「『西巷説百物語』を読んだよ」
「『巷説百物語』シリーズの5冊目ですね」
「うん。既刊は一応全部読んでいる。今回は『西』ということで舞台は、江戸から上方に」
「仕掛けをするのも、又市から林蔵に変わっていますね」
「これまでのシリーズより、話がこぢんまりとしているのが少し残念。ともあれ、こぢんまりとしているからこそ、『豆狸』は染みる話だったのだけれど」
「仕切り直しと見るかスピンアウトと見るか」
「『前巷説百物語』で仄めかされていた物語もあるので、仕切り直しであって欲しいな。このシリーズ好きなので、続いて欲しい」
「『これで終いの金比羅さん』なんですかね」
「その林蔵の締めのセリフが気になって、少し調べてみたら、『終い金比羅祭』というのが出てきた。これにかけているのかな」