ・ハイダ』を読んだ。ヴォイド・シェイパ シリーズ4冊目。既刊は次の3冊。 『ヴォイド・シェイパ』 『ブラッド・スクーパ』 『スカル・ブレ-カ』 英語表記は"The Fog Hider"。〈霧隠〉ということだろうか。と来れば才蔵。つまり忍者。ということはナナシがフィーチャされるのだろうか、と憶測を重ねていた。 蓋を開けてみれば、ナナシに関する重要と思われる記述はあるものの、ゼンの出生など核心(に見える謎)に関しての言及はほとんどなかった。 ゼンが考え込んでいるようで考え込んでいないところが面白い。考える時と考えない時がハッキリと分かれていると言った方が正確か。命を懸けて斬り結んでいる最中に、思索を巡らせていては反応が遅れて殺されてしまう。 考えるのは、考えなくてもいいようにするため、と捉えることができる。考えたことを型にして身につければ、考えなくても効果が得られるようになる。じゃあ、だんだんと型が完璧に近づいて考えることが減っていくか、というとそうはならないだろう。相手も考えているから、相手も変わる。そうなると今まで有効だった考え方が、無効になったりかえって有害になったりする。 イタチごっこなのか切磋琢磨なのか。

明日のアスペクト - グランド・ブダペスト・ホテル

「『グランド・ブダペスト・ホテル(原題: The Grand Budapest Hotel)』という映画を観てきたよ。おもちゃ箱みたいなかわいらしさを感じる映像が印象的だった」 「アメコミ原作でない映画は久し振りですね」 「独特の雰囲気が覆っていて新鮮だったよ。下世話な話やグロテスクな映像もあったのに、童話のような印象。不思議」 「ティム・バートンさんの作品のようなイメージでしょうか?」 「ものすごい大雑把に言えばそうかもしれない。でも、コミカルさが前に出ているところが大きく異なる」 「『コープス・ブライド』や『フランケン・ウィニー』なんか切ないですもんね」 「でも、コミカルな雰囲気だった割にエンディングがすっきりしなかった。それで、ちょっと収りの悪さを感じていたのだけれど、 町山智浩が語る『グランド・ブダペスト・ホテル』の元ネタとテーマ をよんでスッキリしたよ」 「主要登場人物のグスタフさんは、小説家シュテファン・ツヴァイクさんがモチーフだったんですね」 「スッキリしたところで、細かいところについて2つ。まず舞台となる架空の国の名前について」 「ズブロフカ共和国、ですね」 「ズブロフカ、と言えばポーランドのお酒ズブロッカ」 「この間飲んでいましたね」 「桜餅の香りがして面白い。話を戻すと、シュテファン・ツヴァイクが活躍したのが1930年代だったことを考えると、グランド・ブダペスト・ホテルが接収されるのはポーランド侵攻がらみだったんだろうか、とか」 「ちなみにブダベストはハンガリーの首都ですね」 「もう一つは映像のアスペクト比。1930年代のエピソードと1960年代のエピソードと現在のエピソードとで異なる」 「アニメ『キル・ラキル』で回想シーンが16:9ではなくて4:3になっていたのと同じ演出でしょうか」 「きっと。となると、映画のアスペクト比の変遷が気になってくるところ」 「検索してみましたよ。 映画アスペクト比の変遷史(動画&全訳) : ギズモード・ジャパン なんかどうでしょうか?」 「へぇ、映画も最初は4:3から始まったんだ。ってか、映画が先か。1950年代に後発のテレビが4:3だったから、差別化のために映画がワイド化したって流れ、と。なるほどなるほど」 「そう言えば 『月世界旅行』 が4:3でしたね」 「ほんとだ、そん

支配者の端くれ - 螺旋のエンペロイダー Spin2.

「『螺旋のエンペロイダー Spin2.』を読んだよ。なかなか謎が減らない」 「まだ2巻じゃないですか」 「それもそうか。ところで、シリーズを貫くテーマであろう〈支配〉について少し考えたんだけれどさ」 「休んでいたんですね」 「下手の考えなのは否定しないが」 「茶化しておいてなんですが、どう考えたんですが?」 「支配欲って安心への欲望が行き着いた先なのかもね。他者が思い通りになるなら、害されることもない」 「もうちょっとアグレッシブじゃないですか? 積極的に自分の利になる行動を取らせることもできるんですから」 「自分一人の行動でさえ、悩んだり失敗したりするのに、他人の行動まで考えたくないよー」 「それはただの面倒臭がりでは?」 「そうかもねー」

切月過 - ストレンジムーン3

『ストレンジムーン3 夢達が眠る宝石箱』を読んだ。 あっと言う間ののシリーズ完結。この世界の物語をもっと読んでいたかった。続編『ブラックタイガームーン』の発売が待たれる [1] 。 でも、こんな風に食い足りないくらいの方が色々と想像の余地があっていいか、とも思う。そう言えば、前シリーズ『パラサイトムーン』も形式上は全6巻だけれど、物語としては1~3巻でまとまっていた。 ピースが揃っていない方が、何となく神話らしい。迷宮神群を巡る物語なので、これがいいのかもしれない。 羽矢多が納まるところに納まって良かった。一方、皓月にはもう少し違った形が用意されていて欲しかった。でも、そうしたらそうしたで張燕が納まらないだろうからなぁ。自衛のためだったろうとはいえ、恨みを買い過ぎた、ということかな。切ない。 リア充(玲音とクレア)は爆☆発していい。 [1] 『くろとらくん活躍の軌跡!』(※これまでのあらすじ)参照。

長布団 - 『境界線上のホライゾンVII〈下〉』

「『境界線上のホライゾンVII〈下〉』を読んだよ」 「今回も1000ページ超えの大ボリュームですね」 「Judge. 体積を感じる厚さだ」 「自立してくれてブックエンド要らずですね」 「この巻は長太とペタ子が印象的だった」 「直政さんは?」 「1000ページもあると、後半に差し掛かる頃には前半の話、忘れちゃうよね……」 「えー」 「長太を後押しする武蔵の面々が女性ばかりだったのは、梅組の気遣いだろうか」 「そうかもしれませんね。男同士だと張り合いがちですから」 「後押しするのはいいけれど、賢姉強過ぎだろう。役職ないのが不思議過ぎる」

乗り越えるエコール - Monster Hunter 4

「今日でMonster Hunter 4発売から9ヶ月。先日、ようやく勲章をコンプリートできました!!」 「闘技大会に一緒に挑んでくれた方のおかげだね」 「ええ、Sランク取得のための制限時間がタッグ前提で、私一人ではとても間に合いません」 「でも、闘技大会全クエストでSを取らないと勲章が揃わない、と」 「だから、本当にパートナーさんあってのコンプリートです。正直、諦めかけたこともありましたが、おかげでこうして乗り越えられました」 「ともあれ、これで旅団での狩猟生活も一区切りだね」 「ええ、でもまだまだ精進は怠りませんよー。秋には4Gが発売されますし」 「セーブデータもほぼ引き継げるようだしね」 「『ほぼ』がどこまでなのか気になるところです」 「ともあれ、改めておめでとう!! そして、闘技大会のパートナーさん、ありがとうございました!!」 「ありがとうございました」 「ところで3Gの闘技大会って結局どうなったん? たしか ラギアクルス亜種をヘビィボウガンでクリアできない って言っていたような」 「水中戦の話はしないで下さい……」

偽らざる逸話 - Jack White/Lazaretto

「Jack Whiteの"Lazaretto"を聴き始めたよ」 「"Blunderbuss"に続く2ndソロアルバムですね」 「今回もジャケットが青白黒になっていて格好良い」 「曲はどうですか?」 「"Blunderbuss"より歌い方がエモーショナルな印象。前作では肩の力が抜けた伸び伸びとしていた印象だけれど、今作は力強い声が印象的」 「特徴のある声ですよね」 「あと歪んだギターも健在」 「というわけで、タイトルナンバーの"Lazaretto"はこちら」 「モノクロなのにサイケデリックに感じるのが不思議」

イーゼー - Kasabian/48:13

「ついにKasabianの"48:13"が発売されたよ!!」 「配信直後に聴いて盛り上がっていましたね [1] 」 「ちょっとだけと思って聴き始めたら、夜中だというのにテンションが上がってしまって」 「ちゃんと寝ないと、抵抗力が落ちますよ [2] 」 「それくらい引き込まれるアルバムだったってことで」 「シングル曲"eez-eh"のPVが公開されているので、興味が湧いた方はぜひどうぞ」 「アルバムとして聴くとさらに格好いいよ!! しかし、もうアルバムも5枚目だというのに毎回やってくれるなぁ」 [1] Kasabian/48:13の第一印象 - Togetterまとめ [2] 『時間の分子生物学』 によると、断眠(睡眠を取り去ること)でもっとも障害を受けるのは免疫系とのこと。

ほんの少し本の虫 - 河合律

「『僕らはみんな河合荘』の律ちゃんを描いてみたよ」 「本好きなところがが双司君に似ていますよね、あとぼっちなところも」 「最後の一言余計じゃね?」 「そこは喜ぶところじゃないんですか?」 「そう、シロさんならね。って、iPhoneのCM風に言ってもこれっぽっちもクールじゃねえ!!」 「そのセリフ、CMで使われたことないらしいですね。よく似た言い回しは使われていますけれど [1] 」 「トリビア無視して話戻すけれど、確かに律ちゃん見ていると昔の自分を思い出さないでもない。実際、自分も結構な時間を一人で本読んで過ごしていたりしたし」 「ホント、本好きですよね」 「人の一十倍くらい好き」 「漢字クイズですか」 [1] 「そう、iPhoneならね」のCMは実在するのか? - Togetterまとめ

常軌展延 - 輝天炎上

『輝天炎上』を読み終えた。 『螺鈿迷宮』 の直接的な続編だと思う。でも、描かれているのは 『ケルベロスの肖像』 と同じ事件。『ケルベロスの肖像』では田口の視点で描かれていたけれど、本作では主に天馬の視点から描かれている。 『ケルベロスの肖像』より先にこちらを読んでいた方がどちらも楽しめたんじゃないか、と思う。『ケルベロスの肖像』ではえらくあっさり描かれていた事件の裏側が、こちらでは十分な紙幅を割いて描かれている。惜しいことをした。 あと、これらの作品は読んでおきたいところ。一通り読んだら『カレイドスコープの箱庭』も読もう。 『極北ラプソディー』(『極北クレイマー』の続編) 『ブレイズメス1990』(『ブラックペアン1988』の続編) 『スリジエセンター1991』(『ブラックペアン1988』の続編)

サボタージュ - ONE PIECE 74

「『ONE PIECE 74』を読んだよ」 「どうでした?」 「73でかかったエンジンがようやく本気を出し始めた感じ。展開が加速してきてますます面白くなってきたよ」 「それは重畳」 「頂上戦争の時に言ってくれよ」 「詮なきことです、今更」 「しかし、それにしても引っ張り過ぎじゃないかなぁ。73の最後で復活が示唆された彼の正体が、74巻を読み終えてもまだ明らかにされないのには悪い意味でビックリした」 「頂上戦争で亡くなったエースさんのメラメラの実を継ぐであろう、あの人ですよね」 「これだけ引っ張るんだから、すごい舞台を用意してくれているんだろうなぁ、とどんどんハードルを上げちゃっているから、いざ出てきたらガッカリしちゃわないかなぁ」 「分かっているなら期待値を下げたらいいじゃないですか」 「言うのは簡単だけれど、一度挙がってしまった期待値を下げるのは難しいよ」

そして誰がいなくなるのか - 僕だけがいない街4

「『僕だけがいない街4』を読んだよ。Kindle版もすぐに出てよかった!!」 「出なかったら生殺しですよねぇ」 「そうだよ、1~3巻はKindleで買っちゃったからね。4巻から紙ってのはちょっと嫌だから、もし出るの遅かったら、と考えるとゾッとしないわ」 「あとは完結までKindleがサービス継続してくれることを祈るのみですね」 「完結前にサービス停止されたら発狂ものだよ。もしするなら、別のサービスで読めるようにするか、紙の書籍を送って欲しいところ」 「話を戻しましょう。4巻はどうでした?」 「1988年で正義がなされたように見える。でも、不安が拭いきれない」 「まだまだ物語は続きますしね。きっと何かあるはずという予感がします」 「これだけ大きな変化を起こしてしまった以上、未来がどう変わっていたもおかしくないよな」 「 Steins;Gate で秋葉原から萌え文化がなくなってしまったように?」 「うん、そんな感じ。現在に戻ったら後悔に苛まれるようなことになっていないか、何だか不安だ」

羊質虎皮辻 - 天冥の標 VIII――ジャイアント・アーク PART1

「『天冥の標 VIII――ジャイアント・アーク PART1』を読んだよ」 「半年振りの新刊ですね」 「ついに物語が収束し始めたよ。それも急速に」 「どの巻と繋がってきたんですか?」 「全部と言えば全部なんだけれど、繋がりが強く見えた順に 『I』 、 『VI』 、 『VII』 、 『IV』 ってところ。特に、ついに『I』と繋がってきてますます面白くなってきたよ」 「深夜まで読みふけっていましたね」 「先が気になって気になって。でも、これ『PART I』だから、『VIII』としての物語はこれから。『PART II』はまだか!?」 「気が早いですよ……」 「もうフェオドールが心配で心配で」

本気になったのはミスティークだったな - X-Men: Days of Future Past

「『X-MEN: フューチャー&パスト (原題 "X-Men: Days of Future Past")』を観てきたよ」 「あれ、『ファイナル・ディシジョン』で完結していませんでしたっけ?」 「って触れ込みだったけれどね。それと 『ファースト・ジェネレーション』 の両方の続編って位置付けみたいだよ」 「 『ウルヴァリン: SAMURAI』 とは関係ないんですか?」 「もちろんウルヴァリンは登場するよ。でも繋がりがあるのは『SAMURAI』じゃなくて、 『X-MEN ZERO』 の方だった」 「シリーズ構成が複雑になってきましたね」 「今回は二つの時代が舞台だから余計にね」 「いつといつになるんですか?」 「『ファイナル・デシジョン』の先の時代と、『ファースト・ジェネレーション』よりは後で『X-MEN ZERO』より前の時代。ちなみに中心は過去の方だった」 「ということは、『ファースト・ジェネレーション』の後のチャールズさん(プロフェッサー)とエリックさん(マグニートー)が描かれるわけですね」 「うん。そこに未来からやってきたローガン(ウルヴァリン)が絡む感じ」 「他には誰が登場するんですか?」 「ハンク(ビースト)とレイヴン(ミスティーク)。特にレイヴンは重要なポジションを担ってる。でも『ファイナル・ディシジョン』の時といい報われない運命なのかなぁ」 「エリックさんが、苛烈過ぎる気もします」 「それでも憐れに見えなくて、むしろタフに見えて格好よかったなぁ」

Six駆使 - 第六ポンプ

「『第六ポンプ』を読んだよ」 「 『ねじまき少女』 と同じパオロ・バチガルピさんの作品ですね」 「こっちのが読みやすかったなあ」 「短篇集だからですかね?」 「それもあるかも。短い分、話がシンプルにまとまっている。『ねじまき少女』でこの人の描く世界に慣れたのもあるかもしれん」 「なかなか他で見かけない世界観ですよね」 「カロリー企業という現在の延長線上にあり得る側面と、足踏みコンピュータのようなレトロフューチャな側面が混在しているもんなぁ。そうそう、この短篇集にも『ねじまき少女』と舞台が同じ作品あったよ」 「『カロリーマン』と『イエローカードマン』がそうですね。他の短篇でも変わった世界が描かれていたりしたんですか?」 「その他だと『砂と灰の人々』で描かれている世界が異質だった。犬が物語のキーになっているので 『最後のウィネベーゴ』 を思い出したけれど、あまりにギャップが大きくて結末には動揺したよ……。でもこの世界だとこうなっちゃうのかな……」 「『ねじまき少女』もそうでしたが、それもあまり明るい未来が描かれているわけではなさそうですね……」 「でも、現代を舞台にしていてSF要素が何もない『やわらかく』なんかも収録されていたりもしたよ。これを読んで、作者の思い入れがあるのは、SFとしての世界観より人間の方なのかもなんて思ったりもした。他の作品もそういう視点で振り返ると、むしろそっちの方が面白いんじゃないか、って気もする」 「色々な見方ができるなら、読み甲斐がありますね」 「どちらにしろ暗いんだけどな……」

リトルGメン - nanoblock リトルグリーンメン

「リトルグリーンメンのnanoblockを買ってきたよ」 「 ディズニシーへ行ったとき のお土産ですね」 「結構値が張るから悩んだけれど……」 「そんなにするんですか?」 「一体1400円もしやがってな……。でもトーキョーディズニーリゾート限定だからつい。ああいう場所だと金銭感覚が狂っていかんな」 「レジャー施設や観光地は相場が上がりますよね」 「安かったら3体買って並べたのに!」 「そういう悩み方ですか……」