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複製がHook - 複製された男

複製された男 (日本語、吹替用字幕付き) [Blu-ray]『複製された男』(原題 "Enemy")を観た。

複製ということはクローン。きっとSF映画だな。そう思って観てみたら全然違った。観念的な映画だった。

そう理解できたのも、公式サイトに用意されていた、ネタバレ投稿レビュー専用ページのおかげ。そこに、監督や主演俳優のネタバレ有りインタビューが掲載されている。

観ている間は緊張感を保てたのだけれど、鑑賞後の満足感はいまいち。エンディングは投げっぱなしの感が否めなかった。伏線やら暗喩を丁寧に拾っていけば、必然的なエンディングなのかもしれない。けれど、ミスリードのためだのシーンもあるようで、フェアネスに欠ける気が。ミステリィじゃないのだから、気にし過ぎか。

なんだかんだこじつけているけれど、好きになれない最大の原因は、主人公の肩を全く持つ気になれないところにあるかも。

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『ゴールデンカムイ 15』、『〃 16』を読んだ。16巻を読み始めてから、15巻を買ったものの読んでいなかったことに気がつく。Kindle版の予約注文ではままあること。 15巻は「スチェンカ・ナ・スチェンク」、「バーニャ(ロシア式蒸し風呂)」と男臭いことこのうえなし。軽くWebで調べてみたところ、スチェンカ・ナ・スチェンク (Стенка на стенку) はロシアの祭事マースレニツァで行われる行事のようだ[1]。それなりになじみ深いものらしく、この行事をタイトルに据えたフォークメタルStenka Na StenkuのMVが見つかった。 16巻では杉元一行は巡業中のサーカスに参加することになる。杉元と鯉登の維持の張り合いが、見ていて微笑ましい。鯉登は目的を見失っているようだが、杉元もスチェンカで我を失っていたので、どっこいどっこいか。なお、サーカス/大道芸を通じた日露のつながりは、実際にもこのような形だったようだ[2]。 個々のエピソードから視線を上げて、全体の構図を眺めてみると、各勢力がすっかり入り乱れている。アシㇼパは尾形、キロランケ、白石とともにアチャの足跡を辿り、そのあとを鶴見のもとで家永の治療を受けた杉元が鯉登、月島を追っている。今更だけれど、杉元やアシㇼパは、第七師団と完全に利害が衝突していると考えていないはずだった。一方で、土方一味も入墨人皮を継続。むしろ彼らの方が第七師団との対立が深刻だろう。さらに北上するキロランケはまた別の目的で動いているようだけれど、なんで尾形も一緒なんだっけ? 『進撃の巨人』に引き続き、これもそろそろ読み返す時期か。 [1] 5つの暴力的な伝統:スラヴ戦士のようにマースレニツァを祝おう - ロシア・ビヨンド [2] ボリショイサーカスの源流は、ロシアに渡った幕末日本の大道芸人たちにあった 脈々と息づく「クールジャパン」 | ハフポスト

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