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誰のパースペクティブ? - はじめよう!要件定義 ~ビギナーからベテランまで

はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで『はじめよう!要件定義 ~ビギナーからベテランまで』を読んだ。

要件定義の肝が200ページ足らずにコンパクトにまとまっているように見える。「見える」と言ったのは、自分は要件定義に明るくない(つまりビギナーだ)から。これが肝かどう判断がつかない。でも、最近の問題意識と照らすと的を射ているように感じる。本書が述べる要件定義の成果物が揃っていたら、今の苦労はない。ダメを押したのが下記の書評。本書にある、要件定義の成果物がちゃんとそろっていたら、今どれだけ楽なことか。各機能の処理定義が手続き的に記述されているドキュメントはあるけれど、入出力定義や行動シナリオがないから実装できないし、テスト設計もはかどらない。
  • 企画書
  • 全体象(オーバービュー)
  • 利用する実装技術
  • 実現したいこと一覧(要求一覧)
  • 行動シナリオ一覧
  • 行動シナリオ
  • ワークセット一覧
  • 概念データモデル
  • ラフイメージまたはモックアップ
  • 画面遷移図
  • 項目の説明
  • 機能の入出力定義
  • 機能の処理定義
  • 統合ERD

一方で、自分はDBを重視しているからか、「データベースはUIに従属する」なんてUIファーストな手法には抵抗がある。まっさら新規開発ってレアで既存データがあるはずだから、それも押さえたくなる。UIファーストだけでは細部が抜け落ちていたりする気がして安心できない。

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