「『スケッチ感覚でパースが描ける本』を買ってみたよ」
「セルメダルで戦う仮面ライダーが描けるわけですね」
「それはバース」
「阪神の」
「それもバースだけど。待て待て。バースじゃなくてパースだって」
「パースペクティヴのことですね」
「そうそう。ようやく話が戻ってきた」
「これが後々の伏線になろうとは……」
「ならねえよ!! そろそろ話し進めようぜ」
「はい。で、描けるようになったんですか?」
「ちょっとずつ分かってきた。これにパースをつけると」
「こうなる」
「ちゃんと遠近感がつきましたね」
「パースってこういうことだったんだね。今まで感覚で描いていたのは、アクソノ[1]っぽかったということがよく分かったよ」
「ほとんど背景無しでキャラクタばかり描いていましたし、構図もパースをきつくすることほとんどありませんでしたしね」
「描けないからな……」
「あ、そう言えばバース描いてないですよ?」
「伏線として回収しようとするのはいいけど、強引過ぎるだろ」
[1] アクソノメトリックの略。消点を持たないから透視図。1枚目の絵はアクソノで描かれている。