『ロトチェンコとソヴィエト文化の建設』を読んだ。 『アート・オブ・デザイン』 のポーラ・シェアの回、彼女の作品に〈ロシア構成主義〉からの影響があると知った 『20世紀のデザイン:グラフィックスタイルとタイポグラフィの100年史』 、社会主義体制でのアートについての章がある 『人工地獄 現代アートと観客の政治学』 、ロシア現代思想を特集した 批評誌『ゲンロン 6』、『〃 7』 と〈誤配〉を楽しんでいる。 まず表紙が目を引く。〈ロシア構成主義〉の様式をうまく取り入れていて、目に入った瞬間の一撃が強烈。しかも読み終えてみれば、ピッタリだとわかる。2018/08/30時点、Amazon.co.jpには書影が登録されていないけれど、 出版社の書籍紹介ページ で見られるのでぜひ画像をクリックして拡大したのを。 その〈ロシア構成主義〉を始めた人物の一人が、アレクサンドル・ロトチェンコ。この本の主題となる――なんと紹介したらいいんだろう? とても一口に語り尽くせない。画家でもありデザイナでもあり写真家でもあり、思想家でもあった。合目的性に従って全体が構成されるべきだという思想を実践していたからだろう。表現手段を躊躇いなく切り替えていく。 とりわけ、興味が湧いたのが写真に対する考え方。ロトチェンコは見る/見えるを明確に区別していたとのこと。 ロトチェンコは「見る(смотреть = look)」と「見える(видеть = see)」を区別し、前者を意識的な視覚、後者を意識なき視覚としてとらえている」 出典:『ロトチェンコとソヴィエト文化の建設』p.186 まさに最近よく( 1 , 2 , 3 , 4上 , 4中 , 4下 , 5 の特に5)考えていた写真の見方/見え方のことだった。もう少し詳しく知りたい。 その他にもいろいろとフックになった。ただ散漫なので、 読みながらのツイートをtogetterにまとめる にとどめる。 写真だけでなく写真のテキストの関係も独特の考えを持っていたようだし、絵画では、マレーヴィチの《黒の正方形》と対比され、「最後の絵画」と評された《純粋な赤》、《純粋な黄》、《純粋な青》と《黒の上の黒》の関係なんか、 ベンタブラック が開発されたり、その独占使用権を買った アーティストの作品に観光客が落ち たり、そのアーティストだけは買え