『BEATLESS』を読んだ。SF設定の読み応えもあるのだけれど物語の構成も上手くて、読み始めたらのめり込んでしまった。下巻を1日で読みきる始末。
テーマは人とモノ――主人公アラトとアンドロイド (作中の用語ではhEI: humanoid Interface Elements) のレイシアの関係だった。もう少し抽象化すると、人と人と区別がつかないモノとの関係について。
「区別が付かない」まではいかない現在では、下手に似ているとかえって反発を招くことが、不気味の谷として知られている。建物と結婚する人のニュースのことを考えると、人とは異なる外見の方が受け入れられやすいんじゃないか、とさえ思う。
あるいは、自分が欲望しない相手から欲望の対象にされていると思うと、嫌悪感が発生するからかもしれない。最近だと『人工知能学会誌 Vol.29』の表紙イラストが問題になった。人間どうしでもセクシャル・マイノリティの問題があるし、個人レベルでは「虫ずが走る」思いをすることもあるだろう。
人とロボットの関係という意味で『アイの物語』を思い出したけれど、オーナーであるアラトと自律しているように見えながらも使われるものであるレイシアの関係は『ヘルシング』の人間インテグラと吸血鬼アーカードの関係に近い。オーナーと道具として考えると、自由意志の所在が問題になる。「ハンマーを持つ人には、すべてが釘に見える」なんて警句が示すように、道具は思考を方向付ける。それに加え、hEIはアナログハック (人間の感情を引き出すことが) できる。
なんて難しいことも考えられるけれど、単純に高校生とロボット少女(バトルヒロイン)のボーイ・ミーツ・ガールものとしてもエンターテインしているので、肩肘張らず読めた。面白かったー。
テーマは人とモノ――主人公アラトとアンドロイド (作中の用語ではhEI: humanoid Interface Elements) のレイシアの関係だった。もう少し抽象化すると、人と人と区別がつかないモノとの関係について。
「区別が付かない」まではいかない現在では、下手に似ているとかえって反発を招くことが、不気味の谷として知られている。建物と結婚する人のニュースのことを考えると、人とは異なる外見の方が受け入れられやすいんじゃないか、とさえ思う。
あるいは、自分が欲望しない相手から欲望の対象にされていると思うと、嫌悪感が発生するからかもしれない。最近だと『人工知能学会誌 Vol.29』の表紙イラストが問題になった。人間どうしでもセクシャル・マイノリティの問題があるし、個人レベルでは「虫ずが走る」思いをすることもあるだろう。
人とロボットの関係という意味で『アイの物語』を思い出したけれど、オーナーであるアラトと自律しているように見えながらも使われるものであるレイシアの関係は『ヘルシング』の人間インテグラと吸血鬼アーカードの関係に近い。オーナーと道具として考えると、自由意志の所在が問題になる。「ハンマーを持つ人には、すべてが釘に見える」なんて警句が示すように、道具は思考を方向付ける。それに加え、hEIはアナログハック (人間の感情を引き出すことが) できる。
なんて難しいことも考えられるけれど、単純に高校生とロボット少女(バトルヒロイン)のボーイ・ミーツ・ガールものとしてもエンターテインしているので、肩肘張らず読めた。面白かったー。