『シャッフル航法』を読んだ。次の10篇からなる短篇集。
既読だったのは「内在天文学」、「シャッフル航法」、「リスを実装する」の3篇。これらは初出時に読んでいた。
この中だと「シャッフル航法」の出自が面白い。SFとは縁遠そうな、『現代詩手帳』の2015年5月号が初出。その時は「詩を題材にしたSF」ではなく「詩」だと思った。初出時のコンテキストを知らないままに、今回初めて読んでいたら違った感想を持っていたかもしれない。
その「シャッフル航法」の次に配置される「Φ」も、形式がテーマに直結していて面白かった。版面率というか版面の形から、清涼院流水の作品を連想する。でも、内容から受ける印象は正反対。清涼院流水の作品では虐殺のスケールが馬鹿げていて現実味がないのだけれど、「Φ」では分かっているけれど止められない破滅の進行に胃がキリキリする。
基本的には各篇は独立しているのだけれど、「内在天文学」で描かれている世界と「犀が通る」に出てくる星図は関係していそう。「犀が通る」の星図を天球に持つ世界が「内在天文学」で描かれていたら、ロマンチックだな、と思う。それから、翻訳を扱っている「Printable」と『道化師の蝶』所収の「松の枝の記」が関係していいそう。テーマが通底しているだけかな?
最も印象深かったのは、「イグノラムス・イグノラビムス」。意識の連続性について、色々と想像が膨らむ。寝たりしたら途絶えるのに、意識が連続しているように思えるの、どうしてだろう。
- 内在天文学
- イグノラムス・イグノラビムス
- シャッフル航法
- Φ
- つじつま
- 犀が通る
- Beaver Weaver
- (Atlas)3
- リスを実装する
- Printable
既読だったのは「内在天文学」、「シャッフル航法」、「リスを実装する」の3篇。これらは初出時に読んでいた。
この中だと「シャッフル航法」の出自が面白い。SFとは縁遠そうな、『現代詩手帳』の2015年5月号が初出。その時は「詩を題材にしたSF」ではなく「詩」だと思った。初出時のコンテキストを知らないままに、今回初めて読んでいたら違った感想を持っていたかもしれない。
その「シャッフル航法」の次に配置される「Φ」も、形式がテーマに直結していて面白かった。版面率というか版面の形から、清涼院流水の作品を連想する。でも、内容から受ける印象は正反対。清涼院流水の作品では虐殺のスケールが馬鹿げていて現実味がないのだけれど、「Φ」では分かっているけれど止められない破滅の進行に胃がキリキリする。
基本的には各篇は独立しているのだけれど、「内在天文学」で描かれている世界と「犀が通る」に出てくる星図は関係していそう。「犀が通る」の星図を天球に持つ世界が「内在天文学」で描かれていたら、ロマンチックだな、と思う。それから、翻訳を扱っている「Printable」と『道化師の蝶』所収の「松の枝の記」が関係していいそう。テーマが通底しているだけかな?
最も印象深かったのは、「イグノラムス・イグノラビムス」。意識の連続性について、色々と想像が膨らむ。寝たりしたら途絶えるのに、意識が連続しているように思えるの、どうしてだろう。