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妖怪都市ブルース - 幻想の新宿 ―月岡芳年 錦絵で読み解く 四谷怪談―@新宿歴史博物館

「新宿歴史博物館」に行って、所蔵資料展「幻想の新宿 ―月岡芳年 錦絵で読み解く 四谷怪談―」を見てきた。

月岡芳年の錦絵は『大妖怪展』で見ていたけれど、本展で筋を追ったところ「四谷怪談」をほぼまったく知らなかったことが判明。お岩さんとゴッチャになりかけていたくらい。こいつはウッカリだ。

四谷怪談の舞台からくりは、「江戸東京博文館」に歌舞伎の仕掛け「東海道四谷怪談」のうち「蛇山庵室の場」という展示で見たはずなのだけれど、いまいちハッキリ思い出せない。常設展示だから、何かの機会にまた見られるか(それまで覚えていられるか怪しいけれど)。

本展の存在を知るキッカケになったツイートで紹介されていた、「新宿に語り継がれる伝説・伝承マップ」もいただきました。ありがたい。ここに挙がっている伝説・伝承のなかで、もっとも惹かれたのが「書籍姫の墓」。墓は現存せず土台しか残っていないそうですが、耳をあてると姫が書物を読む声が聞こえてきたそうな。

死後も本を読み続けられるなら、生きていけそう(死後の話では?)。新刊をどうゲットするかが問題だな……。今のうちから考えておかないと。

あと、全然関係ないけれど、本展のなかに水木しげる画の妖怪辞典のような本が開いて置いていかれていたのだけれど、そこに出ていたのが小さいときに知ってむっちゃ恐かった妖怪だった。どんなのかは、土転び - Wikipediaに簡単な解説が見つかったので、興味があればどうぞ。

まさか、ここで再び相まみえることになろうとは……。

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