「困っているけれど、笑顔。何かいいよな、と」
「どこがいいんですか?」
「何て言うか難しいけれど、誤ったんだけれど、許して貰えているんだな、という感じが」
「何か難しいこと言ってますね」
「もう少し言葉を重ねてみると、許さずに怒るでもなく、ただ単に誤りに気付かず笑っているでもなく、気がついているんだけれど、失笑するでもなく、苦笑している、そんな感じ」
「長いです」
「言えないから描いてみたいな、と思うわけで」
「言おうとしない方がいいんじゃないですか?」
「うん、喋り過ぎた」
本館のない別館。