『ゴールデンカムイ 11』を読んだ。
まず目に飛び込んでくるのが、表紙を飾るアシㇼパさん。凜としつつも可憐でもあり息を呑む。それなのに本編では顔芸を見せてくれたり「オソマ」を連呼したりする。吹き出す。
本編に目を向けると、尾形の掘り下げが印象的だった。食事中にアシㇼパさんが何の気なしに言った言葉がキッカケに、彼の過去が描かれる。唐突と言えば唐突。でも、味覚というプリミティヴな感覚は、ときに思いがけない古い記憶を蘇らせる引き金になると思うので、そういうものだったと得心もできる。尾形が好きなキャラだから許せているというのもあるかもしれないけれど。
ただ、それも痛し痒しで本筋がほとんど進まない。尾形の話を除くと、囚人列伝に紙幅の大半が割かれている。登場するのは、稲妻強盗と蝮のお銀の夫妻と、姉畑支遁。ざっとググって分かった範囲だけれど、稲妻強盗・坂本慶一郎のモチーフは坂本慶次郎、姉畑支遁は『シートン動物記』のアーネスト・トンプソン・シートンだろう。蝮のお銀は分からなかった。
稲妻強盗と蝮のお銀の夫妻は、ボニー&クライドを引き合いに出していて、ピカレスク・ロマンとしてよかった。モチーフであろう坂本慶次郎も犯罪者だったので、違和感もない。
一方で、姉畑支遁が……。幼少のみぎりに『シートン動物記』を読んでいるので、強烈な違和感が。モチーフのシートンとのギャップが大きいのは、本作の囚人としてのキャラ付けとして我慢する。でもそのキャラ付けが。直接的過ぎやしないか……。かえって冷静になってしまう。
まず目に飛び込んでくるのが、表紙を飾るアシㇼパさん。凜としつつも可憐でもあり息を呑む。それなのに本編では顔芸を見せてくれたり「オソマ」を連呼したりする。吹き出す。
本編に目を向けると、尾形の掘り下げが印象的だった。食事中にアシㇼパさんが何の気なしに言った言葉がキッカケに、彼の過去が描かれる。唐突と言えば唐突。でも、味覚というプリミティヴな感覚は、ときに思いがけない古い記憶を蘇らせる引き金になると思うので、そういうものだったと得心もできる。尾形が好きなキャラだから許せているというのもあるかもしれないけれど。
ただ、それも痛し痒しで本筋がほとんど進まない。尾形の話を除くと、囚人列伝に紙幅の大半が割かれている。登場するのは、稲妻強盗と蝮のお銀の夫妻と、姉畑支遁。ざっとググって分かった範囲だけれど、稲妻強盗・坂本慶一郎のモチーフは坂本慶次郎、姉畑支遁は『シートン動物記』のアーネスト・トンプソン・シートンだろう。蝮のお銀は分からなかった。
稲妻強盗と蝮のお銀の夫妻は、ボニー&クライドを引き合いに出していて、ピカレスク・ロマンとしてよかった。モチーフであろう坂本慶次郎も犯罪者だったので、違和感もない。
一方で、姉畑支遁が……。幼少のみぎりに『シートン動物記』を読んでいるので、強烈な違和感が。モチーフのシートンとのギャップが大きいのは、本作の囚人としてのキャラ付けとして我慢する。でもそのキャラ付けが。直接的過ぎやしないか……。かえって冷静になってしまう。