『せどり男爵数奇譚』を読んだ。
本作は次の篇からなる短篇集。いずれのタイトルも三字の熟語+四字の麻雀の役の組み合わせ。
『ビブリア古書堂の事件手帖』に出てくる『男爵』なんて渾名のせどり屋の元ネタ。「せどり」というのは、古本屋で中身を見ないで背表紙だけを見て割安な古本を仕入れること。と本文中では説明されている。一方で、解説から『広辞苑・第四版』を孫引きすると、
いずれにせよ、本書におけるせどりでは中身を見ないことを反映して、題材が古本ではあるけれど、その中身に関する言及はない。装丁が主題の短篇さえある。そこが不満で、自分が興味を持っているのは、中身なんだな、と再確認する。せどりが、情報の非対称性を利用したサヤ抜きと認識しているのも、好感を持てない理由かもしれない。
本は読まれてナンボだよなぁ、と。
本作は次の篇からなる短篇集。いずれのタイトルも三字の熟語+四字の麻雀の役の組み合わせ。
- 第一話 色模様一気通貫
- 第二話 半狂乱三色同順
- 第三話 春朧夜嶺上開花
- 第四話 桜満開十三不塔
- 第五話 五月晴九連宝燈
- 第六話 水無月十三公九
『ビブリア古書堂の事件手帖』に出てくる『男爵』なんて渾名のせどり屋の元ネタ。「せどり」というのは、古本屋で中身を見ないで背表紙だけを見て割安な古本を仕入れること。と本文中では説明されている。一方で、解説から『広辞苑・第四版』を孫引きすると、
同業者の中間に立ち、注文品などを尋ねダシ、売買の取次をして口銭をとること。また、その人。とされていて、ハッキリしない。
いずれにせよ、本書におけるせどりでは中身を見ないことを反映して、題材が古本ではあるけれど、その中身に関する言及はない。装丁が主題の短篇さえある。そこが不満で、自分が興味を持っているのは、中身なんだな、と再確認する。せどりが、情報の非対称性を利用したサヤ抜きと認識しているのも、好感を持てない理由かもしれない。
本は読まれてナンボだよなぁ、と。