「『戦車のような彼女たち』を読んだよ」
「もうツイート済みのネタはいいですから」
「先手を取って潰しにきやがった」
「それで、どうでした?」
「完全にブギーポップシリーズの外伝だったよ。出版社が違うから、もう少しゆるい繋がりかと思っていたので、意外」
「ブギーポップシリーズは電撃文庫で、講談社ノベルスは事件シリーズですからね」
「そう言えば、事件シリーズ、そろそろ続き出ないかなぁ」
「話を戻しますけれど、本書はどうだったんですか?」
「映画『バトルシップ』(感想)を思い出した。戦車と同じように、戦艦も時代遅れだったよなぁ、そう言えば、と」
「そう意味では、本書のメインテーマ『一目惚れ』も時代遅れといえばそうですよね」
「そう、これは一目惚れの話よ。陳腐で俗っぽい、おもちゃみたいに幼稚な連中が如何にして、突発的な気持ちに振り回されて、何を押しつけられて、何を捨てさせられるかっていう、そういう話――」
「何となくだけれど、一目惚れは今でもあるんじゃないかな。ただそれが一目惚れとは認識されないまま、いつの間にか後付けの理由でコーディングされているだけで」